中国ネット金融

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日本のスマホ決済が普及できなかった本当の理由

2018-08-14 08:21:25 | スマホ決済

 今日たまたまネットで日本のスマホに関する日経新聞の記事を見つかりました。

 スマホQR決済、普及を待たずにサバイバル

  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33531890X20C18A7000000/?df=2

 ラインがスマホの普及するために、手数料を無料化、そして他の企業がしのぎを削って競争しているという内容であった。

 日本のスマホ決済普及しなかった理由について、日本人が現金主義を信仰し、ATMや銀行の普及で現金に慣れてしまったことがマスコミの基本論調であった。それも一つの理由であることが間違いないでしょう。日本の普及できなかった理由を考える前に中国のアリペイが普及した道のりを見てみよう。

 アリペイが誕生する前、アリババの「淘宝」での取引が大きく拡大できなかった。当時、中国のクレジット決済が普及しておらず、決済は基本的に銀行振込であった。ヤフーオクションでも起こったように、詐欺やトラブルが横行でネット取引の足かせになってしまった。アリババは決済問題を解決するために、自社の信用を担保にして決済サービスを提供することにした。これは今では超有名になった「アリペイ」であった。アリババが進んでアリペイを作ったのではなく、必要に追われてアリペイを提供するようになった。その方式も「エスクロー方式」と呼ばれて、決して自分で新しく開発したものではなく、韓国のネットショップで失敗したものをコピーしたものである(Erisman, 2015)。アリペイが誕生してからネット取引の促進に大きく促進したとはいえ、今のように屋台までスマホ決済も利用できるほど普及したのが「余額宝」が誕生するまで待たなければいけない。

 「余額宝」が貨幣基金(MMF)と連携して、口座に残ったお金を自動的に運用し、残高から利息が産めるようになった。これが「余額宝」の爆発のきっかけになった。今中国で流行ったスマホ決済はその延長線上過ぎなかった「余額宝」と日本のスマホ決済の間に一つ大きいな違いが存在する。Lineのような日本のスマホ決済のバックにある口座は単純の「決済型口座」であることに対して、「余額宝」の口座は「銀行型決済口座」である。「決済型口座」は単に決済の手段にすぎず、口座には残高が残せない。「銀行型口座」は決済機能のほかに残高が残せる上、運用もできるし、お金は他の人に直接に送ったりもらったりもできる。

 余額宝の運用リターンが最初年率7%に登り、現在でも4%以上ある。便利の上で普通預金の3倍以上リターンを産む口座であるから流行るのがごく自然の流れである。今からもし日本でも「余額宝」のような「銀行型決済口座」ができるならば必ず二つのことが起こる。一つは大量な預金がこの口座に流れる。これは中国でも起こった。第二に、決済に連動する金融サービスが大きな痛手を受ける。とり分け、クレジットカードの分割払いである。クレジットカードの分割払いの場合、利息は回数にもよるが、12%-15%の間である。https://www.smbc-card.com/mem/revo/bunkatsu.jsp(三井住友カード)中国の場合、当時クレジットカードがまだ普及しておらず、日本のように普及していれば今「余額宝」があるかどうか、考えるだけでぞっとする。

 イノベーションの最大の敵は規制である。もっとストレートに言うと既得権益者の邪魔である。日本人が現金大好きとか、中国では偽札が横行しているとか、といった言い訳は所詮言い訳しかすぎず、聞くたびに今回も遅れるだろうと感じる。銀行とクレジットカード会社が自分のドル箱を手放すことは到底期待できない。アメリカや西ヨーロッパ諸国がスマホ決済が主流になれなかった最大の理由はここにある。日本が普及できるか、全く期待してない。正直に言ってここまで中国のスマホ決済が普及できたのが幸運以外なにものではない。