イノシシはミカンなど多くの農作物に被害を与えるだけではなく、たいへん美味しい肉の持ち主であるため狩猟の最高の対象とされます。犬に追われ鉄砲で狙われ、日夜ワナにおびえる生活をしています。
そうした厳しい一生をかいま見る傷を受けた痕跡を持つイノシシをよく見ます。
画像は56キロの♂です。以前突っ込みワナにかかったと思われる傷痕がありました。
捕まえたイノシシを毛抜き処理していて傷痕を見つけました。引き攣れた傷痕はワナのワイヤーの括り部分が体に食い込んでこうした傷が生じたものでしょう。画像では判りにくいですがぐるりとワイヤーの痕も残っていました。
突っ込みワナという仕掛けは、イノシシが良く通るケモノ道に判りにくいようにカモフラージュしたワイヤーのワッカを仕掛けておきイノシシがそこを通ると首から突っ込んで首や身体をくくってしまうというワナです。
このようにワナの傷痕は突っ込みワナだけではなく足括りワナでできた足首の傷痕、足骨の骨折痕、足首がちょん切れたもの、肘の上から切れたものなども見ます。また、弾丸でできたような痕跡、犬かあるいはイノシシどうしの闘争の傷痕かと思われるような痕跡などもみます。
なかなか厳しい一生をおくっています。