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ムービー・クリティサイズ

映画ブログ。映画を愛でよ!監督を愛でよ!
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ハルフウェイ

2010-11-16 14:28:04 | LOVE STORY
メガホンを取ったのは北川悦吏子。テレビドラマの『ビューティフルライフ』などの脚本を書いた「恋愛ドラマの神様」と呼ばれる脚本家です。

キャスト:北乃きい、岡田将生

ストーリー:北海道の高校3年生、紺野ヒロ(北乃きい)は片思いの相手である篠崎修(岡田将生)に思いもよらぬ形で告白することになり、二人は付き合い始める。しかし修は東京の大学に進学する予定であることをヒロに言えずにいた。

【タレントとしての魅力】
本作の魅力を語るにまず真っ先に述べるべきは、、、
北乃きいが、かぁああいいいのぉおおお!!
岡田将生が、かぁああいいいのぉおおお!!
今年のベストカップル賞内定。
ほとんどのシーンがアドリブだったらしく極めて自然体。
この子たちが可愛いのは、演技ではなく、正にタレントとしての人間の魅力。
いや、すごい。惹きつけられる。
上映時間は85分ですが、もっとこの二人を見ていたいと思えるほど主演の二人は魅力的です。
ちなみに、タイトルの『ハルフウェイ』は北乃が「halfway」という単語を誤って「ハルフウェイ」と読んだことがキッカケとなっています(その光景は本編中で使われています)


【岩井俊二のカラー】
映画全編が少女漫画のような香りを漂わせています。
それはスタッフを確認してみると理由が明確になります。
プロデューサーに岩井俊二が入っている関係で、過去の岩井作品に関わってきたスタッフが集まっています。
編集を岩井俊二が。細かいジャンプカットは彼の作品の特徴の一つです。
音楽を小林武史(『リリィ・シュシュのすべて』、『スワロウテイル』)
撮影は角田真一(岩井俊二の作品の多くを撮影してきた篠田昇に師事)
過去の岩井俊二作品の雰囲気が好き!という人には間違いなくオススメ出来るかと思います。

【映画としての物足りなさ】
この映画は北川悦吏子が脚本を書いたものの、途中から脚本はないも同然と言っていい状態になりました。岩井俊二が岡田将生と北之きいの会話の自然さを見ていて北川監督へ「アドリブでやらせてみたら?」と言ったことがキッカケになっています。
本業が脚本家としての北川悦吏子は脚本を放棄することに対して相当迷ったようですが、結果として話の大筋はあるものの、基本的には俳優に委ねられることになりました。
そのため、精査された脚本ではなくなってしまったため、「話がダラダラ進む」という印象を持つ人がいるのも事実です。

【二人の行末は】
この映画を見て、ふと思い出した映画があります。それは『ジョゼと虎と魚たち』。
『ジョゼ~』は大学生の男の子が足に障害を持つ女の子と恋に落ち、気持ちは本当だったのに結果として別れてしまうというものでした。
その時に感じた罪悪感や悲しさ、寂しさ、愛おしさを、この『ハルフウェイ』にも感じたのです。
本作では、二人の別れはハッキリとは示されていません。しかし、別れを連想させる要素が3つほどあります。
一つは、ED曲の「halfway」の歌詞にあります。

 あなたの夢も あなたの声も
 あなたのしぐさも 覚えてる
 ずっとずっと…。 でもね
 あなたの心のドアの鍵を持てたら
 もし持ってたなら 今でも二人は…。なんてね、ごめんね。

最後に流れる曲の内容が「愛しい人との別れ」を歌っているものであること。
それもヒロの立場の歌詞に思えることが一つのポイントです。

二つ目は主演の二人がどういう未来を連想して演技したか、ということです。
DVDに収録されているインタビューで岡田将生と北之きいが、メインキャラクター二人の今後に関して言及していますが、二人とも「別れると思う」と回答しています。
『ハルフウェイ』は主演の二人の意思で物語が進行していましたので、二人が「いつかは分かれる」と思って演技していることは一つのポイントになります。

三つ目のポイント(二つ目と少し被りますが)は紺野ヒロの選択と表情。
終盤、電車で旅立つ修をヒロが見送るシーンがありましたが、本来の脚本であれば、「ヒロは電車に飛び乗る」という展開になるハズでした。
しかし、北乃きいはアドリブで電車には飛び乗らず、そのまま見送るという展開を選びました。
電車が去った後のヒロの表情に注目して下さい。
全てを見通したような、寂しげな微笑み。流れる一筋の涙。
私には「これでお別れだね」という表情にしか見えません(一時の別れでこんな表情をするでしょうか?)。
我が侭に振舞っていた少女ヒロは、恋人との別れを経験して大人の女性へと一皮剥けるのです。

【最後に】
『ハルフウェイ』は評論家からは不評の面があります。明確なテーマや深い含蓄がないためです。
しかし、誰もが憧れてしまうような瑞々しいやりとりと甘酸っぱい気持ちが凝縮されています。
それを感じることが出来ます。
salyuが歌うエンディングが流れる時、多くの人が爽やかな涙を流すことが出来るのではないでしょうか。


オススメ度:

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恋空

2010-07-10 04:24:56 | LOVE STORY
今井夏木監督作品。
話題のケータイ小説を映画化。
当初は実話とのことだったが、あまりに荒唐無稽な展開のため多数のツッコミを受けた後は「実話を基にしたストーリー」に変更した脚本。

キャスト:新垣結衣、三浦春馬

ストーリー:美嘉(新垣結衣)が落とした携帯電話を偶然拾った、ヒロ(三浦春馬)。携帯電話のみのやり取りであったが美嘉は次第にヒロに惹かれていく。
二人は付き合うことになるが、ヒロが白血病であることが判明する。


しかしまぁ、何ともスィーツ脳な映画。
レイプ、いじめ、妊娠、流産、両親の離婚、恋人の癌発覚とスッゲー重い出来事がサラっとお茶漬が如く流されていく。


これは、、、観客をナメてんのだろうか?
お涙頂戴エピソードを山盛りにしておけば、すごい泣けるものが作れるとでも思っているのだろうか?
「いじめ」というたった一つのテーマですら、現実世界で本当に自殺する人もいるというのに、あまりに物事を軽く考え過ぎじゃないだろうか。

レイプシーンは本当であればとても痛ましいシーン。
「これは辛いシーンなんですよ」ということを役者を使って、音楽を使って照明を使って伝えたい感情、思いを表現しなければならない。
この映画でやったのは、淡いパステルカラーのお花畑で、弱弱しく「いや」というだけ。
いつからレイプはメルヘンな出来事になったのでしょうか。
最早このレベルになると、センスがないとか、経験不足とかいう印象でなく、作り手の悪意のようなものを感じます。

個人的に気になったのはメインキャラ、ヒロがガンガン放つ厨な台詞。
「美嘉は俺が守る!」
「結婚を許してくれるまで、何度でも来ます!」
「(レイプを指示した相手を押さえつけ)美嘉が望むならこいつ殺してやるよ」
などなど。
なんか一昔前の少女漫画のヒーローみたいだなぁとか思っていたら、、、作者の年齢が垣間見えるワンシーンが。

主人公美嘉が合コンで遊ぶシーン。
なんと「ツイスター」で遊んでいるではないか。
バーーーーカ!!!!今時の若者が「ツイスター」で遊ぶかよ!
バブル世代が!
(案の定作者の渡邉睦月の年齢を調べたら1971年生まれ)
マンガの読みすぎだ。もっとリアルなやり取りを想像しろ。

高校生を中心に「感動した」との評判もある本作。
でも一言言わせてくれぃ
「レイプされた数日後に図書室でセクロスしちゃう奴に娘はやれん!」と。


こんなものを世に送り出した制作陣はクリエイターとして恥ずかしくないのだろうか。
そして、この作品を感動出来る感性が日本に確実に存在することが恐ろしいのです。


オススメ度:

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SAYURI

2007-08-27 04:20:43 | LOVE STORY
原題『Memoirs of a Geisha』
2002年版『シカゴ』のロブ・マーシャル監督作品。


キャスト:チャン・ツィー、渡辺謙、ミシェル・ヨー、役所広司、桃井かおり


ストーリー:親によって姉ともども芸者館に売られてしまった9才の主人公千代。下女として働いている間に「会長さん」に憧れを抱くようになり、芸者への志を固める。時は経ち千代は15歳。才能ある芸者となった彼女はさゆりと名乗る。


日本が舞台であるにも関わらず全編英語。
これにものすごい抵抗を抱く人は多いと思いますが、随分デフォルメされた日本像が描かれているので個人的にはさほど気にならなかったです。生前の黒沢明が「この企画をやるならキャストは全員日本人で日本語を喋らなくてはならない」とスピルバーグ(今回は製作総指揮の一人)に話したと聞きましたが、う~ん、、、世界規模での公開を視野にしたら公益的に厳しいだろうなぁ。白人ウケがよくて実力も確かな日本人キャストってそんなに多くないもん。

外国人から見た「京都」の風景を誇張して描かれているために映像は超綺麗。柔らかい陽射しに、美しく桜が舞い、清らかな川のせせらぎが聞こえてくる。変な言い方になりますが実際の京都より京都らしいです。まぁ、ネイティブの我々からしてみれば神社で鐘がゴーンって鳴ったりするのは明らかにおかしいだろとか思いますが、その辺は笑って許せるくらいのゆとりが欲しいですね。


でも肝心の中身がですね、とても中途半端なんです。
さゆりと会長さんのラブストーリーが主軸なのにも関わらず、日本の風俗の紹介と芸者の熾烈さ、千代の不幸自慢に時間を割きすぎてしまってラブストーリー部分がスカスカなんです。だから結果として感情移入出来なくて見終わった後の感想の一言が「キレイだった」で終わってしまうんです。あぁ、勿体ねぇ。

チャン・ツィーに目が行きがちですが、個人的には「初桃」を演じたコン・リーや幼少期の千代を演じた大後寿々花の方がよくキャラクターを理解した演技をしていたと思います。ちなみに役所さんはこの作品でハリウッドデビュー。


長所と短所がハッキリし過ぎていてなんとも言えない作品。


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ジョゼと虎と魚たち

2007-07-25 22:50:05 | LOVE STORY
犬童一心監督作品。

キャスト:妻夫木聡、池脇千鶴。

ストーリー:麻雀屋でバイトをするごく普通の大学生の恒夫。最近麻雀屋で近所の婆さんの乳母車の話が噂になっていた。ある日、恒夫は坂道を走ってくる例の乳母車と遭遇。中をのぞいてみるとそこにはジョゼと名乗る少女。恒夫はそんな不思議なジョゼに惹かれてゆく。


よく恋愛映画で言われる「リアル」という評価ですが、この作品のキャラクターの心の動きほどそれの似合う言葉はないでしょう。ジョゼは彼女が愛読する本の一説から読み取れるように愛の一過性というものを知っていますし、恒夫はコロコロ愛する対象を変えます。「愛」を神聖なものとして映さない。その捉え方が現実に生きる私たちの心に記憶するリアリティと合致し突き刺すのです。


別れは相手のことを嫌いになって訪れるものではありません。愛せなくなって訪れるものだと思います。だからこそ、最後恒夫が泣き崩れるシーンに胸が締め付けられます。楽しかった思い出だとか、相手に幸せになって欲しい思いだとか、なんでこうなっちゃったんだろうっていう後悔だとか様々な感情が残るわけですから。切なすぎる。
確かに恒夫の選択はヒドいかもしれません。ですが、それを非難できるほど立派な人なんているのでしょうかね。


少しずつジョゼから心が離れていく恒夫が、ジョゼを置き去りに建物の影に入っていく表現は秀逸だと思いました。

くるりの『ハイウェイ』で彩るEDが爽やかで泣けます。くるり最高。

邦画の良心。そう思わせるほどの映画です。

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エターナル・サンシャイン

2007-06-24 05:40:42 | LOVE STORY
原題『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』
ミシェル・ゴンドリー監督作品。
脚本はゴンドリーとチャーリー・カウフマン。この2人は3年かけて脚本を書いたそうです。結果、アカデミーの脚本賞受賞。日本のコピーは「奇跡の脚本」覚えておいて損はないでしょう。
キャスト:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルティン・ダンスト、イライジャ・ウッド

ストーリー:「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消去しました」ラクーナという会社からの不思議な手紙。クレメンタインはジョエルの元彼女。彼に嫌気が差した彼女は特別な技術により、彼の一切の記憶を削除した。ジョエルは激怒し、同様の処置を受けるが、施術中に彼女との愛の記憶を拾い始める。


ジ、ジ、ジム・キャリーがラブトーリーーーっ!!大丈夫なのか?と思ったら開始5分でイケると直感させてくるあたりは流石です。でも、途中でやっぱりジム・キャリーでした。でもモチロン雰囲気を損なわない程度です。

不思議なアプローチ。心の中で記憶が消えていく描写を映像化した作品はこれくらい?
そして恋愛の美しいところ、醜いところを時間軸を弄りまくって交互に主張してきます。右往左往する時間軸を見極める手がかりはクレメンタインの髪の色、これはクレメンタインのジョエルに対する気持ちの区切りを表したものだからです。

劇中の台詞。
「ねぇ、この記憶もあと少しで消えちゃう。どうする?」
「…楽しもう」
このやり取りに涙腺ぶっ壊れました。出会いと別れを定められた全ての恋人達の時間の縮図のようにしか見えなくて。あの瞬間私はジョエルになりました。楽しくて、苦しくて、愛おしい。そんな気持ちが内側からジワジワこみ上げてきます。


あなたのバイブルになりうる渾身の一作。
観ないのは勿体ない。

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シザーハンズ

2007-06-19 01:12:33 | LOVE STORY
原題『edward SCISSORHANDS』
ファンの多い、おとぎ話テラーのティム・バートン監督代表作品。主演はジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー。


古城でひっそりと暮らす両手が鋏の人造人間エドワード。化粧品販売員ペグの親切から町へ招待されたエドワードは彼女の娘キムに恋をする。


社会的マイノリティー側の視点を描いた作品。
バートンはヒーローと怪物が戦うと怪物側へ感情移入して世界を見るそうです。このことを考えると、エドワードはバートン自身だと言えるでしょう。ボサボサ頭で口下手、鋏を振るうことでしか(映画を撮ることでしか)自分を表現出来ない人のカタチをしたクリーチャー。共通点が多すぎます。
そんな彼を演じたのがジョニー・デップ。ご存知の方も多いかとは思いますが、彼は若い頃アイドル路線で売り出していたのですが、本作を契機に変わった役を好んで演じるようになり、今では個性派の俳優として有名になりました。このことを考えると彼ももたマジョリティーで生きることを嫌うマイノリティーであることが分かるでしょう。だからこの二人、気が合うんですよ。


本来、万人ウケが良くないハズの本作がここまで広く愛されるのは、完全にエドワードの視点から町での生きづらさを描ききった点にあるでしょう。
最初、町では彼の芸術性を認められチヤホヤされるんですが、実際には彼という人格を認められていないことが段々分かってきます。


このストーリーを受けて、観客はこの映画の時間の中でだけマイノリティーであることの辛さを体験出来るのです。
本当はほとんどの人がマジョリティー側で普段は町の人間の立場なんだけどね。ここがこの映画の少し皮肉なところ。


エドワードが氷の彫像を造る時に巻き起こす雪の中キムが踊るシーンはこの映画で最も重要なシーンです。彼の作品と彼の存在自体が愛する人に受け入れられた瞬間なのですから。


エドワードが人知れず町に雪を降らせる様に、バートンは作品を世に送り出す。少しばかり複雑な気分になりますね。
バートンの人生込められてんだ。
観ろーーーっ!!!!

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