修験道の祖、役小角の本を読みました。饒速日命の神の復活を願い、神の国を立てると奮闘した役小角や彼を支えた弟子達、飛鳥時代の民の生活、宗教など、まるでその時代にタイムスリップした感覚になるように描く著者、黒須純一郎さんの調査力と文章力に感動しました。
大化の改新をした中大兄皇子や、母の斉明天皇の人物像はかなり強権的でした。権力が人をそうするのか?
役小角は、日本では飛鳥時代あたりの人物で、民に寄り添い悪政を憎んだのでした。
天下をわがものにしようとしない者が天下の支持を得ることが出来る
という言葉が出てきます。
大国唐が倭国への侵略を目論む話しが出てきます。当時、白村江の戦いで百済を支援した中大兄皇子は、敗戦します。
その後も、無謀な白村江の戦いで命を落とした民や家族に寄り添わず、民の意向を無視し、百済官僚を登用し傀儡政府のような政治を繰り広げる様が描かれます。
唐と新羅は手をくんで、白村江の戦いで百済、日本を破りますが、同盟国のようにみせて、唐は新羅をも侵略しようとします。さらには倭国への侵略も企んでいました。
じわじわと中大兄皇子の強権政治へ反発が強まり、国を危機に落としかねない権力者へ向かう姿が描かれます。
政治を牛耳り続けるものの中には、権力を暴走させるものが出てきてしまうのか。
今のロシアの動きも、今のこの時代、まったく国際法の正義とはずれた、独裁者の狂った正義で動いているように思えます。しかし、狂気の決断をした独裁者の手中に核のボタンもあるから恐ろしい。
天下をわがものにしようとしない者が天下の支持を得ることが出来る
天はプーチンには味方しない。
と思います。
しかし、天の運行には時間がかかり、待っている間に、何の罪のないウクライナの市民の死者、爆撃の被害、悲しみのニュースが入ってきます。
どうしたらいいものか。
こんな状況で国を離れないといけなくなった難民の支援は日本からでもできます。
祈りよとどけ。
天よ助けよ。
そう願うしかありませんね。