神はそれでも意地悪に僕らの魂をいつかは取り上げるのだろう

クズと思われても仕方がない赤裸々な日記。

Is she an angel or an evil spirit

2013年04月30日 23時23分57秒 | 日記
板垣あずさが2年9ヶ月ぶりにAV業界にカムバックした。

これは大変なことになったんじゃねーか、と直ぐさま復帰第一作を観てみたのだけれど、思わずパソコンの前に膝から崩れ落ちそうになった。

彼女は、すっかり変わってしまっていた。

前半のインタビューでの喋り方。復帰後の初脱ぎ。絡み。全てが軽薄で、惰性で、茶番じみていた。

インタビューの中で、2年9ヶ月前にAVを引退した理由について、彼女は言った。「次の目標を見つけたかったから」と。
彼女は結局、何の目標も見つけられなかった、ということなのか。
引退の時、彼女は「まだ自分は子供だ」と言って涙を流していた。あの時の涙はとても澄んでいたし、本当に美しかった。

その彼女の面影を追うことはもう無意味なのだろうか。


いや、違う。

俺は首を横に降る。

まだ彼女の物語は続いているんだ。彼女は本当に目標を見つけることができなかったのか。彼女は変わってしまったのか。あるいは、これからまた変わろうとしているのか。
俺はそれを見届けなければならない。それが彼女をデビュー当時から観てきた俺にできる唯一のことなのだ。



俺は思い出す。
学生の頃、バイト先のAVショップで板垣あずさのデビュー作がリリースされた時、店長の指示を無視して彼女の作品を店の一番目立つ棚に平積みしたことを。サイン会にも行ったし、一緒に写真も撮った。
あの時の気持ちを忘れずに、復帰した彼女を応援するべきなのだ。



…とか言ってみたりしてね。

paint it white

2013年04月28日 20時22分02秒 | 日記
先日のこと。

最寄り駅で小、中学校の時にクラスメイトだった女の子と遭遇した。
髪の毛が長くなっていたので俺は全く気が付かなかったけれど、向こうが俺に気付いて話しかけてくれた。

彼女曰く、以前はE駅の洋服屋でバイトしていたのだけれど、今は正社員になってO駅の店に勤務している、とのこと。
彼女には何年か同棲している彼氏がいて、年齢的にもそろそろ結婚したいようだが、そのタイミングがよく分からなくて悩んでいる、らしい。
「ゴムに穴でも開けとこうかな」と笑う姿は、小学生の頃の彼女からは全く想像できなかった。

それにしても、小学生の頃なんて、よっぽどアナーキーな恋愛でもしない限りは、大抵の女の子が処女だと思うのだけれど、27、8歳になってみると、非処女を探す方が難しくなる。みんな野郎のポコチンを舐めたり吸ったりして大人になっているのだ。

小学生の頃、隣の席でこっそり机の下から手を繋いできた、あの女の子も、今ではきっと彼氏の逞しい腕の中で波打っているのだろう。

何か変な気分。



…なんて言ってね。

“UMEKAYO”

2013年04月27日 00時39分58秒 | 日記
先日、仕事の研修でH駅のOシティに行ってきたのだけれど、そこのアートギャラリーで梅佳代の写真展が開催されていた。

良い機会なので観てきた。

とても良かったけれど、少しだけ切ない気持ちになった。
写真の中の人物や風景は永遠に変わらない。実際の被写体が損なわれてしまったとしても。「失われたものは戻らないんだ」と真っ正面から言われているような気になった。

まぁ、だからこそ我々は今を大切に生きるべきなのだけれど。


何だか、また個展をやりたくなってしまった。すぐには難しくても、いつか、またやれたらいいなぁ。

I will exchange kiss rather than telling love.

2013年04月26日 20時22分25秒 | 日記

AV女優の沙藤ユリが好きだ。

潤んだ大きな黒目、笑った時の口もと、カイデーだけどちょっとだけ垂れ気味のパイオツ、「焼かないようにしてるんです」と言う白い肌、彼女を彩る全てが好きだ。

デビュー作を観た時、新人にありがちなベタな恥じらいが無く、照れ隠しに笑顔を見せる姿に胸を撃ち抜かれた。
初脱ぎで「恥ずかしい」とか「緊張します」とか言って泣くような女優ばかりの昨今、沙藤ユリの良い意味であっけらかんとした表情はとても好感が持てた。
俺はこの娘を応援しなければならない、と思った。それは宿命であり、抗い難い天命でもあるのだ。

独身だったら間違いなくブログや公式サイトをチェックしてサイン会や握手会に出掛けていただろうと思う。

妻に内緒で実際に行ってみようかな、と実は考えていたりする。



とにかく、俺はこれからも沙藤ユリを応援する。

…なんでプレステージの専属なんだろう、それが残念でならない。



ううむ。

It was transmitted and the fingertip was felt now

2013年04月25日 22時46分29秒 | 日記
「Inside in this world fulfilled by light」の後日談。



結局、三年前(だった…と思う、確か)に俺がバンドをクビになり(ニュアンスは難しいけれど、クビには違いない)、バンドはサポートメンバーらしき存在を入れて一度ライブをしたらしいけれど、俺はその辺のことはよく知らない。なるべくバンドのことは考えないようにしたし、極力、それにまつわる情報をシャットアウトしようと努めた。
そのライブの後、バンドはすぐに解散してしまったようだ。
メンバーはそれぞれの焦燥を抱えたままバラバラになった。
あんなに仲が良かったのに、D以外とは全く連絡をとっていない。

元々は、俺とDの二人で始めたことだった。
女の子にモテたい、という不純な理由で始めたバンドだったけれど、大切な存在だったし、もう単なる思い出になってしまったんだな、と思うと、ひどく虚しい気持ちになる。


今、俺はDと二人でまた音楽を作っている。マイペースに、二人だけで。
何故また音楽を作り始めたのか。それは分からない。あの頃の気持ちを取り戻したかったからかもしれないし、そうではないかもしれない。
バンド解散後の虚しさが消えるまで、あるいはそれが消えた後も、音楽を作り続けていければいいな、と思う。



ちなみに、初ライブの時の恋人とももちろん別れた。あの娘は元気にしているだろうか。まだ、あの部屋の赤いソファに座ってラーメンズのDVDを観ているかな?



…とか言ってみたりして。

Inside in this world fulfilled by light

2013年04月24日 23時12分32秒 | 日記
バンドで初めてライブをした時のことは、よく覚えている。

あれは2008年1月19日のことだ。

たくさんの友達と、当時付き合っていた恋人と、ゼミの教授が観に来てくれた。
本番前、友達は「しっかりやれよ」と励ましてくれて、ゼミの教授は花束をくれた。恋人は「頑張ってね」と笑った。

ステージに上がると、俺は頭の中が真っ白になり、照明に酔い、とてもヒドイ演奏をした。

ライブが終わると、ギターヴォーカルで親友のDは極度の緊張による腹痛を訴えてライブハウスを抜け出し、ギターとベースは客席に消え、俺は入口の横の階段に座り込んで呆けていた。掌には、当日のために何度も何度も練習した時に出来た豆が幾つもあって、鈍い痛みが残っていた。
しばらくしてDが戻って来て、俺の隣に座った。二人とも、何も喋らなかった。
Dの当時の恋人は落ち込む彼にそっと寄り添い、「ライブ良かったよ」と笑った。
「特に、最後の前の曲があたしは好きだなぁ」
それはライブに向けての練習中に完成した新曲で、メンバー全員が気に入っているものだった。Dは頷きながら、「ありがとう」と言った。
俺も恋人と話したかったけれど、あんな演奏の後にどんな顔をすればいいのか分からなかったし、「ヒドイ演奏だったね」と言われるのが怖くて、そこからずっと動けなかった。
俺は自分の不甲斐なさについて考え、メンバーの足を引っ張ってしまったことを後悔し、「俺は何のためにここにいるのかな」と自問していた。

やっと恋人と話せたのは帰り際のことで、彼女は「先に帰るね」と言い、俺は「うん」と俯いた。
すると彼女は「どうして元気無いの?」と笑った。俺は答えられなかった。

メンバーとのささやかな打ち上げを終えた後、最寄の駅に向かうと、帰ったはずの恋人が立っていた。
「仕方ないから今日はずっと一緒にいてあげる」と彼女は言った。


俺はM市のラブホテルで彼女とセックスしながら、「上等だよ」と思った。「これが人生かよ」と。
初ライブのために、俺は必死で練習した。肩が上がらなくなるまでドラムを叩き、掌を豆だらけにして、身体の痛みに耐えながら、メンバー四人でライブの成功を誓い合った。けれど、必ずしもそれが報われるとは限らない。実らない努力もある。或いは、努力が足りなかったのかもしれない。何にせよ、これから先の人生で、俺はそういうことに幾度となく、ぶつかっていくことになるのだろう。
俺は、そんな現実に向き合っていけるのか?

そういう疑問の答えを見つけるために、生きていくのかもしれないな、と思った。




…なんて言ってね。

The world is not enough/後日談

2013年04月23日 00時28分29秒 | 日記
あれから五年が経ったけれど、我々が乗り込んだテレクラRはまだ元気に営業している。
二度と行こうとは思わないけれど、あの時の冒険が恋しくなることは多々ある。

出会い喫茶の方は閉店し、今はピンサロになっている。俺がどっぷりハマることになる出会い喫茶はまた別の店。

M市に行くたびに、金を払って寝た彼女たちのことを思い出す。彼女たちは今どこで何をしているのだろうか。まだ僅かな金で身体を差し出しているのだろうか。

「君は時々、女を見下しているような時があるよね」と妻は俺に言う。女なんて金を出せば抱けるものだ、という意識が俺の中にあるのだろうか。分からない。
いずれにせよ、今では金を払って女を抱こうとは思わない。虚しくなるだけだし、そうすることによって失うものがあまりにも多過ぎる。



なんて言ってみたりしてね。

The world is not enough/其の七(最終章)

2013年04月22日 22時19分40秒 | 日記
俺とTは出会い喫茶を出てホテル街の近くのファミレスDに入り、「出会い喫茶も、やっぱり割り切りか…」と話した。
「俺、お前と一緒じゃなかったら、多分、割り切ってたよ…」とTが呟いた。
それは俺も同じだった。
もう今回の冒険をネタにするのは難しいだろうな、と思った。今でこそ笑い話になっているけれど、当時の我々は酷く消耗していたし、何かに対して失望していた。その失望の根底にあるものの正体に気が付くのはもう少し先の話だけれど、とにかく、我々は疲れていた。

このままではいけない。

この雰囲気を払拭するために、我々は音楽の力を借りることにした。
俺はドラムが叩けるし、Tはギターが弾ける。

我々は急遽、H駅のCスタジオを予約した。

スタジオに入ったのは午後九時半だった。ドラムスティックとギターとシールドはスタジオで借りた。
当時の俺は、当時活動していたバンドのメンバー以外の人間とスタジオに入るのは初めてで、緊張していた。けれど、いざセッションをしてみると、とても楽しかった。二人の呼吸が合うと、何とも言えない充実感に満たされた。その充実感をまた味わいたくて、我々は後に二人でユニットを組むことになるのだけれど、それはまた別の物語。

一時間半でスタジオを出ると、憔悴した気持ちはすっかり消えていた。

H駅の改札前で、我々は拳を重ねて別れた。

「また遊ぼうぜ」。



冒険を終えて、愛は金では買えないけれど、限りなく近い場所になら行けるということが分かった。
だからこそ、我々は愛を信じようとするのだろう。


なんてね。




…(終)

The world is not enough/其の六

2013年04月22日 15時21分16秒 | 日記
彼女は、正直に言うと、とても可愛かった。目がくりくりしていて、肌が白く、黒い髪の毛からは良い香りがした。

彼女は俺の顔をその大きな瞳でまじまじと見て、「ウォーリーに似てますね」と笑った。


意味が分からない。


俺「…そうですか?」
女「うん!よく言われるでしょ?」
俺「いえ、初めて言われました」
女「えー?おかしいなぁ」


おかしいのはお前の頭だ、と思ったけれど、もちろん口には出さなかった。
我々は取り留めもない会話をしばらく続けた。
ふいに、彼女が「今日は何しに来たの?」と尋ねた。
「あの…誰かとお茶でもしようかなって」と俺が言うと、彼女は眉間に小さな可愛い皺を寄せ、「お茶だけ?」と俺を見つめた。


俺「え?」
女「大人の付き合いは?」
俺「それって…」
女「割り切り」


出たー!!!


俺「お茶だけは駄目ですか?」
女「うーん、割り切りがいいかなぁ、あたしは」
俺「無粋なことを訊いてしまいますが…値段は幾らぐらいですか?」
女「うーん…人によるかなぁ」


俺は心の中で「アーメン」と唱えた。

神よ、わたしは、お金さえ払えばこんなに可愛い女の子とニャンニャン出来る世界に生きているのです。


次の瞬間、10分間のフリートーク終了を告げるアラームが鳴った。



…つづく

The world is not enough/其の五

2013年04月22日 15時00分19秒 | 日記
「出会い喫茶」とは、個室で待機している女の子を客が選んでトークし、口説いてカップルになる、というシステムの店で、当時の俺には全く縁の無い存在だった。
今でこそ様々なシステムが存在する出会い喫茶も、当時はシンプルなものが多く、その店も女の子のセレクトで1000円、10分間のフリートークで2000円、カップルが成立すれば5000円を店に支払う、という形だった。

我々が来店した時点で待機している女の子は二人だった。
俺もTもテンションが上がっていた。それと同時にテンパってもいたけれど、テレクラよりは面白そうだったし、何より、電話を待つという受け身の姿勢ではなく、こちらからアクションを起こせるというのが魅力だった。
もしもカップルが成立したら軽くお茶でもすればいいか、と相談し(今にして思えば本当に馬鹿だと思う)、我々は計3000円を払ってそれぞれの個室に入った。

個室は四畳も無いくらい狭く、テレビと座布団と小さなテーブルしか無かった。
女の子が「はじめまして」と言って笑った。
ミニのワンピースで体育座りをしているから今にも下着が見えそうだ。
俺は緊張のために喉の奥から込み上げてくる液体を飲み下しつつ、「はじめまして、こんにちは」と笑った。
「座って」と彼女が隣の座布団を指差した。
俺はジャックパーセルを脱いで座布団の上に正座した。



…つづく