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大善人へ身魂磨き

美穂津姫と物部氏の繋がり

昨日の続きです。


ミホツヒメについては、もう一つ興味深い話があります。

奈良県磯城郡田原本町にあります市杵島姫神社(村屋坐弥冨都比売神社の境内社)の御祭神は、炊屋姫命、ウマシマジノ命、配祀、物部守谷連です。


村屋坐弥冨都比売神社には、三輪の神様の妃神であるので、大物主を合祀し三輪の別宮と称せられる。という記述があるようです。


ミホの姫様の別名は、弥冨都比売神ですから、大物主の奥様は、羽衣伝説の天女様ということになるのでしょうか。稲穂の神様のイメージがホームページのアニメからはありました。






稲作を伝えたということは、縄文末期から弥生時代あたりの渡来人の姫神様ということかとも思います。


ところで、何が興味深いかというと、この神社が物部守谷自体をお祀りしている点です。諏訪に旅行しようと決めたら、夫が戸矢学さんの諏訪に纏わる本を買ってきました。

非常に興味深い視点で物部守谷について考察していました。


物部神社は15社ありますが、その名前の神社さえ物部守谷を御祭神とはしていないようです。関連神社は沢山あるようですが、物部守谷自体が祀られている神社は、全国に9社だけしかないようです。3つが福島県、あとは山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良、愛媛のようです。


この中の奈良県の村屋坐弥冨都比売神社奈良県磯城郡田原本町)が、そのひとつです。



物部氏と蘇我氏の宗教対決は、蘇我氏が勝つことになります。戦いの凄まじさを物語るように、四天王寺は建てられますが、元にあった西側の鳥居は祟りを恐れてそのままにしたようです。


元あった信仰をかき消すために、同じ場所に征服した新しい信仰の建物を建てるケースは世界でもあります。


以前トルコを旅行した時に、キリスト教会がイスラム圏に変わったため、宗教壁画が塗りつぶされたり、イスラム寺院である塔が建てられた話がありました。


それに近い宗教対立が、かつて飛鳥、奈良時代にはあったのでしょう。


歴史から消された物部氏が朝廷のある畿内から遠くで祀られるのは、落ち延びた一族がひっそり祀った可能性がありえますが、朝廷の近くの奈良に一件物部守谷自体をお祀りする神社が残るのはなぜでしょうか。


そもそも、神社創建の理由には、大きく2つに分けられるようです。


一つが遺徳や神威を讃えるため


もう一つは怨霊の祟りを畏怖し鎮めるためです。


おそらく、後者の理由で祀られているのが物部守谷を御祭神とする神社ですね。


怨霊は何故うまれるか。それは、怨霊の生まれる原因をつくった存在がそれを恐れたため。


雷が落ちても、偶然ではなく罰だと思うのは、罰当たりなことをした存在がいたから。。だと思っています。


罪なき家族や一族の無残な死を悼み一族が神社を建立する場合ももちろんあるでしょう。


天女は羽衣伝説では白鳥と結びつけられますが、神話好きの方ならヤマトタケル命を思い出すと思います。なくなるとき白鳥に姿を変えて天に飛びたち、大鳥神社や白鳥神社の御祭神です。父親に愛されない悲しみがヤマトタケルにはつきまとう気がしています。



三輪の別宮と称せられ、さらに物部守谷を祀る奈良県の村屋坐弥冨都比売神社奈良県磯城郡田原本町)の村屋神には興味深い逸話がもう一つあります。


壬申の乱(大友皇子vs大海人皇子)のとき、村屋神が神官に神憑って、「今わが社の中の道から軍勢がくる。それで社の道を防げ」とアドバイスしたことから、戦況は大海人皇子が圧倒的に勝ちます。村屋神とは、ミホツヒメです。羽衣伝説の姫であり、大物主の妃です。


美穂津姫様と物部守谷は縁者であったのでしょう。天武天皇は助けられた恩義から、一旦歴史から消えた物部守谷をお祀りしようとしたのかもしれませんし、実際、奈良にある四天王の鳥居が残されたように、祟りを恐れて祀ったのかもしれませんし、真相は分かりません。


天皇には天皇霊が宿るようです。神々の世界から、この御方に天皇になって欲しいというのがありそうです。


壬申の乱は、皇位継承争いです。大友皇子は、天智天皇の息子にあたります。






修験道の祖、役小角は無謀な白村江の戦いで、多くの民を死に追いやった天智天皇の治世に反発し、大海人皇子(後の天武天皇)をずっと陰ながら支持していました。






役小角は、(大物主と深く関係があると推測される)饒速日命や素戔嗚尊を崇敬していました。


三輪山の大物主神の奥様、ミホツヒメ様も、御神霊になり、大海人皇子(のちの天武天皇)を応援します。


歴史や神話や神社や伝説が繋がり、消されたり名前を変えられた神々も、点と点を繋げると、姿があらわらて来るようにも思い、神話や昔話などが語り継がれるのはとても面白いなぁと思いました。



【画像は全ておかりしました】


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