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大善人へ身魂磨き

紫雲 5 如意宝珠と如意尼

如意宝珠は、名前のとおり、意のままの如くする、願いを叶える珠です。浦島太郎が龍宮(蓬莱島)から持ち帰ったとされる珠です。




如意宝珠と空海さんのご縁として思い付くのは、如意尼という御方です。


如意尼は空海さんより30歳以上若い女性です。2人は強い子弟関係で強く結ばれていました。子弟関係を超えた仲との話もありますが、事実はわかりません。


如意尼は不思議な「小箱」を持っており、この小箱は紫雲の小箱と呼ばれていました。それを尊敬する空海さんに預けました。


浦島子が龍宮(=蓬莱島)で見たのも紫雲の小箱であり、雨をもたらす龍神様を動かすようです。実際、小箱を預かった空海さんが旱魃の際に雨を祈ったときに雨を降らせたともいわれています。


あまりに不思議なので実話かなぁと最初は思いましたが、如意尼の経歴を調べると、この小箱については単なる脚色にも思えません。


如意尼という女性は剃髪前は眞名井御前と呼ばれており、幼少名は海部厳子様。そのお名前のとおり、眞名井神社を奥宮とする籠神社の宮司の家系の方です。


籠神社は浦嶋太郎伝説があり、実際に宝珠「潮満の玉」、つまり龍の珠玉が代々受け継がれていました。おそらく、この珠玉が紫雲の小箱に入っていたのだと思います。


また、籠神社の境内には、伊勢神宮のご正殿とここにしか無い五色の「座玉(すえだま)」があります。邪気を祓うとされる桃にそっくりな座玉ですが、この形はまさに如意宝珠なんです。




如意尼が開いた神呪寺は六甲山にありますが、この山は昔の如意摩尼山と呼ばれていたようです。空海さんのお堂が本堂の隣にあったり、空海さんが如意尼のために建立したとされる禁足の朱い「輪」橋もその先に祠もありました。




高野山を譲ってもらった丹生都比売様の鎮座する神社にも朱い輪橋があったことから、空海さんは如意尼に対してとても強い思いを持っていたとわかります。


如意尼は空海さんに、桜の霊木で自分の姿を写した如意輪観音の彫像を作って貰いました。空海さんは如意尼の魂が入った紫雲の小箱をこの観音像に収めたかもしれないと言われています。この如意輪観音を見たかったのですが、残念ながら見ることができなかったので、写真を買ってきました。


空海さんの建立した高野山金剛峯寺にある朱い伽藍と似た伽藍が神呪寺の裏にもありました。そこに至る参道には龍女を祀る祠もありました。




浦島伝説と繋がる如意宝珠、如意尼や空海さんの深い神縁、仏縁を感じます。如意尼は非常に興味深い御方です。また、明日続きを書こうと思います。


つづく


【画像は、籠神社画像検索より】

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