その姿は頭には黄牛面を戴きするどい両角を有し、
夜叉のごとき醜い形相であった。
この天王が天帝の使者瑠璃鳥の告げを受け、
南海の娑竭羅龍竜宮に住む第三の女頗梨采女を
妃に迎えようと八万里の長い旅に登った。途中南天竺の
傍にある、夜叉国を通り、その大王子巨大王に宿を求めたが断られ、
大王のである一賤女の教えで、蘇民将来の許へゆき宿を乞うた。
老翁の将来は天王の懇望もだし難く、貧しいながらも接待に努めた。
一粒の米もないので、瓢の中に蓄えた僅かの粟を瓦釜で煮てナギの葉を盛り饗応した。
天王は生活貧窮でも心は貴徳の君にも勝るとよろこび、
さらに将来が提供したハヤタカと名づける宝船に乗り、
南海の竜宮城に到着し頗梨采女を得て八王子をもうけた。
やがて、天王は、后と八王子をつれて北天へ帰ることになったが、
途中宿を断った巨旦大王はじめ、配下の魑魅魍魎の立て籠る城を攻め亡ぼすため、八王子等に命じ進撃せしめた。
巨旦大王は自分の顔が阿羅監鬼の相に変ったのを知って悪い前兆と憂え、
博士に占わしめると、牛頭天王が攻めてくるという。
その対策を求めると博士が教えるには一千人の僧侶を供養し、大陀羅尼を唱し、
泰山府君の法を行なうのがよろしかろうと。
大王はそのとおりにしたのだが、
一人懈怠の比丘が眠って真言唱文が明確でなく、
これが隙となって大穴を生じた。
この大穴から天王の兵が乱入し、遂に巨旦大王を亡くした…
続きはまた今度。
でも面白いでしょ(´▽`*)アハハ
日本陰陽道史総説
村山修一著より抜粋させていただきました。
夜叉のごとき醜い形相であった。
この天王が天帝の使者瑠璃鳥の告げを受け、
南海の娑竭羅龍竜宮に住む第三の女頗梨采女を
妃に迎えようと八万里の長い旅に登った。途中南天竺の
傍にある、夜叉国を通り、その大王子巨大王に宿を求めたが断られ、
大王のである一賤女の教えで、蘇民将来の許へゆき宿を乞うた。
老翁の将来は天王の懇望もだし難く、貧しいながらも接待に努めた。
一粒の米もないので、瓢の中に蓄えた僅かの粟を瓦釜で煮てナギの葉を盛り饗応した。
天王は生活貧窮でも心は貴徳の君にも勝るとよろこび、
さらに将来が提供したハヤタカと名づける宝船に乗り、
南海の竜宮城に到着し頗梨采女を得て八王子をもうけた。
やがて、天王は、后と八王子をつれて北天へ帰ることになったが、
途中宿を断った巨旦大王はじめ、配下の魑魅魍魎の立て籠る城を攻め亡ぼすため、八王子等に命じ進撃せしめた。
巨旦大王は自分の顔が阿羅監鬼の相に変ったのを知って悪い前兆と憂え、
博士に占わしめると、牛頭天王が攻めてくるという。
その対策を求めると博士が教えるには一千人の僧侶を供養し、大陀羅尼を唱し、
泰山府君の法を行なうのがよろしかろうと。
大王はそのとおりにしたのだが、
一人懈怠の比丘が眠って真言唱文が明確でなく、
これが隙となって大穴を生じた。
この大穴から天王の兵が乱入し、遂に巨旦大王を亡くした…
続きはまた今度。
でも面白いでしょ(´▽`*)アハハ
日本陰陽道史総説
村山修一著より抜粋させていただきました。