花を描いたポストカード

ハガキにスケッチ、日常の出来事を書いています。

ホテルの窓から眺めたウシュアイア(イラスト ドウダンツツジ)

2007-05-14 | 花木

 

アルゼンチン ウシュアイアに滞在中の二週間、観光ではなく
突然の事で、通訳さん〈旅行社)もホテルを予約するのが大変の
様でした。どのホテルも予約済みで空いている部屋を探して
三回ホテルを移動。

海が見えるホテルの窓からは港が見え、南極に向う真っ白な
船が何時も停泊していて、その港から二日間かけて南極に到着
するのだと聞きました。
ウシュアイアは南極旅行がさかんになってから急速に
人口が増えていったとか、でも真夏にあたる、ほんの数ヶ月
(4ヶ月)だけのにぎわいで、あとはきびしい寒さの中での生活。

次のホテルの部屋は海沿いのメイン通りに面していて、
ペンキで黄色や明るい茶色、ピンク等、ほとんど木造二階建ての
お店が並んでいて、どこか異国情緒を感じる風景でした。

道路の両端に車が同じ方向を向いてズラリと駐車、
道路真ん中の車だけが、数珠つなぎのように一方方向に
ゆっくり動いていて、一番のメイン通りなのに一方通行でした。

午後三時になると、どのお店もいっせいにシャッターを下ろしたり、
入口に鍵をかけ店をしめてしまいます。
お昼休み(お昼ね?)とかで車も人影もパッタリ途絶えて
ゴーストタウンを連想・・・・・

突如まだ明るい夕方七時、今度は一斉に、どの店もオープン開始、
すると急に車や人々であふれかえり道路中心をゆっくり走る
車からは、若者達がお腹に響く様な音楽を大音響でならしながら
通り過ぎて行きます。
レストラン等はお肉、パスタ中心の料理でしたが、
どの店も満席でそれは賑やかでした。

ほんの数日ではありましたが、ホテルの二階の窓から眺めて
感じた日本と、ちょっと変わった文化のウシュアイアでした。

「千の風になって」いますか?歌詞の様に(イラスト イカリ草)

2007-05-09 | 山野草

貴方が旅立って、二ヶ月半、私はげっそり痩せこけて
鬱の入り口に片足を入れています。


貴方の部屋に残された小さな赤い手帳には、この十年間に
行った外国旅行先がぎっしり書き込まれてありました。
十六回、三十六ヶ国、
この度の南極旅行で海外は最後にするといって・・・・
次は国内旅行を楽しむつもりだったのでしょう?


とにかく事情がしりたくて通訳〈旅行社)の方と、
飛行時間二十四時間、アルゼンチン、ウシュアイア病院へ
治療のため眠らされている貴方に、毎日大声で
私が呼びかけていた声、聞こえていましたか?
亡くなる数時間前の貴方は医療器具を全部外され、ベッドを
少し起こした状態で目を閉じてはいましたが、それはそれは
楽しそうな、嬉しそうな表情で、はにかんでいる様でしたよ。
どんな夢をみていたのですか?

ホテルから病院通いの一週間、あとの一週間は手続きに
走り廻り、あれは私に外国を見せるためだったのですか?
たくさんのペンギン達と写った写真を残して
急に旅立ちをするなんて・・・・

どうしょうもない事、私だけではない事など等、
頭で解っていながら何故! しっかりせい!と自分にいってみる。
今はただ、妹達の、好意に支えられながら・・・・・


お父さん(夫)気ままな私を、本当にありがとうございました。
   お父さん、千の風になっていますか? 
                                       〈2007. 5. 9〉