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正確には、身近にCineRenderでのレンダリングに関するアドバイスを受けられる存在がいないArchicadユーザーにとって、CineRenderのレンダリング品質を上げる事は難しい、と思います。
建築設計実務を抱えながらCineRenderの試行錯誤をしなければならないのは、かなりハードな状況です。
人の倍働く覚悟がなければ無理ではないでしょうか。いやその覚悟があってさえ難しいかもしれません。
それは例えばマテリアルの設定で、マテリアル設定ウィンドウではそれらしく見えても
マテリアル設定ウィンドウでのアルミニウムの設定
実際のシーンでは設定通りの表現にならない事は珍しくはありません。
シーンのレンダリングではアルミニウムパネルがそれらしく表現できない。
これをシーンの中でアルミニウムらしく表現できるまで設定を調整するのは、CGの知識や経験に乏しい建築設計者がアドバイスを受けずに行うのは非常に困難です。
現実の世界でもアルミニウムがアルミニウムらしく見えない状況は多々あります。
ですがそれはなんら問題ありません。
それはある状況ではアルミニウムらしく見えないだけで、そこにあるのはアルミニウムだと、見る者が認識できるでしょう。
けれどもバーチャルの世界では事情は異なります。
アルミニウムは常にアルミニウムらしく見えなくてはなりません。
が、教科書には常にアルミニウムらしく見せる方法など載っていません。
残念ながら私はそういう情報を見た事がありません。
教科書に載っていない、情報もない、となれば試行錯誤して自分で見つけるしかありません。
私はこれまで独学してCGを作成してきました。
近くにCGパースを教えてもらえる存在は無く、インターネットと書籍から情報を得てきました。
けれども本当に欲しい情報はインターネットにも書籍にも無く、試行錯誤によって課題を解決するしかありませんでした。
従来の、そして現在も主流のCGアプリケーションは、設定を変更する度に再計算しなければなりません。
試行錯誤にも限界があり課題はなかなか解決できませんでした。
私の場合はパース屋であり、CGパースの表現向上の為に時間と手間をかける事は当たり前の事です。
ですが、これを建築設計者が建築設計実務の傍ら行う事を考えると、そのユーザーさんが気の毒でなりません。
とはいえ、パース屋の私がこんなことを言うのは問題なのかもしれませんが、率直に言って「パース」は本来設計者が作るべきものだと思っています。
レンダリングに関するスキルをあげる事は、設計イメージをより正確に表現すると言う点で、BIMを扱う建築設計者にとっては建築の技術の一つとして重要になってくるのではないでしょうか。
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