心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

木曽川と長良川の渡し船 葛木渡船と森下渡船の旅(5)

2015年03月10日 | 渡し船の通う川をたずねて


 (つづき)


 時刻表があるわけでもありませんから、時計の針も見ずに、「じゃ行くか」という雰囲気になり、おじさん達の後をつけて河原へ降りて行きます。二艘の小さな船がとまっていましたが、渡船用は1つだけで、もう1つは関係ない私有の船のようです。河原には、ここが乗り場だとかいう掲示はありません。おじさんは船の後ろを両手でしっかり押さえ、慎重に先に妻が乗り込み、後で私が乗ります。
 船の名前は「第 葛木丸」と書いてあって、第の後の漢数字を消した跡があります。
 最初はオールで漕ぎ、その後エンジンが静かに回り出します。揺れはほとんどありません。
 水面ぎりぎりを白鳥が飛んでいます。
 船から水面を見ました。実に寒々しい水面です。さっきの鳥と同じ景色を見ているんだなと思いました。


 5分くらいで対岸に着きました。
 二条の川が並行している場所は数多くあれど、木曽川・長良川、両方とも大河だという場所は少ないのではないでしょうか。今着いた場所はその間にある陸地です。
 どこに船をつければよいか、船頭さんは迷っている様子でした。川底に土が溜まって、浅くなっているようです。着いた場所は大きな石がゴロゴロし、危なっかしい足もとでした。
 折り返しに乗る客はなく、静かに対岸へ還っていきます。水面に矢印の形をした波が立っています。船はあっという間に小さくなりました。


 (つづく)



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