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補助金申請と事業計画

2015年06月22日 | ベンチャー
これまでにいくつも各種申請やビジネスコンテスト出場などのために事業計画書を書いています。
今回採択して頂いたものづくり補助金の申請のためにも事業計画書を作成しました。

今回の申請書は、たくさんのメンターの方々に協力していただき、ご意見を伺いながら、自力で完成させました。
お手伝いしていただくお金がなかったから、と言ってしまえばそうかもしれませんが、事業計画書の作成、それ自体の価値を味わい尽くすため、というのが本心です。

募集要項を読むと、何を書かなければならないか、細かく指示されています。
そして、経済産業省では特定ものづくり基盤技術高度化指針というのを策定していて、それに従った申請書となることを求められています。
ここで、国の指針に沿っていては、自分のビジネスモデルが成り立たなくなると、一瞬チラッと思いました。

しかし、それはあたってはいませんでした。

ベンチャーにとっては資金獲得は最大の仕事ですから、申請書作成のための要項や指針を熟読しました。
プリントアウトした冊子が大げさでなく擦り切れました。
そして理解したのは、国は自分が参画しようとしている技術分野に何を求め、どういう将来像を求め、何をして欲しいと考えているか、その概型がしっかりと示されている、ということです。
概型に自分のビジネスモデルを重ね合わせれば、自分でも気がつかなかった可能性や諦めていた展開へのいと口が見えてきました。

そうやって作成した事業計画書には、自分のオリジナリティ、研究開発のベクトル、描く将来の世界観が理解されやすく書かれていたのではないでしょうか。
これが、厳しい条件下で生き残れた唯一の理由だと考えています。

考えても見てください。
基本的に、官僚は優秀です。
(採択してもらったからと言ってシッポを振っているわけじゃないですよ!)
学校に一人しかいないような超優秀な人の行き先です。
大抵の会社には同じレベルの人がいないくらいの人たちです。
その官僚が策定した指針です。
本筋には相応の価値があると考えられます。

世の中で、官僚は優秀!とか言うと、たいてい異論が出てきます。
それもよくわかります。
ハテナ、と思うことは山ほどありますから。
しかし、なぜハテナになるのか、もしかしたら我々が好き好んでハテナに当てはめているのではないでしょうか。
行政の指針にはしっかりとした核が必要です。
国民に対して最大公約数的な核。国民に広く行き渡る核ですね。
例えば、9氏と12君がいたとして、行政は最大公約数3を与えれば良いわけです。
後は個々の努力、そして個性の発揮です。
しかし、ポピュリズムでは。。。正確には大衆迎合主義では、最小公倍数(下手したら最小ですらない)を求められ、いつの間にか9氏と12君のために36の施策が行われています。
無駄だし、自分に必要のないものが見えるので不満は高まるし、それどころ13まで入っていて嫌悪感すら持たれます。
しかし、それを求めていたのは誰?
我々ではなかったのでしょうか。

話を戻します。
事業計画には、中心となるしっかりとした核があれば、そこに個性を重ねていけば可能性の高い計画が出来上がると思います。
自分のプランを研ぎ澄ませて、何を以て何を成し遂げたいのか、絞りきった核と向き合うことで、計画はブラッシュアップされるのではないでしょうか。
余計なことが入りすぎていた。 必要なことが抜けていた。
そんなことに気がつきました。
自分のやりたいことだけを分別なく言い張っていたら、それはただのワガママです。
わがままに補助金を出す政府はありませんし、ワガママにお金を出して買うお客もいません。
ジョブスだって、お客はこういうものを求めているという確信という核があったから、そこに強烈な個性を乗せたプロダクトで世界を席巻していった訳ですよね。

もちろん、省庁が策定した指針だけが核という訳ではありません。
ジョブスの核を米国政府が策定したとは到底思えませんし。
色々な核があるでしょう。
ビジネスという世界では、やはりその核は自分の外側にあるものと考えるべきでしょう。

「型があるから型破り、型が無ければそれは形無し」

座右の銘にさせてもらっています。
型を見直すのに、今回の事業計画書作成は非常に良い経験になりました。

事業計画書というのは、別に自分の身上書ではありません。
自分の個性に満ちた身上書は、自分の中にあればいいのです。
しっかしとした型に裏打ちされた事業計画に、自らの個性を存分に発揮した身上書を重ねていけば、きっとこれからも自分自身がワクワクするビジネスプランが湧いてくるのではないかと楽しみにしています。

さて、材料科学はものづくりの最も基本的な型です。
この型を再度見つめ直して、これからのものづくりをより輝かせt行こうというのが、AKT技術研究所の事業目的です。
こんな絵を書きました。
これは、計画書を書きながら出来上がっていったものです。



最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


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