analogBOX ブログ

GのBIM備忘録

Archicad:LVS計算を省力化する

2022年04月05日 | BIM

ArchicadでLVS計算する為の手順を御紹介します。

ここではあくまでも私のスキルに基づきますので、必ずしもArchicadの限界を示すものではありません。

 

このやり方では、窓から境界までの距離等を入力することにより、採光・換気・排煙の有効面積を算出します。

 

 

 

手順としては、

1.【ファイル】>【プロジェクト情報】>【敷地の詳細】の中に項目【用途地域】を追加して、そこに用途地域の番号を入力する。

【プロジェクト情報】に用途地域を追加することで、すべてのプロパティからその値を参照できます。

また、用途地域に合った係数を自動算出することも可能になります。


        

2.「プロパティ」を作成する。

「プロパティ」は

① データを入力するプロパティ

1⃣ 用途地域:あらかじめ用途地域のリストを作成し、番号で用途地域を判別させる。

2⃣ 窓と建築物の直上部分までの垂直距離を計算させるためのデータ、境界までの水平距離を入力

3⃣ 90cm以上の縁側や道路に面することの有無

4⃣ 天井高さ

   その他

⓶ Archicadのオブジェクトから属性を得るプロパティ

1⃣ 窓の高さ・幅・腰高・設置フロア

2⃣ 窓が属するゾーンの名前と番号

  その他

③ ①、②を基に計算をするプロパティ

1⃣ 用途地域の判別:これにより係数等を判別します。

2⃣ 採光係数

3⃣ 窓中心から建物直上部分までの距離:窓を修正しても、関連した部分の計算が自動修正されます。

4⃣ 窓単体の有効採光面積・有効換気面積・有効排煙面積

  その他

 

ただ、プロパティを作成するだけでは窓単体の有効面積しか出せませんので、それらを部屋毎に集計する為には

① 「ゾーン」

部屋領域を示すゾーン以外は必ず非表示にしてください。

ゾーンが重なると目的とするゾーンの属性を取得できません。

 

② 「一覧表」

の作成が必要です。

 

 

また、モデル上で窓の様々なデータや計算結果を確認しながら調整する為に、上記で作成した「プロパティ」を表示させるための「ラベル」を作成すれば効率が上がります。

 

 

 

これらを利用してモデル上で、或いは一覧表上で調整しながらLVS計算を行えば、すべてクリアできた時には関連する図面も窓に関しては修正が完了していることになります。

 

ただ、「プロパティ」は、簡単なプログラミングの知識が必要で、プログラミングの経験のない設計者には少し敷居が高いかもしれません。

 



コメントを投稿