G20が集まった「金融サミット」が閉幕しました。そこでは今回の金融危機を引き起こした問題についての対策の方針を打ち出しました。私もファイナンシャル。プランナーとしての仕事上、3点ほど問題を抱えていましたのでその成り行きを固唾を呑んで見守っていました。その3つの問題とは・・・
まず1点目は格付け会社の件です。金融機関とそれを格付する格付け会社は「共犯者」だったという事。金融機関がザブプライムローンを証券化し、他の商品と組み合わせて販売すると、本当は格付けは下がらなければならないはずですが、格付け会社は金融機関の依頼により収入を得ていますから、高く評価します。私はファイナンシャルプランナーとしてお客様に勿論、格付の高い金融会社を進めていますが、そうなるといったい何を信じたらいいのでしょうか。
次に2点目は金融商品CDSの怖さです。先日米国のAIGが破たんしそうになった時、米国政府は2兆円の公金を注入し、今も政府の管理下にあります。それほどAIGがもし破たんした場合の影響は相当大きいといえます。それは何故か。
このAIGはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というデリバティブの一種の商品を世界中で販売しています。AIGが保証料を受け取り、もし社債等が不履行になった場合の金融機関の損失を肩代わりする仕組みになっています。
もしAIGが破たんしたら、損失の補てんができなくなる金融機関は破綻する恐れが世界中で起こります。しかも、投資家同士が直接売買するCDSはその内容も不明確でその不安が広がっています。
私もAIG傘下の3つの保険会社を含む29社の保険代理店をやっておりますので、今回のAIGの危機は私のお客様にも大きな不安をもたらしています。
3つ目は金融機関の監督不十分ということです。米国の大手証券会社、リーマン・ブラザースの経営破たんは世界中の市場に大きな影響を与えました。各国の株価が急落し、世界恐慌以来の大パニックになりました。しかし、この過去最大の破たんの兆候は米国政府から破たん直前しか各国に伝えられませんでした。
このことは、今日の金融機関は自国の中だけではなく、世界中で繋がっているということを明らかにしました。ですからこれからはG20が一体となって国際金融の監督と規制の強化をして行かなければならない時代になったということでしょう。
しかし、このG20に出席したどこかの国の経済通の総理大臣。今朝のTV報道で知ったのですが、永田町の「KY」の新しいもうひとつの意味は「空気読めない」と「漢字読めない」だそうです。こうなってくるとG20の結果も含めてかなり寂しい思いを禁じ得ません。