中国ネット金融

中国のソーシャルレンディング(P2Pネット金融)、キャシューレス、金融イノベーションに関する情報を時々発信します。

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それでも中国人はトランプを好む

2020-10-30 12:32:17 | 雑想

 小生は普段政治と選挙には専門ではないので、発言を極力控えることにしている。今回の大統領選挙は中国への影響が相当大きい上、この2、3年の米中関係が政治の領域を遥かに超えて、経済、軍事、イデオロギーまで影響するようになった。日本のマスコミがそうした変化がほとんど報道しないか、報道してもステレオタイプ的に日本的な考えを押し付けるようなもので、両方観察しているものとして本当の中国人(大多数)の考え方を皆さんに紹介したい。なるべく個人的な考え方を排除するつもりであるが、すべて排除することが不可能であることを理解していただきたい。

 結論から言うと、中国人に投票してもらえれば、日本人には絶対理解できないと思うが、100%トランプが勝つ。支持率が80%ぐらいの圧勝で終わる可能性が高い。トランプが中国でのあだ名は「川建国」、かなり愛国的な名前である。米中貿易戦争、華為など中国ハイテク企業への制裁、コロナの中国への責任転嫁、台湾へ武器輸出などなど、トランプが中国に対して強烈な敵対心を剥き出してきた。キャラクタ的な部分もあれば選挙のための部分もあるが、ここまで敵対心を顕にするのが大国同士ではかなり珍しいと思う。

 このような「ルーカスの批判」的な結果になったことがトランプ本人もきっと理解不能だろう。中国人がトランプを好む理由は一言で言えば戦いやすい相手だった。最近ネットに流行った言葉がこの状況を表している:「即使你虐我千百遍,我依旧待你如初恋」(何千回裏切られたとしても、私は依然として貴方を初恋のように愛している)。

 トランプが大統領になるまで、中国人の中に親米派がかなりいった(日本と同じ)。政治を乗り越え、アメリカ的な民主主義、自由経済あるいは先進的な科学技術に憧れていた中国人がたくさんいて、もちろん彼らが中国の共産党一党独裁という制度に後ろめたさを覚えている。しかし、華為の創業者の娘である孟晩舟の逮捕を始め、半導体チップの輸出禁止、TikTokへの買収、トランプ政府のやり方には親米派の道徳のデットラインを超えてしまった。さらに、トランプのコロナにおける反科学的な言動によって世界の唯一の超大国が世界一の感染者数となり、それを見て多くの中国人は現政権の政治体制に対して一種の自信を持つようになった。選挙のために大多数の国民の生命を危険に晒すことは中国ではありえないことが人々は知っていた。

 半導体チップを例にすると、今まで中国企業の強みは最終製品とその組み立てで、サプライチェーンの川上の要素技術がかなり遅れていた。このような状況になった最大の理由は中国企業が後発企業で基礎技術が遅れていた上に、最終製品に注力したほうが商業的に儲かるからである。今回のアメリカの制裁で今まで躊躇した基礎技術への投資が一斉に突進するようになった。

 今回のアメリカの貿易戦争や制裁のおかげで中国経済の弱さを明らかにされ、基礎的な要素技術をきちんと自分で把握しないと、いざという時アメリカは絶対に首を締めに来るということにかつての親米派を含めて国民的な同意が得られた。トランプのおかげで中国人が一層団結し、共産党の統治に非常に役立つようになったと言わざるを得ない。

 もう一つ、トランプが次に何の対中政策を出してくるかを当てることができないが、4年間接した内に、必ずある範囲の中に収まるということも理解するようになった。オバマ政権の時、綺麗事を言いながらじわじわと攻めてくるよりも、トランプは政策こそ奇抜に見えるが、分かりやすく扱いやすい相手だった。

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ジャック・マー講演 金融イノベーション VS 金融監督

2020-10-27 10:58:52 | 雑想

 週末には日本では全く報道されてなかったが、中国の金融界隈ではもちきりの話題があった。それはジャック・マーが第2回バンド金融サミットでの講演であった。民間の金融サミットとはいえ、副主席の王岐山を始め、前中央銀行総裁と現総裁が参加したもので、レベルが中国ではトップクラスである。そこでジャック・マーは一人の民間人として講演した。

 

Youtubeで講演の内容が見られる。ただし、日本語の吹き替えと字幕がない。

https://www.youtube.com/watch?v=6RLRcN2aJAo

 

 講演の主な内容を個人的にまとめると、下記の3つである。第一、改革開放後、中国金融は常に国際基準と規制に合わせようとした。しかし、これらの基準と規制は成熟した金融システムのもので、中国にとっては必ずしも適したとは言えない。第二、イノベーションは必ず犠牲が伴い、我々の世代はそれを覚悟しないといけない。第三、中国の銀行は質屋の段階にしかすぎず、信用による経営に改めないといけない。

 講演の内容を一言で言えば金融イノベーションを促進するために、規制をもっと緩めるべきだとマー氏が強調した。来月にも上海と香港の証券市場に同時上場するアント・グループの創業者がこのような発言することがある意味正論だろう。アリペイから始まったアント・グループの発展奇跡は規制と戦いながら成長したものと思われがちだが、実際のところ、アリババのイノベーションに肩入れとも言える政府の過保護だったというべきものである。

 マー氏の発言は多くの批判を招いたようだった。その最大の理由はP2Pネット金融という金融イノベーションが大きな期待を背負いながら結果が惨憺たる失敗だったからである。小生も市場経済の信奉者の一人であるが、P2Pネット金融に対する規制の遅れがなぜここまで遅れたか、未だに理解できないことがある。講演内容に対する評価はネット上にはたくさんあったので小生の私見はこれぐらいにしよう。

 気になったことが一つある。P2Pネット金融の失敗がまだ記憶が新しいうちに規制を緩和しろと言われたら顰蹙を買うのが目に見えている。顰蹙を買う前提にマー氏が敢えて言う理由がどこにあるかである。マー氏がすでにアリババグループをやめており、発言はあくまで一民間人のものであるが、指導部の意思が託されたものではないかと勘ぐってしまう。中国の金融システムを知っている人ならわかるが、規制緩和に一番の抵抗勢力が規制に雁字搦めに保護された銀行であって、指導部ではない。今までの金融構造改革は毎回のように骨抜きされてきた。五中会議の後に中国の金融イノベーションにどう管理監督するか、刮目して待つことにしよう。

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デジタル人民元 VS. キャッシュレス

2020-10-23 15:49:19 | デジタル人民元

ご存知ように、デジタル人民元の本格的な試行運用が深セン市で実行されました。

「中国、深圳で過去最大規模の「デジタル人民元」実証実験 専門家は評価するも消費者は冷淡」

 

デジタル人民元のメリットとデメリットについて、あるいは今回の試行の詳細についてすでに多くの方々が評価しており、ここでは書かないことにします。

良くまとめられた記事:「デジタル人民元を発行する中国の本当の狙い」

 

私が関心をもっている新興決済機構(第三者決済機構、キャッシュレスの運営機構)に対する影響を考えてみたいと思っています。

 まず、確認したいことが一つあります。デジタル人民元はM0、つまり現金、キャッシュレスのほうがM1、つまり普通預金、金融政策上全く別のものです。この性質のことから分かるように、一般的に現金の決済(デジタル人民元)は基本的に無料、預金の振り込み(キャッシュレス)は有料です。今中国の新興決済機構の収益源の一つはキャッシュレス決済による手数料で、もし無料のデジタル人民元が普及すれば新興決済機構が必ず負けるだろうと蘇寧宁金融研究院の孫揚氏が主張していました。

数字人民币将如何改变金融生态?」(中国語)

 

彼がさらに一歩踏み込んで、人々が新興決済機構のキャッシュレスをやめてデジタル人民元を使うようになると、新興決済機構の競争力の根源である人々の取引データが得られなくなり、結果として歴史的な使命が終え、なくなるだろうと予測しました。

 私はこのような予測がかなり短絡的だと思っています。まず、利用者から見ればデジタル人民元でもキャッシュレスでも無料で、有料と無料の差が出てくるのが受ける側(例えばコンビニ)です。デジタル人民元かキャッシュレスかを選択するのがあくまで利用者で、受ける側が選ぶ権利はないです。キャッシュレスが一般的に使われたのは現金よりもキャッシュレスが選ばれた疑いもない左証で、現金がデジタル化されたからキャッシュレスをやめることは考えられないです。キャッシュレスに付随した様々便利な機能、例えば余額宝のような理財機能やアントクレジットの信用格付け機能はデジタル人民元ができないし、やろうとするインセンティブも存在しないでしょう。

 デジタル人民元は現金のデジタルバージョンなので、競争で負けることもないでしょうが、主流ではないがキャッシュレスと共存するではないかと思っています。

 もう一つ気になったことはもしデジタル人民元が主流になれば、発行と流通の主体である銀行が取引データを今の新興決済機構のように商業化することはないでしょう。中央銀行は金融政策と経済の安定成長が主要目的で、市中銀行は個人の信用格付けには使うが、信用サービスとして中小企業に販売するにはインセンティブがないし、そもそもできないかもしれません。一方、新興決済機構にとっては死活問題なので必死に抵抗するでしょう。これまで規制と戦いながらここまで成長してきたから、手を拱いてやられることがまずないでしょう。もしデジタル人民元が主流になれば、ネット金融におけるイノベーションが後退することを意味します。

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ライブコマスの凄まじいパワー

2020-10-22 12:10:09 | Eコマス

ブロブを放ったらかししてハヤ二年、恥ずかしい限りです。これからぼちぼち更新します。

もうすぐ「11.11」という「独身の日」(中国語では「光棍節」)、ネット界隈では一年一度世界的大イベントです。

毎年天文学的な売上という数字がまさに中国パワーの象徴そのものです。今年もきっととんでもない数字が約束されるでしょう。

21日北京時間午前0時に「独身の日」の前夜祭が行われました。ライブコマスではが信じがたい数字を叩き出しました。

トップ三人のインフルエンサーの観客数はそれぞれ1.62億人(李佳琪)、1.42億人(薇娅)と1億人(劉濤)でした。

合計すると約4億人、にわかに信じがたい数字です。それは中国人3人に1人がライブコマスを見ていたという計算で、

視聴率に計算するといくらになるでしょうね。売上もとんでもない数字でした。

トップの李佳琪氏チームは一晩の売上は34.3億元(約550億円)でした。

10%のリベートとすれば一晩50億円稼ぐ計算になります。一生どころか十生も稼げない数字で。

幸か不幸か、我が家は見た人はいません。翌日友達に聞いたらみんな見ていて祭り騒ぎしていたようです。

半ば自分が非国民的に扱われていた(苦笑)。

ライブコマースはEコマスの一つのトレンドになるのが疑う必要もない事実です。

例えば、ジェトロの記事:「中国のライブコマース、2021年に2兆元規模へ」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/a96bbe55659f00d6.html

 

しかし、ライブコマスの流行が中国だけのも面白い事実です。なぜこのようなことが起こりましたか?

長くネット金融を観察した者としてネットインフラ整備とかなり関係していたではないかと思っています。

キャッシュレスとTik tokが中国国内でいち早く流行し始めたのも同じ理由でしょう。

ネット通販の専門家ではないので、これ以上の見識はないが、趣味範囲で見守ります。

今年ももちろん「独身の日」のEコマスに参加する予定はないです。

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