明鏡   

鏡のごとく

「濁流の夜」

2018-07-06 23:23:04 | 詩小説
激しい雨の後。

濁流が夜を押し流していくように、ポアしたかった人たちがポアされたという。

より大きなものが、押し流していく。

濁流は、より大きなものに押し流されていく。

小さな政府を作り、小さな階級を作り、自分たちの敵を押し流すように亡き者にしようとしても、より大きな政府、より大きな階級を作り得た者に、敵とみなされた途端、亡き者にされていく。

生存と死の競争は、より大きなものが、小さな死を喰らいながら、大きくなりながら生き延びようとするものであるようで。

大きなものに押し流されるということは。

小さなものにとっては、その存在を押し流され、その小さな存在をなくした途端に、大きなものの中に組み込まれ、己の限界をなくしたということになるのかもしれない。

が、その行き着くところは、大きなものの支配下において、亡き者になるということでもあり、その存在を消されるということである。

彼らのしたがったことを、彼ら以外のものが彼らにした。ということでもあるようで。

反/体制のぶつかり合いの後の、反対性の消滅。

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