『シラフェと学ぶラグランジュ未定乗数法その3 リカードの等価定理と対数微分』
メローネ:logなんざ・・・logなんざぁぁぁ!
シラフェ:は?いきなりなによ?
メローネ:そのいきなり突き放すスタンスもいい加減何とかならない?そう、logは嫌がらせとしか思えない訳よ。
シラフェ:そう?十分便利じゃない。
メローネ:その証拠は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シラフェ:さて、以前も使った式で比較していきましょうか。
(第1期/第2期)
所得:y/0
貯蓄:S(=y-C_1)/-
消費:C_1/C_2(貯蓄分で利子率rの利子が付く為、(1+r)Sが初期支出に充当)
max U=(C_1^0.6)(C_2^0.4)・・・01
s.t. C_2=(y-C_1)(1+r)・・・02
ラグランジュ式Lは?
メローネ:02式を変形して
(y-C_1)(1+r)-C_2=0・・・03
01、03式から、
L=(C_1^0.6)(C_2^0.4)+λ{(y-C_1)(1+r)-C_2}=0・・・04
シラフェ:そうね、偏微分して、
∂L/∂C_1=0・・・05
∂L/∂C_2=0・・・06
05式を変形
∂L/∂C_1=0.6(C_1^-0.4)(C_2^0.4)+λ(1+r)=0・・・07
06式を変形
∂L/∂C_2=0.4(C_1^0.6)(C_2^-0.6)+λ=0・・・08
08式を変形
0.4(C_1^0.6)(C_2^-0.6)=-λ・・・09
09式を変形
-λ(1+r)=0.6(C_1^-0.4)(C_0.4)・・・10
09式を10式に代入
0.6(C_1^-0.4)[C_2^{0.4-(-0.6)}]=(1+r)×2/3[C_1^{0.6-(-0.4)}](C_2^-0.4) ・・・11
11式を変形
C_2=(1+r)×(2/3)C_1・・・12
12式を変形
C_2=(1+r)(y-C_1)・・・13
13式を変形
(1+r)×(2/3)C_1=(1+r)(y-C_1)・・・14
14式を変形
(2/3)C_1=y-C_1・・・15
15式を変形
y=(5/3)C_1・・・16
16式を変形
C_1=(3/5)y・・・17
17式を13式に代入
C_2=(1+r)×2/3×(3/5)y・・・18
18式を変形
=(1+r)×(2/5)y・・・19(了)
メローネ:んで?logはいったいどこに出てくるのよ?
シラフェ:まあ、ちょっと待て。まずlogの微分のポイントを掴んでから。
(logx)’=1/x・・・20
f(y(x))’=f’(y)・g’(x)・・・21
メローネ:21式は積の公式じゃない。
シラフェ:そうだけど、まあ必要になるから紹介しただけよ・・・。さて、ラグランジュ式Lのlog版にいきますか。
効用関数Uを対数化して、
logU=log(C_1^0.6)(C_2^0.4)・・・22
22式を変形
=log(C_1^0.6)+log(C_2^0.4)・・・23
23式を変形
=0.6logC_1+0.4logC_2・・・24
24をラグランジュ式Lに代入して
L=0.6logC_1+0.4logC_2+λ{(1+r)(y-C_1)-C_2}=0・・・24
そんで、偏微分すると?
メローネ:そりゃ・・・
∂L/∂C_1=0.6/C_1+λ(1+r)=0・・・25
∂L/∂C_2=0.4/C_2+λ=0・・・26
あれ、なんか簡単じゃない?
シラフェ:だから言ってるんじゃん・・・あんた食わず嫌い王決定戦でいいとこ行くわよ。
メローネ:は?優勝とかじゃないんだ・・・。
シラフェ:26式を変形して、
0.4/C_2=-λ・・・27
25式を変形
0.6/C_1=-λ(1+r)・・・28
28式に27式を代入
0.6/C_1=0.4/C_2(1+r)・・・29
29式の両辺に(C_1)(C_2)を掛け、
0.6C_2=0.4(C_1)(1+r)・・・30
30式を変形
C_2=(1+r)(2/3)C_1・・・31
31式を変形
C_1=(C_2)/(1+r)×(3/2)・・・32(了)
メローネ:あっ、ほんとだ。logの方が簡単じゃん!
シラフェ:やれやれ、やっとわかったか・・・。
メローネ:そんでですね女将、まだやることが残っているんですけども。
シラフェ:一体何よ?
メローネ:リカードの・・・
シラフェ:リカードの等価定理?ははあ、はいはい・・・。
(第1期/第2期)
所得:y/0
政府支出:T/0
消費:C_1/C_2(貯蓄分で利子率rの利子が付く為、(1+r)を乗じたSが初期支出に充当)
シラフェ:さて、Tの財源を埋める為に、いくつかプランを考えましょうか。
プランその1:税金を取る
税金:T/0
貯蓄:y-C_1-T/0
この場合のC_2=(1+r)(y-C_1-T)・・・33
プランその2:国債発行
国債B=T
貯蓄:y-C_1-B/0
税金:0/(1+r)B
この場合のC_2=(1+r)T+(1+r)(y-C_1-T)-B(1+r)T・・・34
プラン3:税金を半分(T/2)、国債を半分(T/2)で賄う
貯蓄:y-C_1-T/2-T/2/0
税金:0/(1+r)T/2
この場合のC_2=T/2(1+r)+(1+r)(y-C_1-T/2-T/2)-(1+r)T/2・・・35
メローネ:あれ、33式も34式も35式も、中身は一緒じゃない。
シラフェ:そうだよ。今取ろうが将来取ろうが全く影響を及ぼさない、これがリカードの等価定理だから。
効用関数Uが
U=log(C_1^0.5)(C_2^0.5)・・・36
36式を変形
=0.5logC_1+0.5logC_2・・・37
37式と33式をラグランジュ式Lに代入して
L=0.5logC_1+0.5logC_2+λ{(1+r)(y-C_1)-C_2}=0・・・38
はい、偏微分して。
メローネ:はいはい・・・
∂L/∂C_1=0.5/C_1+λ(1+r)=0・・・38
∂L/∂C_2=0.5/C_2+λ=0・・・39
39式を変形
-λ=0.5/C_2・・・40
38式を変形
-λ(1+r)=0.5/C_1・・・41
40式を41式に代入
(0.5/C_2)(1+r)=0.5/C_1・・・42
42式の両辺に(C_1)(C_2)を掛け、
0.5C_1(1+r)=0.5C_2・・・43
43式を変形
C_1(1+r)=C_2・・・44
44式を変形
C_1=C_2/(1+r)・・・45
44式に33式を代入
C_1(1+r)=(1+r)(y-C_1-T)・・・46
46式を変形
C_1=y-C_1-T・・・47
47式を変形
2C_1=y-T・・・48
48式を変形
C_1=(y-T)/2・・・49
49式を45式に代入
(y-T)/2=C_2/(1+r)・・・50
(ちなみに)50式を変形すると
C_2=(1+r)(y-T)/2・・・51(了)
51式と33式の中身は同じなので、計算すると驚きの変形ができるね。
シラフェ:そうそう・・・って、他人のセリフまで奪っていくか、あんたは!
メローネ:logなんざ・・・logなんざぁぁぁ!
シラフェ:は?いきなりなによ?
メローネ:そのいきなり突き放すスタンスもいい加減何とかならない?そう、logは嫌がらせとしか思えない訳よ。
シラフェ:そう?十分便利じゃない。
メローネ:その証拠は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シラフェ:さて、以前も使った式で比較していきましょうか。
(第1期/第2期)
所得:y/0
貯蓄:S(=y-C_1)/-
消費:C_1/C_2(貯蓄分で利子率rの利子が付く為、(1+r)Sが初期支出に充当)
max U=(C_1^0.6)(C_2^0.4)・・・01
s.t. C_2=(y-C_1)(1+r)・・・02
ラグランジュ式Lは?
メローネ:02式を変形して
(y-C_1)(1+r)-C_2=0・・・03
01、03式から、
L=(C_1^0.6)(C_2^0.4)+λ{(y-C_1)(1+r)-C_2}=0・・・04
シラフェ:そうね、偏微分して、
∂L/∂C_1=0・・・05
∂L/∂C_2=0・・・06
05式を変形
∂L/∂C_1=0.6(C_1^-0.4)(C_2^0.4)+λ(1+r)=0・・・07
06式を変形
∂L/∂C_2=0.4(C_1^0.6)(C_2^-0.6)+λ=0・・・08
08式を変形
0.4(C_1^0.6)(C_2^-0.6)=-λ・・・09
09式を変形
-λ(1+r)=0.6(C_1^-0.4)(C_0.4)・・・10
09式を10式に代入
0.6(C_1^-0.4)[C_2^{0.4-(-0.6)}]=(1+r)×2/3[C_1^{0.6-(-0.4)}](C_2^-0.4) ・・・11
11式を変形
C_2=(1+r)×(2/3)C_1・・・12
12式を変形
C_2=(1+r)(y-C_1)・・・13
13式を変形
(1+r)×(2/3)C_1=(1+r)(y-C_1)・・・14
14式を変形
(2/3)C_1=y-C_1・・・15
15式を変形
y=(5/3)C_1・・・16
16式を変形
C_1=(3/5)y・・・17
17式を13式に代入
C_2=(1+r)×2/3×(3/5)y・・・18
18式を変形
=(1+r)×(2/5)y・・・19(了)
メローネ:んで?logはいったいどこに出てくるのよ?
シラフェ:まあ、ちょっと待て。まずlogの微分のポイントを掴んでから。
(logx)’=1/x・・・20
f(y(x))’=f’(y)・g’(x)・・・21
メローネ:21式は積の公式じゃない。
シラフェ:そうだけど、まあ必要になるから紹介しただけよ・・・。さて、ラグランジュ式Lのlog版にいきますか。
効用関数Uを対数化して、
logU=log(C_1^0.6)(C_2^0.4)・・・22
22式を変形
=log(C_1^0.6)+log(C_2^0.4)・・・23
23式を変形
=0.6logC_1+0.4logC_2・・・24
24をラグランジュ式Lに代入して
L=0.6logC_1+0.4logC_2+λ{(1+r)(y-C_1)-C_2}=0・・・24
そんで、偏微分すると?
メローネ:そりゃ・・・
∂L/∂C_1=0.6/C_1+λ(1+r)=0・・・25
∂L/∂C_2=0.4/C_2+λ=0・・・26
あれ、なんか簡単じゃない?
シラフェ:だから言ってるんじゃん・・・あんた食わず嫌い王決定戦でいいとこ行くわよ。
メローネ:は?優勝とかじゃないんだ・・・。
シラフェ:26式を変形して、
0.4/C_2=-λ・・・27
25式を変形
0.6/C_1=-λ(1+r)・・・28
28式に27式を代入
0.6/C_1=0.4/C_2(1+r)・・・29
29式の両辺に(C_1)(C_2)を掛け、
0.6C_2=0.4(C_1)(1+r)・・・30
30式を変形
C_2=(1+r)(2/3)C_1・・・31
31式を変形
C_1=(C_2)/(1+r)×(3/2)・・・32(了)
メローネ:あっ、ほんとだ。logの方が簡単じゃん!
シラフェ:やれやれ、やっとわかったか・・・。
メローネ:そんでですね女将、まだやることが残っているんですけども。
シラフェ:一体何よ?
メローネ:リカードの・・・
シラフェ:リカードの等価定理?ははあ、はいはい・・・。
(第1期/第2期)
所得:y/0
政府支出:T/0
消費:C_1/C_2(貯蓄分で利子率rの利子が付く為、(1+r)を乗じたSが初期支出に充当)
シラフェ:さて、Tの財源を埋める為に、いくつかプランを考えましょうか。
プランその1:税金を取る
税金:T/0
貯蓄:y-C_1-T/0
この場合のC_2=(1+r)(y-C_1-T)・・・33
プランその2:国債発行
国債B=T
貯蓄:y-C_1-B/0
税金:0/(1+r)B
この場合のC_2=(1+r)T+(1+r)(y-C_1-T)-B(1+r)T・・・34
プラン3:税金を半分(T/2)、国債を半分(T/2)で賄う
貯蓄:y-C_1-T/2-T/2/0
税金:0/(1+r)T/2
この場合のC_2=T/2(1+r)+(1+r)(y-C_1-T/2-T/2)-(1+r)T/2・・・35
メローネ:あれ、33式も34式も35式も、中身は一緒じゃない。
シラフェ:そうだよ。今取ろうが将来取ろうが全く影響を及ぼさない、これがリカードの等価定理だから。
効用関数Uが
U=log(C_1^0.5)(C_2^0.5)・・・36
36式を変形
=0.5logC_1+0.5logC_2・・・37
37式と33式をラグランジュ式Lに代入して
L=0.5logC_1+0.5logC_2+λ{(1+r)(y-C_1)-C_2}=0・・・38
はい、偏微分して。
メローネ:はいはい・・・
∂L/∂C_1=0.5/C_1+λ(1+r)=0・・・38
∂L/∂C_2=0.5/C_2+λ=0・・・39
39式を変形
-λ=0.5/C_2・・・40
38式を変形
-λ(1+r)=0.5/C_1・・・41
40式を41式に代入
(0.5/C_2)(1+r)=0.5/C_1・・・42
42式の両辺に(C_1)(C_2)を掛け、
0.5C_1(1+r)=0.5C_2・・・43
43式を変形
C_1(1+r)=C_2・・・44
44式を変形
C_1=C_2/(1+r)・・・45
44式に33式を代入
C_1(1+r)=(1+r)(y-C_1-T)・・・46
46式を変形
C_1=y-C_1-T・・・47
47式を変形
2C_1=y-T・・・48
48式を変形
C_1=(y-T)/2・・・49
49式を45式に代入
(y-T)/2=C_2/(1+r)・・・50
(ちなみに)50式を変形すると
C_2=(1+r)(y-T)/2・・・51(了)
51式と33式の中身は同じなので、計算すると驚きの変形ができるね。
シラフェ:そうそう・・・って、他人のセリフまで奪っていくか、あんたは!