
『北斎―富士を超えて―』 あべのハルカス美術館 ※11月19日(日)まで サイト
今日、10月22日は第48回衆議院議員総選挙の投開票日。
7時に投票所に行って、さっさと投票を済ませてきた。
外は土砂降り。超大型の台風が近づいている影響だ。
2週間前じゃなくてヨカッタ。数日前じゃなくてヨカッタと思いつつ、
あの展覧会に行ってから、もう2週間も経ってしまったのか!
と思ったり。
葛飾北斎の作品そのものはそこそこ目にする機会を得てきた。
しかし、今回は大英博物館との国際共同プロジェクト。
で、巡回はロンドンと大阪のみ~とくれば、やはりわざわざ大阪に行きたいと思った。
(で、秋の乗り放題パスを利用した次第)→こちら
北斎は90歳まで生きた。江戸時代ではかなりの長寿といえよう。
そして、今回はその晩年の30年間にスポットを当てて作品を紹介している。
入館して、すぐ目にするのは「あれ?」と思うタッチの絵。
版画ではなく肉筆画。日本画なのに、なにか洋画っぽい。
これは出島にいた外国人の依頼に応じ、洋画の技術で描かれた作品という。
クライアントの中にはシーボルトもいたとか。
以前、招待券で江戸東京博物館で開催された北斎展を訪れた時に見た。
北斎なのにイメージしていた作品と全然違う。なんで、洋画みたいな日本の風景の絵? これが北斎?
混乱しながら鑑賞したのち、チラシを読んだら「北斎の洋画風、肉筆画を集めた」展覧会だった~
という経験をしたことがあった。
その時のことを思い出しながら、勝手に西洋かぶれをしたのではなく、そういう依頼に応じてのことだったのねぇ。
とか、
この作品を描いていたのが還暦ごろだったのかぁ。還暦にして、新たな境地を開くって、すごいパワフルだな。
とか、昔の「?」な記憶がやっと解明できたことへの安堵と還暦がそう遠くなくなった自分に置き換えての感動で心は既にいっぱいいっぱい。
そして、富士と大波。
かの有名な富嶽三十六景から「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」。
どちらも国内の博物館や美術館で観たことはある。(版画だから複数存在するし)
しかし、今回は敢えて大英博物館所蔵のものがガラスの額縁に入れられての展示。
大英所蔵のものは絵の具の色彩が一番よいのだそうな。
確かに、青色が今まで見たものよりハッキリ鮮やかだし、赤色も濃いような。
会場の最後に見た解説映像によれば、神奈川沖浪裏のあのビッグウェーブは5000分の1の速さで撮影すると見えるという。
けっして、北斎の想像の世界じゃなくて、科学的にそういう瞬間があることにビックリ。
そして、肉眼でその一瞬をとられた北斎の眼って、、、、!!!!
驚異的というしか言葉が見つからない。
ということで、他にも富嶽三十六景作品は見たのだけど、あんまり記憶に残っていない。
クリアファイルを買ったし、来年のカレンダーも買ったので、それを眺めて思い返してる。
図録は敢えて買わなかった。
思ったより高くなかった。(2,500円)
だけど、かさばるし重いしで、旅の途中で買うのは、、、と思ったし、
買えば買ったで、図録の写真の方が本物を見た印象を消してしまうようで、それを避けたかった。
いいものは本物を見た記憶を遺しておきたいから。
北斎漫画はユーモラスだったし、百合や芥子といった植物、蛙や蝶などの小生物の描き方も面白い。
忠実であり、でもそこに独特のデフォルメもあり。
狩野派に始まり、一つの流派の枠に収まらずにあらゆる技術を合わせて独特の世界を切り開いた画風は
河鍋暁斎とも共通するものがあるなぁと思いながらも見た。
暁斎より、少し前の時代になるか。京都の若冲よりは後だよね。
これは以前から思っていたことだけど、浮世絵よりも絹本着色の方がよりインパクトがあるなぁ。
北斎といえば浮世絵、錦絵、版画~という先入観が強かったから。
今回は朱絵の具のみで描かれた鍾馗図(メトロポリタン美術館蔵)に感動。
カレンダーにその絵がなかったから、絵葉書を買った。
実にかっこいい鍾馗さん。
そして、展覧会は終盤に向かう。
テーマも「第6章 神の領域」だもんなぁ。
このあたりに来るを感嘆しかない。
小布施の山車の天井画は目がくらむよう。
出口の映像を見て、青と緑の絵の具を効果的に使って立体的に見えるように工夫していると知り、
戻って見直した。
あの時代に、80歳を過ぎて、なんでわかるのだろう。その探求心、凄すぎる。
アニメのようなド迫力の虎と龍の対決。
かと思えば、スキップするような虎の絵。
富士山の脇を天に昇っていく龍。
最晩年の作品は「この御仁、どんだけ描くのが好きなのよ!」というくらいに
描くのが楽しい、これが俺の人生だと言わんばかりの溢れる思いが伝わってくるものばかり。
あれから2週間経ってしまって、その間に楽しいこと、いやなこと、つらいこともあったけど
北斎展を見た記憶を一生懸命に思い起こしていたら、
絵の世界がふつふつ浮かんできて、同時に元気も出てきた。
人間、いくつになっても好きなことに思い切り打ちこんで楽しめる生活をしたいもんだね。
会場はとにかく大混雑しているけれど、特に還暦以上の方には絶対にお勧めしたい展覧会。
今日、10月22日は第48回衆議院議員総選挙の投開票日。
7時に投票所に行って、さっさと投票を済ませてきた。
外は土砂降り。超大型の台風が近づいている影響だ。
2週間前じゃなくてヨカッタ。数日前じゃなくてヨカッタと思いつつ、
あの展覧会に行ってから、もう2週間も経ってしまったのか!
と思ったり。
葛飾北斎の作品そのものはそこそこ目にする機会を得てきた。
しかし、今回は大英博物館との国際共同プロジェクト。
で、巡回はロンドンと大阪のみ~とくれば、やはりわざわざ大阪に行きたいと思った。
(で、秋の乗り放題パスを利用した次第)→こちら
北斎は90歳まで生きた。江戸時代ではかなりの長寿といえよう。
そして、今回はその晩年の30年間にスポットを当てて作品を紹介している。
入館して、すぐ目にするのは「あれ?」と思うタッチの絵。
版画ではなく肉筆画。日本画なのに、なにか洋画っぽい。
これは出島にいた外国人の依頼に応じ、洋画の技術で描かれた作品という。
クライアントの中にはシーボルトもいたとか。
以前、招待券で江戸東京博物館で開催された北斎展を訪れた時に見た。
北斎なのにイメージしていた作品と全然違う。なんで、洋画みたいな日本の風景の絵? これが北斎?
混乱しながら鑑賞したのち、チラシを読んだら「北斎の洋画風、肉筆画を集めた」展覧会だった~
という経験をしたことがあった。
その時のことを思い出しながら、勝手に西洋かぶれをしたのではなく、そういう依頼に応じてのことだったのねぇ。
とか、
この作品を描いていたのが還暦ごろだったのかぁ。還暦にして、新たな境地を開くって、すごいパワフルだな。
とか、昔の「?」な記憶がやっと解明できたことへの安堵と還暦がそう遠くなくなった自分に置き換えての感動で心は既にいっぱいいっぱい。
そして、富士と大波。
かの有名な富嶽三十六景から「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」。
どちらも国内の博物館や美術館で観たことはある。(版画だから複数存在するし)
しかし、今回は敢えて大英博物館所蔵のものがガラスの額縁に入れられての展示。
大英所蔵のものは絵の具の色彩が一番よいのだそうな。
確かに、青色が今まで見たものよりハッキリ鮮やかだし、赤色も濃いような。
会場の最後に見た解説映像によれば、神奈川沖浪裏のあのビッグウェーブは5000分の1の速さで撮影すると見えるという。
けっして、北斎の想像の世界じゃなくて、科学的にそういう瞬間があることにビックリ。
そして、肉眼でその一瞬をとられた北斎の眼って、、、、!!!!
驚異的というしか言葉が見つからない。
ということで、他にも富嶽三十六景作品は見たのだけど、あんまり記憶に残っていない。
クリアファイルを買ったし、来年のカレンダーも買ったので、それを眺めて思い返してる。
図録は敢えて買わなかった。
思ったより高くなかった。(2,500円)
だけど、かさばるし重いしで、旅の途中で買うのは、、、と思ったし、
買えば買ったで、図録の写真の方が本物を見た印象を消してしまうようで、それを避けたかった。
いいものは本物を見た記憶を遺しておきたいから。
北斎漫画はユーモラスだったし、百合や芥子といった植物、蛙や蝶などの小生物の描き方も面白い。
忠実であり、でもそこに独特のデフォルメもあり。
狩野派に始まり、一つの流派の枠に収まらずにあらゆる技術を合わせて独特の世界を切り開いた画風は
河鍋暁斎とも共通するものがあるなぁと思いながらも見た。
暁斎より、少し前の時代になるか。京都の若冲よりは後だよね。
これは以前から思っていたことだけど、浮世絵よりも絹本着色の方がよりインパクトがあるなぁ。
北斎といえば浮世絵、錦絵、版画~という先入観が強かったから。
今回は朱絵の具のみで描かれた鍾馗図(メトロポリタン美術館蔵)に感動。
カレンダーにその絵がなかったから、絵葉書を買った。
実にかっこいい鍾馗さん。
そして、展覧会は終盤に向かう。
テーマも「第6章 神の領域」だもんなぁ。
このあたりに来るを感嘆しかない。
小布施の山車の天井画は目がくらむよう。
出口の映像を見て、青と緑の絵の具を効果的に使って立体的に見えるように工夫していると知り、
戻って見直した。
あの時代に、80歳を過ぎて、なんでわかるのだろう。その探求心、凄すぎる。
アニメのようなド迫力の虎と龍の対決。
かと思えば、スキップするような虎の絵。
富士山の脇を天に昇っていく龍。
最晩年の作品は「この御仁、どんだけ描くのが好きなのよ!」というくらいに
描くのが楽しい、これが俺の人生だと言わんばかりの溢れる思いが伝わってくるものばかり。
あれから2週間経ってしまって、その間に楽しいこと、いやなこと、つらいこともあったけど
北斎展を見た記憶を一生懸命に思い起こしていたら、
絵の世界がふつふつ浮かんできて、同時に元気も出てきた。
人間、いくつになっても好きなことに思い切り打ちこんで楽しめる生活をしたいもんだね。
会場はとにかく大混雑しているけれど、特に還暦以上の方には絶対にお勧めしたい展覧会。