1)「政治と金」の問題
昨年、政権交代が起こった原因の一つに「政治と金」の問題に明け暮れてきた自民党政治に辟易した国民感情もあったと思う。しかし、現実に自民党政治が終わったというのに国民の目の前には、現職首相と最高権力者の金にまつわる疑惑がまた展開されている。「結局、民主党も自民党と何も変わらない」。そうした国民の声が聞こえ始めていることは非常に残念だ。
国会議員を含む新・旧の秘書3人が逮捕された小沢・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反容疑事件は、小沢氏本人が真実を国民の前で語るしか解決の道はない。
そもそも、政治家が何の為に後援会の経費で土地を購入しなければならないのか、その必要性が政治家の私にも理解できない。小沢氏は国民にまず土地購入の動機から説明しなければ国民の理解は絶対に得られないと思う。
2)政治資金収支報告書
私も一応、政治家の端くれである。毎年3月には政治資金規正法にのっとり「福田あきひこ後援会」の収支報告書を福岡県庁の選挙管理委員会に提出する。報告書には5万円以下の収支に関しての領収書を一切添付する必要は無い。例えば「政治活動費」という支出項目の総額が100万円であっても、その中の各支出が5万円以下であれば領収書は不要。つまり、全ての各支出は5万円以下ですと自己申告するだけで領収書無しで済んでしまう。 議員1年目に全ての領収書を報告書に添付して提出しようとしたら、見もせずに突き返された。 「これだからいつまで経っても『政治と金』の問題が無くならないんだ。全ての領収書を報告書に添付するように法律改正をしろと上に報告しておけ!」と選挙管理委員会に言った記憶がある。
3)どうなる国会運営
小沢氏が幹事長を辞めない理由は、権力の座を降りた場合、検察の力に対し無役の代議士では立ち向かえないため、小沢氏は権力にすがらざるを得ない。その小沢氏に鳩山首相が「どうぞ戦ってください」として、検察との全面戦争を支持しており、現政権が行政組織のひとつである検察と全面的に争う異例の事態となったことには違和感を禁じ得ない。 問題は、国会で国民生活に直結する大事な「予算」の審議が始まった。民主党が政権を取って初めての予算国会で民主党のマニフェストがどこまで実現できるのか、論戦を通じて民主党の描くビジョンを再確認する場にして欲しいと願う。
自民党も国会でしっかりと存在感を示し、日本にもついに2大政党時代が来たことを実感させてほしい。