中国ネット金融

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ジャック・マー講演 金融イノベーション VS 金融監督

2020-10-27 10:58:52 | 雑想

 週末には日本では全く報道されてなかったが、中国の金融界隈ではもちきりの話題があった。それはジャック・マーが第2回バンド金融サミットでの講演であった。民間の金融サミットとはいえ、副主席の王岐山を始め、前中央銀行総裁と現総裁が参加したもので、レベルが中国ではトップクラスである。そこでジャック・マーは一人の民間人として講演した。

 

Youtubeで講演の内容が見られる。ただし、日本語の吹き替えと字幕がない。

https://www.youtube.com/watch?v=6RLRcN2aJAo

 

 講演の主な内容を個人的にまとめると、下記の3つである。第一、改革開放後、中国金融は常に国際基準と規制に合わせようとした。しかし、これらの基準と規制は成熟した金融システムのもので、中国にとっては必ずしも適したとは言えない。第二、イノベーションは必ず犠牲が伴い、我々の世代はそれを覚悟しないといけない。第三、中国の銀行は質屋の段階にしかすぎず、信用による経営に改めないといけない。

 講演の内容を一言で言えば金融イノベーションを促進するために、規制をもっと緩めるべきだとマー氏が強調した。来月にも上海と香港の証券市場に同時上場するアント・グループの創業者がこのような発言することがある意味正論だろう。アリペイから始まったアント・グループの発展奇跡は規制と戦いながら成長したものと思われがちだが、実際のところ、アリババのイノベーションに肩入れとも言える政府の過保護だったというべきものである。

 マー氏の発言は多くの批判を招いたようだった。その最大の理由はP2Pネット金融という金融イノベーションが大きな期待を背負いながら結果が惨憺たる失敗だったからである。小生も市場経済の信奉者の一人であるが、P2Pネット金融に対する規制の遅れがなぜここまで遅れたか、未だに理解できないことがある。講演内容に対する評価はネット上にはたくさんあったので小生の私見はこれぐらいにしよう。

 気になったことが一つある。P2Pネット金融の失敗がまだ記憶が新しいうちに規制を緩和しろと言われたら顰蹙を買うのが目に見えている。顰蹙を買う前提にマー氏が敢えて言う理由がどこにあるかである。マー氏がすでにアリババグループをやめており、発言はあくまで一民間人のものであるが、指導部の意思が託されたものではないかと勘ぐってしまう。中国の金融システムを知っている人ならわかるが、規制緩和に一番の抵抗勢力が規制に雁字搦めに保護された銀行であって、指導部ではない。今までの金融構造改革は毎回のように骨抜きされてきた。五中会議の後に中国の金融イノベーションにどう管理監督するか、刮目して待つことにしよう。


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