単結晶からモノづくりを創造するAKTサイエンスブログ

単結晶 無機材料 結晶科学 モノ創り 最先端デバイス 機能性材料

AKT技術研究所

公式ホームページへ

間違えてはいけない特許の話

2016年08月25日 | ベンチャー
こんにちは、単結晶からものづくりを創造するAKTサイエンスブログを書いています 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所の阿久津です。

技術ベンチャーをやっていると、資金提供の対価と称して、「特許権の譲渡」を言ってくることがあるそうです。


特許権を譲渡というのは、特許を完全にあげちゃうか(パテントリストラ。ベンチャーというより、多くの特許を持っている大手がやることでしょう)分割譲渡して共同出願者にするか、ということです。



動画では共同研究といってますが、資金提供としての特許権を分割、共同出願者にしましょうと、甘く囁いてくるという話もあるそうなので、気を付けましょう。

もちろん、動画でも解説している通り、別段の定めを十分に行えばよいので、譲渡事態を否定しているわけではありません。

当社は特許戦略重視なので、必ず専門家に相談することにしています。

何事も勉強ですね。



単結晶製造装置 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所
〒187-0002 東京都小平市花小金井1-34-4
090-7826-9304

機械加工の技術を活かしてユーザーフレンドリーシステムの開発

2016年08月21日 | 結晶技術
こんにちは、単結晶からものづくりを創造するAKTサイエンスブログを書いています 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所の阿久津です。

昨日はユーザーフレンドリーなシステム開発のために、東京都昭島市の機械加工メーカー、「株式会社システムプラス」さんにお邪魔してきました。




先日公開した動画をご覧になった方々から、「軸がブレているのが気になるね」とのご指摘を多数いただきました。
実験段階ということもあり、あまり微調整をしなかったのですが、この軸の調整、実に厄介です。
研究用に小型の装置で小型の結晶をちょっと作ってみよう、と思ってFZ法の装置で実験をしようとしても、軸調整が極めて難しいなんていうこともあります。少しでもズレてしまえば、融液が垂れ落ちて結晶はできなくなりますから。

AKT-labのAP法の良いところの一つには、軸が多少ブレていてもキレイな単結晶ができるということもあります。
ご指摘を多数いただいた軸のブレがあっても、小さい単結晶はできました。
実験時間の都合やまだまだ開発段階ということもあるので、デバイスを多数製造できるような結晶の長さにまではできませんでしたが、いずれにしても多少の軸ブレは許容範囲内です。

とはいえ、その許容範囲の中に収めることも、やはりなかなか難しく時間のかかる作業です。
なれなければ1時間くらいかかってしまうかもしれません。

そこで、「軸出しといえば旋盤」と思い立ち、システムプラスさんに伺うことにしたのです。

原材料ホルダーは金属(ステンレス)ですが、原材料の融点は約2000℃ほど。ホルダーにい直接原材料を取り付ける訳にはいきません。そこでアルミナチューブを間に入れるのですが、これは焼結品なので、規格品を使っても機械加工品のような精度はでません。
有効部分のブレを許容範囲に収めつつ、ホルダーに取り付けるのに旋盤を使おうと思ったわけです。



せっかくの土曜日に社長の福井さんを引っ張り出して、二人でああでもないこうでもないと意見を出し合いながら取り付けに無事成功しました。



こんなこともやりながら、AKT-labは材料製造装置を造るだけでなく、材料を開発、製造するトータルシステムメーカーとして、そしてゆくゆくは材料開発、製造スキームのスタンダードとなるべく、日々成長を続けています。


単結晶製造装置 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所
〒187-0002 東京都小平市花小金井1-34-4
090-7826-9304

使い勝手の良い製品化

2016年08月18日 | AKT事業情報
こんにちは、単結晶からものづくりを創造するAKTサイエンスブログを書いています 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所の阿久津です。

株式会社化してから最初のブログです。
社名が長いので、今までのように「AKT」とか「AKT研究所」「AKT-lab」などと呼んでいただけると幸いです。

今日は、科学技術系商品として重要な、「使い勝手」の開発をしました。

理化学機器の中には、セッティングに神がかり的な技を必要とするものも少なくありません。
化学系の分析器などでは結構多いのではないでしょうか。

結晶製造装置も同様で、材料のセッティングはとにかく難しくて面倒で時間のかかる作業でした。
1ロット製造するためには、メンテナンスと称して炉内の入れ替え作業を行いますが、半日から1日はかかるものが殆どです。

そこで、『箱から取り出した原料をポンとセットするだけ』な結晶製造システムは、それだけでも十分に顧客価値が高いということになります。
そして、その「ポン」とセットできる状態の材料をパッケージングして販売すれば、いわゆる消耗品ビジネスというものになります。
もちろん当社はそれでボロ儲けなどは致しません(笑)
しかし、製造系のお客様はともかく、開発系のお客様は材料のパッケージングを外部に出すことをためらわれるかもしれません。

それならば、当社が指示させて頂く形状で研究者様に原料を調整していただき、それを装置にセットする治具を提供すれば良いのです。

改良の余地はまだありますが、なかなかのものができました。



結晶を作る工程だけが容易なのでは不十分です。ゼロからの取り扱いすべてにユーザーフエンドリーなのも、当社技術の特徴です。

今週は機械やさんにお邪魔して、このシステムのブラッシュアップを図ります。

さて、材料のセッティング関係の開発を進めたので、せっかくだからということで結晶も作っていますが、順調に成長しています。
「ついで」に初めて「片手間」でできる結晶製造装置など、世界中を探しても他にはありません。


単結晶製造装置 株式会社アドバンスト・キー・テクノロジー研究所
〒187-0002 東京都小平市花小金井1−34−4
090-7826-9304


トリリオン・センサー時代の材料開発と生産

2016年08月09日 | ものづくり
トリリオン・センサーという言葉をご存じでしょうか。




IoT(Internet of Things)という言葉は有名ですね。
あらゆるものをインターネットに接続するには、デバイスやセンサーが必要です。
このセンサーが、毎年1兆個のセンサーを活用してセンサーネットワークを張り巡らせるというのが、トリリオン・センサーという概念です。

このときのセンサーは、どのようなものが使われるのでしょう。
半導体、特にプロセッサの時を思い出してみてください。

プロセッサの巨人インテルと、最近の買収劇で話題になったARMの売上伸び率の比較をみて愕然とした 方もおおいでしょう。
インテルの飛躍は実は相当前に終わっていました。 今は、モバイル端末などへ個別設計されるARMのような技術が活用される時代なっていたのですね。

トリリオン・センサーの時代は、ますますそれに拍車がかかります。
時と場合、必要に応じたセンサーが、ものすごくたくさん必要とされる時代です。

様々なセンサーとその活用方法が提案されています。
しかし、そのセンサーが例えば今から10年後にまだ使われているでしょうか。
きっと、ものすごい開発競争が繰り広げられることと思います。

もちろん、センサー出荷の多くは大量生産品でしょう。
しかし、売り上げを伸ばし、利益を出し、世界にインパクトを与えるセンサーは、必ず少量多品種のなかから生まれます。

むしろ、超少量超多品種の開発、生産に拍車がかかる時代になるでしょう。

小品種大量生産のセンサー類は、薄利多売のビジネスの典型になるでしょう。

「結晶デバイスといえばまずは○インチから」というのは、まさに薄利多売の時代のビジネスの方向付けです。

少量多品種、いや、超少量超多品種生産という時代、それこそが、「トリリオン=兆」という単位が示す世界観です。

このときのセンサーデバイスの開発に貢献するのが、AKT-AP法をはじめとするAKTの技術です。

結晶の開発は、結晶デバイスの生産のためだけにおこなうわけではありません。

各種材料パラメータを明らかにし、最適条件の材料を見出すためには本来必要とされる工程です。

AKTの技術群は、時代を先取りした技術であるということには疑いの余地もありません。

AKT-AP法による結晶製造動画公開

2016年08月07日 | 結晶技術
こんにちは、単結晶からものづくりを創造するAKTサイエンスブログを書いています AKT技術研究所の阿久津です。

AKT-アドバンスト・ペデスタル(AP)法による結晶製造動画を触りだけ公開します。





種結晶や原料の回転がぶれてますね・・・。
いまひとつ詰めが甘いところですが、ベンチャーのサガとも言えるところです。
細かい部品や治具、セッテイング方法など、アイディアはあるのですが、開発が追いつきません。

実は光学的な不具合がまだちょっと残っていて、最適な結晶製造環境ではありません。これらも開発要素ですが、確実に進歩しています。

ところで、「製造している結晶が細すぎるのでは?」という質問をよく受けます。
AKTには大型の無坩堝結晶製造技術である「アドバンスド・プローティング・ゾーン(AFZ)法」もありますし、AP法で長い結晶を作るという選択肢もあります。

それはともかく、

逆に、太ければ良いのでしょうか?
一見、量産性が高いようには思えます。 しかし、これまでにこのブログで紹介してきた通り、従来の結晶製造方法では高品質の結晶を均質に作ることは不可能です。
それに、大量生産はすぐに価格競争に巻き込まれてしまいますね。
考え方をガラりと変えた方が良いのではないかと思われます。

トリリオンセンサーという言葉が最近囁かれています
我々の周りを1兆個のセンサーが取り囲むというのです。

この1兆個のセンサーの多くは、大量生産品でしょう。
しかし、センサーという、場所や環境と直結するデバイスは、必ず最適化されたものが望まれることになると確信しています
つまり、超少量超多品種センサー時代がやってくるというのが、トリリオンセンサー時代の本質と考えます。
半導体の世界では、最近、インテルARMの企業価値の伸び率の違いが話題になりましたね。
時代は確実に変化しています。

さて、このようなセンサーは、どうやって開発するのでしょう?
3Dプリンテクングなどの新技術の適用の可能性が示唆されていますが、そもそものセンサー材料の開発はどうするのでしょう。

高品質センサーは結晶材料が使われるでしょうし、新たなセンサー材料(結晶に限らず)を次々と開発することが要望されます。
この時に力を発揮するのが、AKT-AP法です。


セラミックス系のセンサー材料の基礎物性開発を行うのにも、結晶系のセンサー材料を少量多品種製造するのにも、適した技術です。

開発要素の多い技術ではありますが、確実に実用化への道を突き進んでいます。

本当に未来の世界を変えるのは材料から。

どうぞ、ご期待ください。




単結晶製造装置 機能性材料 AKT技術研究所
〒207-8515 · 東京都東大和市桜が丘2-137-5
 中小企業大学校東京校東大和寮3階BusiNest A537
090-7826-9304