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*Sweet&Bitter ユーリvsアルバートルート 共通第1話*

2014-02-28 10:12:36 | イケメン王宮☆Sweet&Bitter
イケメン王宮のバレンタインイベント、「Sweet&Bitter」

続いては、ユーリvsアルバートルート 共通第一話です



以下ネタバレ




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穏やかな陽の光が、窓から差し込む朝…―。


(上手にできた)

早起きして作ったチョコレートクッキーをラッピングしていた私は、

仕上がりを眺めると、にっこりと微笑んだ。

(お世話になった方々にも渡したかったけど…)

バレンタインに際し、ジルから、本命の方にしか渡してはいけないと言われていた。

(喜んでくれるといいな)

「彼」の顔を思い浮かべると、私は微かに頬を染める。


???「カレン様、いる?執務室でジルが待ってるよ」

「ユーリ、ちょっと待って」

キッチンの入り口から聞こえるユーリの声に応えながら戸棚を開けると、

私はチョコレートクッキーをそっとしまう。

(後で、取りにこよう)

戸棚を閉めると、私は足早に執務室へと向かった。


キッチンに入ると、

ユーリは戸棚から包み紙がはみ出している事に気がつく。

ユーリ「これ…」

戸棚を開けると、そこには綺麗にラッピングされたチョコレートクッキーが入っている。

まだ少し暖かい包みを手にしたユーリは、少しの間考えを巡らせた。


アルバート「何をしている」

突然後ろから声を掛けられ、ユーリは驚いて肩を跳ねさせる。

ユーリ「なんだ、アルバートか…びっくりした」

振りむくと、ユーリは大きく息を吐いた。

ユーリ「どうしてここにいるんだよ」

アルバート「ゼノ様とプリンセスは城下を視察だ」

アルバート「二人で視察をするというから、俺は城を回らせてもらっていたのだが」

無表情にそう言うと、アルバートはユーリの手の上の包みをじっと見つめた。

ユーリ「これ?」

アルバートの視線に気づき、ユーリが包みを持ち上げる。

ユーリ「カレン様が隠してたみたいなんだけど、見つけちゃった」

ユーリの言葉に納得したように一人頷くと、アルバートは手を差し出した。

アルバート「どうせ、ゼノ様に渡すつもりだったのだろう。俺が受け取っておく。」

ユーリ「いや、そんな感じじゃなかったな。渡すんだったら、城下の視察に持って行くでしょ」

アルバート「どういう事だ」

ユーリ「ゼノ様以外の誰かに渡すんじゃないかな」

ユーリ「もしかしたら…俺かアルバートのどちらかだったりして」

そう言ってにっこりと笑ったユーリに、アルバートが眉を微かにひそめて見せた。



ゼノ様との城下視察から帰ると、突然に激しい雨が降り始めた。

(これじゃあ、シュタインに返るのは大変なんじゃないかな…)

そう考えた私は、ゼノ様を出迎えていたアルバートに声をかける。

「アルバート、あの…」

「泊まられてはいかがですか?」

アルバート「遠慮しておきます。迷惑になるでしょうから」

「いえ。そうして下さったら嬉しいです」

メガネに手をかけると、アルバートは突然私に背を向けた。

アルバート「…では、お言葉に甘えて」



嵐の音が鳴りやまないその夜…―。

私はゼノ様を早めの夕食にお招きしていた。

ゼノ「もう、そんな時期か」

「え…?」

ゼノ様の視線を辿ると、デザートにハートの形をしたチョコレートが運ばれてくる。

「バレンタインデーの事ですか?」

ゼノ「ああ」

すると…

ユーリ「大丈夫?お水飲んで」

後ろで控えていたアルバートが突然に咳きこんで、ユーリが水を差し出した。

「アルバート、大丈夫ですか?」

平静を装って声をかけながら、私は戸棚の中のチョコレートクッキーのことを思い出す。

(迷惑にならないといいんだけど…)

ゼノ「アルは、何か思うところがあるようだが」

ふっと微笑むと、ゼノ様はデザートのチョコレートをつまんだ。



夕食を終えた私は、キッチンに向かっていた。

(こっそりチョコレートクッキーを取りに行かなきゃ)

急いで歩いていると、

ユーリ「カレン様、待って」

後ろからユーリに呼び止められる。

ユーリ「はい、これ」

ユーリは、私が食堂に忘れてきてしまった指輪を手にしていた。

「あ…ありがとう」

私が手を差し出すと、ユーリが手のひらに指輪を乗せてくれる。

ユーリ「とっても可愛い指輪だね、自分で選んだの?」

「うん、城下に行った時に、一目ぼれしちゃって」

ユーリ「そうなんだ。この指輪を見つけた時のカレン様の笑顔が目に浮かぶよ」

そう言ってユーリは、優しく目を細めた。

(ユーリって、本当に無防備に笑うな…)

私は頬を少し染めると、話を逸らすように言葉を探した。

「えっと…」

「ユーリ、私行かなきゃ」

ユーリ「何か用事?手伝うよ」

「ううん、大丈夫。ありがとう」

私の言葉に、ユーリが少し首を傾げた。

「じゃあ、また明日」

ユーリの背中を見送ると、私はこっそりとキッチンへ向かった。



ユーリと別れてキッチンへ急いでいると、

アルバート「プリンセス」

私は、アルバートに声をかけられる。

「アルバート…こんなところでどうなさったのですか?」

アルバート「たまたま通りかかったので」

そっけなく答えると、アルバートは私の指輪に目を止める。

アルバート「先ほどは、していなかったと思いましたが」

「はい…食事の前に外していたのを忘れてしまって、ユーリが届けてくれたんです」

少し照れて答えると、アルバートは微かに眉をひそめた。

アルバート「プリンセスが忘れ物とは、呆れたものですね」

「…はい……」

困ったような顔をしていると、アルバートが細く息を吸う。

アルバート「その指輪」

アルバート「あなたらしい指輪ですね」

「え…」

突然の言葉に驚いてアルバートを見上げると、頬が微かに染まっていて、

私は驚いて瞳を瞬かせた。

(もしかして、褒めてくれているのかな…)

「…ありがとうございます」

お礼を言うとそれきり返事はなく、私は軽くアルバートにお辞儀をする。

「じゃあ…私、行きますね。おやすみなさい」

そうして、キッチンの方へと歩きだした。

(びっくりした…あんな風に言ってもらえるなんて)

指輪を見つめながら歩いていると、ユーリとアルバートの言葉を思い出す。

(褒めてもらえて、嬉しかった…)

目を瞑ると、私は“彼”の顔を思い浮かべた…―。



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ここで分岐

ユーリorアルバート


つづきます


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