■児童虐待の時効見直し=性的被害対象、成人時まで停止―自民検討
(時事通信社 - 05月10日 15:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3409430
「いかなるものでも、自然という造物主の手から出るときは善である。人間の手に渡って悪となる。」(Jean-Jacques Rousseau, Émile, ou De l'éducation, dans lequel est inclus La profession de foi du vicaire savoyard au livre IV, c1762.)
私はこのニュースを見て、1989年のジョージ・フランクリン事件を思い出した。
ジュディス・L・ハーマンの『心的外傷と回復』という論文で、PTSDの主因が「抑圧された記憶」(その多くは幼児期の親による性的虐待)であるという理論を掲げて、1990年代に全世界で圧倒的な支持を受けたことがある(今では宇宙のエーテル空間程度の支持しかない)。その後1997年にはカウンセラーが催眠により性的虐待の記憶を呼び戻す治療法(すなわち、すべての記憶を取り戻さなくては健康は回復できないという考え)はアメリカ心理学会ではほとんど支持を失った。この後2000年ごろまでこの問題はくすぶり続けたが回復記憶セラピー(RMT=en:Recovered memory therapy)が非常にまれなものとなった事でこの論争は大体決着がついた。こうしたセラピーを通じて思い出したが後に性的虐待をされていなかったと認識した人は何百人にも上っていた。
1988年には、エレン・バスとローラ・デイビスの著書『The Courage to Heal』(邦題『生きる勇気と癒す力』)が出版される。この書物は虐待されたと感じているなら虐待されていると主張し、読み方によってはあらゆる「生きにくさ」は幼少期の性的虐待記憶にあるというように読めるものであった。このために、多くの人が思い出したがるようになった。
アメリカではカウンセリングを通じて、「抑圧されていた」幼児期の性的虐待の記憶がフラッシュバックして甦り、成人になった子どもが何十年も前の性的虐待について親を告訴するという事例が相次いで起こった。
代表例は、自分の父親が自分の友人をレイプして撲殺する現場に立ち会った記憶を抑圧していた女性が、二十年後に不意に記憶が甦り、その証言に基づいて、父親が殺人罪が逮捕告発された、ジョージ・フランクリン事件であった。
この審理に鑑定人として召喚された「偽造記憶」の専門家E・F・ロフタスは、原告女性が「思い出した」とされる内容がすべてメディアですでに報道されていた情報(誤報も含めて)から構成されていることを論拠として、彼女の言う「抑圧された記憶」なるものが、原告女性がカウンセラーの誘導によって創作した「物語」ではないのかと疑義を呈して、ハーマン理論を批判し、アメリカで一大論争を巻き起こした。
この論争はその後「わが子から偽りの告発を受けた」とする家族たちによる裁判闘争、さらにはいったん「抑圧された記憶が甦った」と証言した女性たちがセラピーを止めたあとに「偽造記憶を植え付けられた」として、今度はかつての担当医やカウンセラーを医療過誤で告訴していた。
とりあえず、児童虐待が形式的に言えば「親による子供の懲罰権の行使」であるとするなら、抑圧された記憶の回復によるPTSDの解消は「親からの懲罰権の奪還」であると言える。「記憶戦争」と呼ばれたこの論争の真の賭け金は「真実」の開示というよりはむしろ「懲罰権」の帰属だった。
・・・・・・・・・
今ではこの例があるから、まあそんなにヘマをこくことはないとは思うが、人間は同じことは何度だってやりますよ、オーストラリアの代理出産みたいにね。
http://diamond.jp/articles/-/56277?page=4
アメリカでは否定されている「トラウマ理論」
”わかりやすい説明”ほど危険なものはない
〔橘玲の世界投資見聞録〕(2014.07.16)
それは、『心的外傷と回復』を翻訳したのが精神医学会の大御所である中井久夫氏だということと無関係ではないだろう。
中井氏は統合失調症の治療と研究の権威として知られていたが、1995年の阪神・淡路大震災を機にPTSDの紹介を精力的に行ない、日本の精神医学や臨床心理学の現場に「心的外傷」という言葉を普及させた。その中井氏がお墨付きを与えたことで、アメリカでは“カルト”として葬り去られた学説が日本では“欧米の最新理論”としてありがたく押し頂かれることになった。
精神分析療法が普及しなかった日本では、幸いなことに、アメリカのような深刻な被害は起きてはいない。だが逆にそのことが“抑圧された記憶”というトンデモ科学を安易に受け入れ、テレビドラマやマンガ、ミステリーなどのエンタテインメントで多用することにつながったのではないだろうか。
「わかりやすい説明」ほど危険なものはない。とくにそれを権力闘争や金儲け、“正義の実現”に利用しようとするひとがでてくると、とてつもない社会的災害を引き起こすことになる。私たちはこのことに、常に自覚的でなければならない。
(続)ビジネス? http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1930446939&owner_id=40049699&full=1
代理出産でダウン症の赤ちゃん、依頼夫婦が引き取り拒否
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2995131
15年前以前から同じことが起こってて対策がなんらとられてこないのは、悪意があるとしか言いようがないですね。
99/05/06 第5回生殖補助医療技術に関する専門委員会議事録http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9905/txt/s0506-1_18.txt
第5回
厚生科学審議会先端医療技術評価部会
生殖補助医療技術に関する専門委員会
議事録
厚生省児童家庭局母子保健課
石井(美)委員「(前略) 子どもにとっては奪い合い、両者が望んでいる事件はまだ救いがあると思いますが、 一番悲劇的なのは引き取りを拒否した事件であります。具体的には障害児が生まれた場 合に、依頼者夫婦が引き取りを拒否した事件がございました。」
これはどう考えてもこの事件の再来だ。
(時事通信社 - 05月10日 15:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3409430
「いかなるものでも、自然という造物主の手から出るときは善である。人間の手に渡って悪となる。」(Jean-Jacques Rousseau, Émile, ou De l'éducation, dans lequel est inclus La profession de foi du vicaire savoyard au livre IV, c1762.)
私はこのニュースを見て、1989年のジョージ・フランクリン事件を思い出した。
ジュディス・L・ハーマンの『心的外傷と回復』という論文で、PTSDの主因が「抑圧された記憶」(その多くは幼児期の親による性的虐待)であるという理論を掲げて、1990年代に全世界で圧倒的な支持を受けたことがある(今では宇宙のエーテル空間程度の支持しかない)。その後1997年にはカウンセラーが催眠により性的虐待の記憶を呼び戻す治療法(すなわち、すべての記憶を取り戻さなくては健康は回復できないという考え)はアメリカ心理学会ではほとんど支持を失った。この後2000年ごろまでこの問題はくすぶり続けたが回復記憶セラピー(RMT=en:Recovered memory therapy)が非常にまれなものとなった事でこの論争は大体決着がついた。こうしたセラピーを通じて思い出したが後に性的虐待をされていなかったと認識した人は何百人にも上っていた。
1988年には、エレン・バスとローラ・デイビスの著書『The Courage to Heal』(邦題『生きる勇気と癒す力』)が出版される。この書物は虐待されたと感じているなら虐待されていると主張し、読み方によってはあらゆる「生きにくさ」は幼少期の性的虐待記憶にあるというように読めるものであった。このために、多くの人が思い出したがるようになった。
アメリカではカウンセリングを通じて、「抑圧されていた」幼児期の性的虐待の記憶がフラッシュバックして甦り、成人になった子どもが何十年も前の性的虐待について親を告訴するという事例が相次いで起こった。
代表例は、自分の父親が自分の友人をレイプして撲殺する現場に立ち会った記憶を抑圧していた女性が、二十年後に不意に記憶が甦り、その証言に基づいて、父親が殺人罪が逮捕告発された、ジョージ・フランクリン事件であった。
この審理に鑑定人として召喚された「偽造記憶」の専門家E・F・ロフタスは、原告女性が「思い出した」とされる内容がすべてメディアですでに報道されていた情報(誤報も含めて)から構成されていることを論拠として、彼女の言う「抑圧された記憶」なるものが、原告女性がカウンセラーの誘導によって創作した「物語」ではないのかと疑義を呈して、ハーマン理論を批判し、アメリカで一大論争を巻き起こした。
この論争はその後「わが子から偽りの告発を受けた」とする家族たちによる裁判闘争、さらにはいったん「抑圧された記憶が甦った」と証言した女性たちがセラピーを止めたあとに「偽造記憶を植え付けられた」として、今度はかつての担当医やカウンセラーを医療過誤で告訴していた。
とりあえず、児童虐待が形式的に言えば「親による子供の懲罰権の行使」であるとするなら、抑圧された記憶の回復によるPTSDの解消は「親からの懲罰権の奪還」であると言える。「記憶戦争」と呼ばれたこの論争の真の賭け金は「真実」の開示というよりはむしろ「懲罰権」の帰属だった。
・・・・・・・・・
今ではこの例があるから、まあそんなにヘマをこくことはないとは思うが、人間は同じことは何度だってやりますよ、オーストラリアの代理出産みたいにね。
http://diamond.jp/articles/-/56277?page=4
アメリカでは否定されている「トラウマ理論」
”わかりやすい説明”ほど危険なものはない
〔橘玲の世界投資見聞録〕(2014.07.16)
それは、『心的外傷と回復』を翻訳したのが精神医学会の大御所である中井久夫氏だということと無関係ではないだろう。
中井氏は統合失調症の治療と研究の権威として知られていたが、1995年の阪神・淡路大震災を機にPTSDの紹介を精力的に行ない、日本の精神医学や臨床心理学の現場に「心的外傷」という言葉を普及させた。その中井氏がお墨付きを与えたことで、アメリカでは“カルト”として葬り去られた学説が日本では“欧米の最新理論”としてありがたく押し頂かれることになった。
精神分析療法が普及しなかった日本では、幸いなことに、アメリカのような深刻な被害は起きてはいない。だが逆にそのことが“抑圧された記憶”というトンデモ科学を安易に受け入れ、テレビドラマやマンガ、ミステリーなどのエンタテインメントで多用することにつながったのではないだろうか。
「わかりやすい説明」ほど危険なものはない。とくにそれを権力闘争や金儲け、“正義の実現”に利用しようとするひとがでてくると、とてつもない社会的災害を引き起こすことになる。私たちはこのことに、常に自覚的でなければならない。
(続)ビジネス? http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1930446939&owner_id=40049699&full=1
代理出産でダウン症の赤ちゃん、依頼夫婦が引き取り拒否
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2995131
15年前以前から同じことが起こってて対策がなんらとられてこないのは、悪意があるとしか言いようがないですね。
99/05/06 第5回生殖補助医療技術に関する専門委員会議事録http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9905/txt/s0506-1_18.txt
第5回
厚生科学審議会先端医療技術評価部会
生殖補助医療技術に関する専門委員会
議事録
厚生省児童家庭局母子保健課
石井(美)委員「(前略) 子どもにとっては奪い合い、両者が望んでいる事件はまだ救いがあると思いますが、 一番悲劇的なのは引き取りを拒否した事件であります。具体的には障害児が生まれた場 合に、依頼者夫婦が引き取りを拒否した事件がございました。」
これはどう考えてもこの事件の再来だ。