土佐レッドアイ

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②ガーバーナイフの先祖

2018-07-17 16:55:00 | 狩猟とナイフ
  バートゥー ナイフ (F BARTEAUX) とガーバー

 ガーバー社の初期(1950年まで)のナイフのハンドルはマーフィー氏がデザインしたものを使っていました。すなわちハンドルの後部をスパッと切り取ったようなブラントエンドハンドル( blunt end handle)です。 ガーバー社は、マーフィーナイフに魅せられたジョセフ・ガーバー氏がそのセールスを引き受けて、 1939年にスタートしています。創立当時のガーバーのナイフは全てディビット・マーフィー氏の制作したナイフでした。その時期、ポートランドで造られていたBARTEAUX(バートゥー)というナイフメーカーのナイフもガーバーで販売されています。BARTEAUXはキッチンナイフもハン ティングナイフもつくっていますが、ハンティングナイフでは後のガーバー社製造のフレイヤー、ビッグハンターのようなデザインのナイフ、今回紹介するピキシーのようなナイフ、トラウト・アンド・バードの先祖といったナイフもあります。また、キッチンナイフのフレンチにそっくりなナイフやスニッカーズニーの先祖のようなナイフもあります。ガーバーのナイフデザインに大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。


バートゥーナイフの一部
 上は後のガーバーのキッチンナイフ:フレンチそっくり
 その下は同じく:スニッカーズニーそっくり
 一番下は同じく:リトルフィッシャーマン、ピキシーそっくり




 これまた、後のガーバーのトラウト&バードにそっくりです。

 マーフィー氏との蜜月時期も長くはなく数年後には仲違いをしてマーフィー氏はガーバー社を去ります。そしてナイフデザインの使用禁止を求めて訴訟をおこします。彼の主張が認められ1951年からは全てのガーバー製品でラウンドエンドハンドルデザインに変更されるのです。

 ガーバーは太平洋戦争中、ナイフビジネスを中断していました。戦後、再開しますが、以前の唯一のナイフ職人であったマーフィー氏はガーバーを去っていま したので、1945年の再開からは自前でナイフを作り始めました。そして軌道に乗るのが1947年で、この年に社名をGERBER HAND MADE BLADESから
GERBER LEGENDARY BLADESに変更します。
 ハンドルのデザインはマーフィー型と呼ばれるブラントエンドなのですが、1945年以降のナイフにはマーフィー氏は全く関わっていません。私個人の考えなのですが、ナイフのデザインではバートゥーナイフの方を強く意識したのではないかと思います。当時はマーフィー憎しの時ですから、以前、販売していたバートゥーナイフを参考にした事は間違いないと思われます。これから数年の努力で、マーフィーナイフ、バートゥー以来のネジ等全く使わないアルミ無垢のハンドルとハイスブレードという恐るべき切れ味と質実剛健、世界中にファ ンを持つ製品群を生み出していきます。





 ピキシーの先祖と考えられるバートゥーナイフ


 真ん中の画像がバートゥー 上と下はガーバーのリトルフィッシャーマン


 真ん中の画像がバートゥー 上と下はガーバーのリトルフィッシャーマン


 ハンドル下部に F BARTEAUX と打刻されています。