『ジュラッシック・パークⅢ』のジョー・ジョンストン監督作品。
キャスト:ベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンス
ストーリー:突然の兄の訃報を受けたローレンス。兄の死を確認するため、急遽実家に戻るが兄を殺したのは人狼だという噂が広まっていた。
事前の高評価を受けて劇場に足を運んだのですが、これがとんだ肩すかし。
ゴシック調の世界観は見事でしたが、展開のテンポが悪く、人物描写も相当にぬるいので眠くなる始末。
これは失敗作。
【ゴシック世界とジョー・ジョンストンのキャリア】
本作の魅力の最たるものとして、「オカルトゴシックとしての世界観の構築」というものがありました。
何故、本作にその魅力が生じたのかは監督のJ・ジョンストンのキャリアを見ることで明らかになります。
ジョンストン監督は大学でイラストレーションを学び、『スターウォーズ エピソード4』でデザイナーとして頭角を現し、続く続編2作では特撮アートディレクターとして活躍の場が広がり、後に『レイダース/失われたアーク』でアカデミーの視覚効果賞を受賞するに至ります。
元々、デザインに精通していたので、小物のディテールなどに拘りがあり、それが積み重なってゴシック的世界観の構築に至ったと考えられます。
こうしたデザイン畑出身の映画監督がズバ抜けた世界観を構築するケースは他にもあり、パッと思いつくものが『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督ですね。彼も『エクソシスト』で特殊メイクを施したディック・スミスの師事をうけ、美術を学んでいます。
【オカルトホラーか、オカルトアクションか】
分類的にはホラーとされている本作ですが、ホラーとしての要素は多分に薄い印象を受けました。ホラー的な要素はあくまで画面の薄暗さや、「恐いのが、出るか?いやまだか?」というドキドキ感に留まります。身体の芯が冷えるような要素はありません。
ホラー的な要素より目立ったのはアクション性。
飛び散る鮮血はバイオレンス映画のようであり、走るのが速く目に映らない狼男はちょっとしたモンスターパニックのよう。挙句の果てに、ラストでは狼男二匹のガチンコファイト。これ、、、ホラーとしては無理がある。。。
【人物の思考説明の欠如】
全体的に人物の感情の変化や心情が掴めません。結構ハッキリ言ってしまうとぺらぺら。
なんで主人公(B・デル・トロ)と主人公の兄嫁が劇中に恋仲になるのですが、二人が心を通わせるシーンは1シーンのみ。この1シーンにさしたる密度がないため、何故二人が恋に落ちるのか分からない。観客はおいてけぼり。
それから、主人公は父親(A・ホプキンス)は息子を狼男にするという企みを抱いているのですが、何故そうしようと思ったのか、それが全く描かれない。
只一人の狼男ゆえの孤独か?そうすると、ラストのガチファイトの意味が分からない。とにかく意味不明。
この脚本、全然ダメダメじゃん!
せめて、父親のサイコ性とかをクローズアップしておけばサイコホラーの側面を出してもっといい作品になったと思うのに。
残念というより、勿体ない!
【ウルフマン】
世界観の構築にもかなり貢献している重要な要素として、本当の主人公と言っていいモンスターとしての狼男のデザインが一つ挙げられます。本作は1941年公開の『狼男』のリメイクになりますが、同じ狼男を題材とした81年公開のジョン・ランディス監督作『狼男アメリカン』で特殊メイクを担当したリック・ベイカーが参画しています。
今回の狼男のメイクアップに要する時間はなんと4時間。CGを使わない昔ながらのメイク技術が、違和感を感じない温かみ(?)のあるモンスターに命を吹き込むことに成功しています。
狼に変身する時にはCGを使っています。骨格が変化するゴキゴキ感はとてもよかったです。
オススメ度:
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キャスト:ベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンス
ストーリー:突然の兄の訃報を受けたローレンス。兄の死を確認するため、急遽実家に戻るが兄を殺したのは人狼だという噂が広まっていた。
事前の高評価を受けて劇場に足を運んだのですが、これがとんだ肩すかし。
ゴシック調の世界観は見事でしたが、展開のテンポが悪く、人物描写も相当にぬるいので眠くなる始末。
これは失敗作。
【ゴシック世界とジョー・ジョンストンのキャリア】
本作の魅力の最たるものとして、「オカルトゴシックとしての世界観の構築」というものがありました。
何故、本作にその魅力が生じたのかは監督のJ・ジョンストンのキャリアを見ることで明らかになります。
ジョンストン監督は大学でイラストレーションを学び、『スターウォーズ エピソード4』でデザイナーとして頭角を現し、続く続編2作では特撮アートディレクターとして活躍の場が広がり、後に『レイダース/失われたアーク』でアカデミーの視覚効果賞を受賞するに至ります。
元々、デザインに精通していたので、小物のディテールなどに拘りがあり、それが積み重なってゴシック的世界観の構築に至ったと考えられます。
こうしたデザイン畑出身の映画監督がズバ抜けた世界観を構築するケースは他にもあり、パッと思いつくものが『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督ですね。彼も『エクソシスト』で特殊メイクを施したディック・スミスの師事をうけ、美術を学んでいます。
【オカルトホラーか、オカルトアクションか】
分類的にはホラーとされている本作ですが、ホラーとしての要素は多分に薄い印象を受けました。ホラー的な要素はあくまで画面の薄暗さや、「恐いのが、出るか?いやまだか?」というドキドキ感に留まります。身体の芯が冷えるような要素はありません。
ホラー的な要素より目立ったのはアクション性。
飛び散る鮮血はバイオレンス映画のようであり、走るのが速く目に映らない狼男はちょっとしたモンスターパニックのよう。挙句の果てに、ラストでは狼男二匹のガチンコファイト。これ、、、ホラーとしては無理がある。。。
【人物の思考説明の欠如】
全体的に人物の感情の変化や心情が掴めません。結構ハッキリ言ってしまうとぺらぺら。
なんで主人公(B・デル・トロ)と主人公の兄嫁が劇中に恋仲になるのですが、二人が心を通わせるシーンは1シーンのみ。この1シーンにさしたる密度がないため、何故二人が恋に落ちるのか分からない。観客はおいてけぼり。
それから、主人公は父親(A・ホプキンス)は息子を狼男にするという企みを抱いているのですが、何故そうしようと思ったのか、それが全く描かれない。
只一人の狼男ゆえの孤独か?そうすると、ラストのガチファイトの意味が分からない。とにかく意味不明。
この脚本、全然ダメダメじゃん!
せめて、父親のサイコ性とかをクローズアップしておけばサイコホラーの側面を出してもっといい作品になったと思うのに。
残念というより、勿体ない!
【ウルフマン】
世界観の構築にもかなり貢献している重要な要素として、本当の主人公と言っていいモンスターとしての狼男のデザインが一つ挙げられます。本作は1941年公開の『狼男』のリメイクになりますが、同じ狼男を題材とした81年公開のジョン・ランディス監督作『狼男アメリカン』で特殊メイクを担当したリック・ベイカーが参画しています。
今回の狼男のメイクアップに要する時間はなんと4時間。CGを使わない昔ながらのメイク技術が、違和感を感じない温かみ(?)のあるモンスターに命を吹き込むことに成功しています。
狼に変身する時にはCGを使っています。骨格が変化するゴキゴキ感はとてもよかったです。
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