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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

下咽頭梨状窩瘻(かいんとうりじょうかろう)その後~9時間の大手術

2014-10-30 03:25:16 | ■イクメン・男の子育て日記
いろいろ忙しく、更新が途絶えてましたが、とりあえず忘れないうちにメモしておきます。
(ほとんど箇条書き程度でまともな文章になってなくてすみません)


娘の病気が下咽頭梨状窩瘻(かいんとうりじょうかろう)と判明したのが8月ですが、それまで6月、7月と二度の入院をしていました。
はじめの入院は、喉に腫れが出来、検査をいろいろ行ったのですが病名を絞り込めないでいました。
喉の部分には抗生物質が届きにくいということで、点滴治療のため、原因を特定する為の入院という意味合いが強かったと思います。

約10日ほどで喉の腫れが小さくなり、発熱もおさまったので退院し、普通に保育園等に通いながら通院治療を続けていました。
喉の腫れはあるものの、普段の生活は全く問題なく過ごせていたので、子供の多くいる室内の遊び場(偶然にも始め悪くなった時にも前日に行っていた)に連れて行ったら、翌日再発してしまいまいました。

二度目の入院中さらに検査を続けいろいろな病気の可能性をつぶしていく中で浮かび上がったのが「下咽頭梨状窩瘻(かいんとうりじょうかろう)」。
始めは橋本病を疑ってたようですが、どうも娘の病気はコレらしいと。
しかし、決定的な証拠がつかめぬまま、炎症が治まりつつあったので2週間ほどで退院。

また、通院治療の生活が始まりました。
何度かのエコー検査の中で、本来あるはずのない空洞を発見。
それでようやく娘の病気が下咽頭梨状窩瘻だと判明したのです。
炎症を起こしているうちは、その空洞がエコーに映りづらいのと、下咽頭梨状窩瘻は喉の左にできることが多いのですが、娘のは右だったこと等が要因で、確定するまで時間が掛かりました。

もちろん、確定前からほぼ下咽頭梨状窩瘻だろうということで、手術の準備を進めていたのですが、なにせとても稀な病気のようで、執刀した事がある医師がほとんどいないこと。
このままこの病院で手術をさせて大丈夫か?など我々も調べたり、準備することがいろいろありました。

執刀予定の医師は1ヶ月先まで予定が埋まる人気医師?
コレまで数回この症状の手術をしたことがあるということだったのですが、その回数が多いのか少ないのか?
とても情報が少なく判断に迷いました。
しかし、その不安を取り除くように主治医(手術するのとは別の)が丁寧に症状等を説明してくれたこと。
麻酔科や外科、小児科など他の科をまたいで話し合いを設け、治療方針、スケジュールを作成していただいたので手術をお願いしました。

手術の予定も決まり、またそこに向け我々も準備していたのですが、娘の喉の炎症が収まらず、この状態で手術を行っても再発のリスクが高まるということで、一度延期になりました。
それまで、毎日抗生物質を投薬し、新たな菌の感染に気をつけて過ごしていたのですが、その手術延期の判断が親としては辛かったですね。
抗生物質をあとどれくらい続けて投薬しても問題ないか?その間新たな病気に感染するリスクとこのまま手術するリスク等を総合的に判断していただいたので文句があるわけではないのですが、はやく手術して元気にさせたい親のあせる気持ちがつぶされたことが少々ショックでした。

しかし、その判断は正解で、次の手術予定までには娘の喉の炎症はみるみるおさまり、膿も外に出て大分症状がよくなりました。
手術前の検査でも、「ほんと待った甲斐がありましたね~。これなら問題なく手術行えます」と太鼓判を押されホッとしました。

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手術は通院している病院とは別の本院で行う為、事前に入院のための検査を行い、入院できるかを確認。
前日から入院し、執刀医と始めての顔合わせ(嫁さんは検査の際に一度あっていた)をしました。
その際、手術の方針等を詳しく説明を受けました。

①瘻管の同定
コレが一番重要で、小児用ファイバー等で喉の側から空気や水を送りながら探り、ガイドワイヤー、バルーンカテーテル、チューブや色素等あらゆる手段で位置を探ります。
炎症があると見えなかったり、もろくなっていたり、出血しやすい為、手術を延期したとのことでした。
この作業に約1時間掛けるとのこと。



②梨状窩切開
梨瘻孔の確認
喉の炎症部分を開いて瘻管を取り除きます。
この際、ガイドワイヤーやレントゲン等を頼りに手術を行うようなのですが、場合によっては梨状窩の部分も開いて上からも手術行うかもとのこと。
患部を取り除いても梨状窩の底部の処置が重要なので、状況見て判断するとのこと。

③合併症・偶発症
神経や欠陥損傷を防ぐように最善を尽くす。
炎症が治まっているので、大分やりやすいが、それでも重要な血管が多く通っているところなので難しいとの話。
瘻管の位置にもよるが、甲状腺を右上部分とる必要があるかも。
その場合の危険性等を説明うける。

術後は手術過程、処置方法にもよるが4~5日食事不可。
抜糸までの間、管を通して不要なリンパ液などを排出。
漏れがない事などを確認する。

と、おおざっぱに上記のような内容を図に書いて説明していただけました。
(サイトの図は私が書き写し少し手を加えたもの)

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手術は朝の9時から。
昼過ぎに私も合流しましたが、なかなか連絡来ず。
16時ごろ?担当医より「瘻管が思ったよりもろく、うまく全て取り除くのは難しそう」
「ただし、出血等の問題なく、菌もほとんど残っていないと思われるので、梨状窩の底を塞ぐ作業を重点的に行う」という説明が有りました。
そして18時過ぎに無事手術が終わったとの報告がありました。
実に9時間です。
ほんとに長時間ご苦労様です。
そこから担当医から手術の結果の報告がありました。



まず、内視鏡で梨状窩を覗くとかなりはっきりと瘻管があるのが見えたとのこと。
写真を見せていただき、諸悪の根源を我々も確認。
この瘻管が思っていたより長く、深かったとのこと。
喉の患部を切開するとさらにその瘻管が気管の裏の方に回りこみ見えにくかったらしい。
そのため?甲状腺の血管を一部切除し手術を行いましたとの説明。
何度も炎症を起こしていたので、管がもろくなっており、綺麗に取り除く事は困難だった。
その状態などを説明を受けました。

上からはっきり底部が見えていたので、切開は1箇所で行えたとのこと。



患部は縫い目が目立たぬように内側に針を回して処置して下さったようです。
(今では当たり前なんですかね?)

説明後、半分麻酔の掛かった娘と対面。
手術後の患者はとても機嫌が悪くなると聞いていたので、
感動のご対面!というよりは眠そうに機嫌悪そうな娘の気分を損ねないように遠巻きに挨拶。
派手に喜べませんでした(笑)

病室に戻ってこれたのは19時半頃。
ほんと長い間頑張りました。
娘は長時間喉に管を入れられていたので、気持ち悪いみたいで何度か嘔吐してました。
小さい体で頑張ってます。

昨日は術後の不機嫌な顔しか見ることができず、手術が終わったことの安堵と、娘の心配で気が張っていたのか、感涙する事はなかったのですが、会って娘の笑顔を見たらきっと涙は堪えきれないかなと・・・
ほんと、無事に手術が終わってよかったです。

再発の可能性がないわけではないので、この手術で完全に区切りがついたわけではないのですが、親としてはほんと一安心。
つきっきりで看病している嫁さんにも感謝です。

さ~私は溜まった仕事を片付けないとです!


※医師の発言や上記の内容は私がそう受け止めた的な内容含んでいるので正確ではないです。
同じような症状で悩んでる方や、奇病?(珍しい病気)なので症例が少ないので似たような境遇の方、そういった方の不安が少しでも払拭できればと思い記述させていただいてます。
娘の症状や経過だと正しいことも、他の患者さんでは正しくないことも多々あると思うので、全てを鵜呑みにせず、担当の医師等に確認し判断していただけたらと思います。


後から聞いた話ですが、手術中は執刀医をはじめサポートの医師、麻酔担当の医師など立ち会っている方が皆、飲まず食わずで対応してくださっていたそうです。
集中しているとおトイレにも行きたくならないんだとか。
ほんと大変なお仕事ですね。
いくら感謝しても足りないですね。


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8 Comments

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Unknown (Unknown)
2014-10-30 22:47:41
以前、母息子でリジョウカロウを患ってコメントさせていただいた者です。ずっと気になっていました。手術お疲れさまでした。再発の心配はあるかと思いますが、一先ずおめでとうございます♪奥様、数日は隠れて食事ですね。私の知っている情報では、執刀医の数回の手術経験は多いと思います。大きい病院でも、扱ったことがないことがない病気ですから。炎症があるのに、早く手術~という病院が多く、結果、再発される方が多いようです。焦らず時期を待たれて、いい先生だと思いますよ。私も娘さんと同じで右ですU+203CU+FE0E甲状腺も部分切除しましたが、ホルモン等異常はなく、普通に生活しています。息子も先月1年検診を受け、術後良好です☆
私は術後は肩が凝りました。マッサージが無理なら、撫でてあげるだけでもずいぶんラクになりますよ。
お大事に。
Unknown (akatuki)
2014-11-11 17:27:14
>Unknown様

コメント遅れましてすみません。
娘は無事日曜日に退院する事ができ、保育園にも復帰しました。
食事等も普段どおりで、ようやく元の生活を取り戻せそうです。
Unknownさんも異常なくほんと良かったですね。
うちと違って親子二人だと、さらに大変だったかと思います。
ほんと、お医者さんには頭が上がりませんが、ずっと付き添っていた嫁さんにも感謝しなければですね。
娘の肩もみもそうですが、まずは嫁さんの疲れも取ってあげないとですね。

二重の苦労されたUnknownさんもほんとご苦労様でした。
手術 (りょおママ)
2018-05-09 14:13:46
梨状窩瘻なんて言葉、自分の子どもがなるまで全く知りませんでした…検索して情報が少しでもあってありがたかったです。
ただ今手術中で、4時間と聞いていたのに6時間経ってもまだ終わらず…でも9時間かかったと書いてあったので、一生懸命やってくださってるから信じて待つしかないと思いながら、焦る気持ちが抑えられずいます…手術を乗り越えてみえる皆さんのように、元気になることを願って待っています…
梨状窩瘻 (akatuki)
2018-05-10 17:02:33
>りょおママさん

無事手術終わりましたでしょうか?
手術とても心配ですよね。
梨状窩瘻という珍しい病気なだけに私もよくわからないところがありますが、私たちのエピソードが少しでも参考になれば幸いです。
Unknown (美穂)
2019-01-16 13:54:24
こんにちは。
私の4歳の娘が下咽頭梨状窩瘻孔で3月に手術予定です。
症例があまりないこと、手術も難しいとのことで不安になり調べているとたどり着きました。
子供さん9時間も手術かかったのですね。
本当に大変だったと思います。
とても心配ですがこのブログを見て詳しく知ることができました。
子供さん、手術から4年ほど経過してますが元気にしていますか?
また訪問させてくださいね☆
下咽頭梨状窩瘻孔 (akatuki)
2019-01-23 12:26:02
返信遅くなりましてすみません。
お陰様でとても元気にしております。

しばらくは傷口に紫外線防止のためのテープを貼っていましたが、今ではそのテープも外れ何事もなかったように生活しています。
傷口も少し筋のように残っていますが、首のしわになじむようにしてもらっているおかげかそこまで気になりません。

これから手術とのことでとても心配だと思いますが、お子様も術後はしばらく入院が続くと思うので、その際に寂しくないような環境づくりなど考えてあげてください。

手術がうまくいくことを一緒に応援させていただきます!
私も経験者です。 (yuyu)
2019-08-14 09:47:21
昔の記事にコメントしてすみません。
私も13歳のころ、左下咽頭梨状窩瘻になりました。
手術をして完治して、現在43歳です。その後特に不都合もなく、無事に大きくなりました。
私のころもかなり症例が少なく、経験のある先生に執刀してもらうため、国立病院に転院しましたよ。
今はこんなマイナーな病気でもネットでも情報が出ていて、すごいなーと思いました。
下咽頭梨状窩瘻孔 (akatuki)
2019-08-20 08:51:09
>yuyuさん

コメントありがとうございます
私の娘の時はなかなか体験談がなく不安でした。
こうやって経験者がコメントをしていただき、少しでも不安を取り除くことが出来ればうれしい限りです。
ありがとうございます。

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