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*Sweet&Bitter ユーリvsアルバートルート アルバート編第2話*

2014-03-01 12:28:51 | イケメン王宮☆Sweet&Bitter
イケメン王宮のバレンタインイベント、「Sweet&Bitter」

ユーリvsアルバートルート アルバート編の第2話です



以下ネタバレ




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(さっきは、驚いたな…)

チョコレートクッキーを取りにキッチンに戻ると、

私は指輪を褒めてくれたアルバートの事を想い、頬を染める。

(でも本当は、優しい人だって知ってた…)

そっと瞳を閉じると、私は先日シュタインにお邪魔した日の事を思い出した。



―(どうしよう、迷ってしまったみたい…)

お城の庭を散歩していた私は、いつの間にか深い森に迷い込んでしまっていた。

辺りを見回していると、不意にアルバートが姿を現す。

アルバート「…何をしているのですか」

(よかった…)

「あの、お城の庭を散策していたら、迷い込んでしまったみたいで…」

ほっとしてアルバートの方へ駆け寄ると、アルバートが微かに眉を潜める。

アルバート「こんな夜更けに一人で散歩とは…」

アルバート「ウィスタリアのプリンセスは、よほど危機感がないと見えますね」

(確かに…自覚だ足りなかったかもしれない)

アルバートの言葉に足を止めると、私はそっとまつげを伏せた。

アルバート「……」

アルバートは、そんな私にすっと手を差し出す。

「……?」

アルバート「何をしているのですか」

アルバート「夜通しそこにいたいのなら別ですが」

「あ、はい…」

戸惑いながらもついていくと、私はふとアルバートの足下に目をとめる。

(あれ…アルバートのズボン、ずいぶん泥がついてる…)

(もしかして、通りかかったんじゃなくて、探してくれたのかな…?)―



(あの日のお礼をしたいけれど…)

(ジルは、次期国王選出を意識してと言っていたし…)

チョコレートクッキーの包みを握りしめると、私はそっとため息をつく。

(…渡さない方がいいのかな)


(チョコのことは置いておいて、お礼はきちんと伝えよう)

部屋までの道を歩きながらそう思っていると、

(あれは…)

私は、庭に見覚えのある人影を見つけた。

「アルバート?」

庭に出て声をかけると、雨が上がりかけた空を見つけていたアルバートが振り返る。

アルバート「ああ、プリンセスですか」

「何をしていたのですか?」

アルバート「少し…考え事を」

静かに答えると、アルバートは私の手の中の包みに目を向ける。

アルバート「渡しそびれたのでしたら、頂きますよ」

「え…っ」

(チョコレートクッキー…アルバートに渡すって、どうして分かったんだろう)

返事に困り、微かに頬を染めていると、アルバートが静かに続ける。

アルバート「ゼノ様には、私からお渡ししておきましょう」


アルバート「どうしました?早くお渡しください」

首を傾げる私に、アルバートが言い募る。

(どこでそんな勘違いを…)

言葉を見失い、瞳を瞬かせていると、

アルバート「もしかして…ゼノ様の他に誰か心に決めた方がいらっしゃるとでも?」

アルバートは、なぜだか不快そうに眉をしかめた。

(この状況…一体どうしたら…)

思わず口を開いたまま言葉を探していると、

アルバートは私に尋ねるような視線を向ける。

(良くわからないけど…)

(ゼノ様以外の人にお渡しするのは、アルバートを不快にさせてしまう事なのかな?)

(それだったら…)

アルバートを見つめると、私は考えながら口を開いた。

「実は…」

「アルバートに試食をして頂こうと思って」

咄嗟に口をついて出た嘘に、私は思わずまつげを伏せる。

アルバート「試食…?」

「はい…ご迷惑でなければ、お願いできませんか?」

重ねて言うと、私はまつげを伏せたまま、チョコレートクッキーを差し出す。

アルバート「……」

素直にそれを受け取ると、アルバートは一つ取っておもむろにかじった。

アルバート「…悪くありませんね」



表情を変えずに言ったアルバートに、私はにっこりと笑顔を向ける。

「よかった…ありがとうございます」

お礼を言うと、アルバートは包みを私に返した。

アルバート「用が済んだのでしたら、俺はこれで失礼します」

そっけなくそう言って、アルバートは再び考えに耽りはじめる。

「え…」

(どうしよう…まだ、お礼も伝えられてないのに…)

困った私は、咄嗟の思いつきに声を上げた。

「あのっ」

アルバート「まだ何か?」

「えっと…もし考え事をするのでしたら、良い場所が…」



アルバートを書斎へと案内した私は、ほっと息をついた。

(良かった。気に入ってもらえたみたい)

興味深げに古書を手に取るアルバートを見て、私は読みかけの古書を手に取る。

(そういえば、考え事って何だろう…)

アルバート「さっきから、何を見ているのですか」

アルバートに言われ、私は慌てて視線を本に落とした。

「いえ…何を考えているのかと思って」

しどろもどろに言うと、アルバートは呆れたようにため息をついた。

アルバート「そんなの決まっているでしょう」

アルバート「ゼノ様をどうお守りするかとか、シュタインのこれからについてとか…」

(決まってるんだ…)

とうとうと語り始めたアルバートを、少し驚きの目で見つめていると、

アルバートは腕を組んで、私を見つめた。

アルバート「それで、あなたは一体何を考えているのですか?」

「え…?」

アルバート「試食をわざわざ作ったり、書斎へ案内したり…」

アルバート「仮にもプリンセスともあろう方が、そんな事に時間を割く理由が分からない」

言い終えると、アルバートは微かに首を傾げる。

(どうしよう…きちんと言わないと伝わらないよね…)

チョコレートクッキーの残りが入った包みを握ると、私は心を決めた。

「私は…」



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アルバートから告白→プレミアエンド

私から告白→スウィートエンド


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