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大善人へ身魂磨き

茨木童子 ② 刀の話

昨日の続きです

鬼滅の刃で特別な刀鍛冶が鍛えた「日輪刀にちりんとう」が出てきます。


実際に、日本には、昔話に鬼退治がよくありますが、鬼を斬ったと伝わる刀は、数多く残されているようです。


渡辺綱が羅城門に住みついていた大江山の鬼の残党の右腕を切り落とす『 綱絵巻』が東京国立博物館蔵にはあり、刀も存在します。



この刀は渡辺綱の義叔父にあたる満仲が、筑前国から刀鍛冶を呼び寄せて作ったものです。


鍛冶はなかなか良い刀を作ることができず、「八幡宮」に祈願し、その日の夜、夢で八幡大菩薩から「60日間かけて鉄を鍛え、その鉄で2振の太刀を打ちなさい」とお告げを受けます。鍛冶はその通りにし、長さ2尺7寸(約80cm)となる2振の太刀を作り上げたといわれています。


1振目は、試し斬りで髭まで斬ったことから「髭切」と名付けられ、その後、渡辺綱の刀、鬼切安綱と名を変えます。


2振目も、同じく試し斬りで両膝を斬り落としたことから「膝丸」(ひざまる:別名[薄緑])と名付けられ、2振は、源満仲の子「源頼光」(みなもとのよりみつ/らいこう)に伝えられました。そのあとも勝利をもたらす宝刀として義経など、源氏に代々受け継がれたようです。


竪破山という霊山で、八幡太郎こと源義家が、太刀をえる霊夢をみて、その剣で岩を切ったという伝説があります。

源義家は、室町幕府をひらいた足利尊氏の祖であり、渡辺綱の主君である源頼光の甥の子にあたります。


いまは、この刀(鬼切安綱)は北野天満宮で静かに祀られているようです。


髭切、鬼切安綱、膝丸など、刀について色んな呼び名があります。「名前とは、呪となる」と陰陽師のマンガにありました。物も人も念を込め名付けると、霊力をもつ感じでしょうか。


千と千尋の神隠しで、黄泉の国のような世界で、本当の名前を奪われて変えられてしまう水の神、ハク。

ニギハヤミコハクヌシという白龍のご神名を忘れてしまうのも、名を奪う行為が、念力を削ぐ意味があるのかもしれません。

話を戻します。


名前を変えて時代を変えて鬼や逆賊を切った「刀」についての逸話は、一抹の虚しさがあります。

霊山の岩を、力づくではなく長年の鍛錬により、すぅっと鬼滅の炭治郎は斬りました。



近くの御岩山の霊山の頂上には、神器の剣ような石が御神体として山頂に突き刺さっていました。


時の正義のもと、戦いでは、よく切れる刀が必要で、それらが「家宝」として引き継がれ、さらには「神宝」として祀られて残っています。


そして、色んな奇異な伝説や、武勇伝がくっ付いて、勝者の伝説が語り継がれます。敗者の声はいつも消されて聞こえない。


茨城や茨木の地名はツチグモ退治にはかなり深く結びついているなぁとも感じました。

鬼退治の話やお伽話は、まつろわぬ何者か、抵抗勢力との戦いがあったことを想像させます。


また、琵琶湖から流れる川が「名前」を変える話を以前書きましたが、瀬田川、淀川、宇治川など名前を変える川にある橋姫伝説は、巫女と土蜘蛛の話がありました。

橋姫伝説は、平家物語では、渡辺綱と鬼女の戦いです。



橋姫


人が作った剣は、男女関係なく歴史の中で沢山の命を散らし怨念を残し、重い気をその地に落としたのかもしれませんね。


善悪なども、見る側の視点によりコロコロ変わるものかもしれません。


次は御岩神社参拝記です。


つづく


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