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*おとぎの国のプリンセス アラン編*

2015-12-15 10:09:46 | イケメン王宮☆おとぎの国のプリンセス





おとぎの国のプリンセス アラン編


以下ネタバレ


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『12時の鐘が鳴ったら、魔法が解けてしまうから気を付けて』

その言葉を胸に、ガラスの靴を履いてお城へと向かった私は…

煌びやかな舞踏会で出会った王子様に、ダンスへ誘われて…―


私はアラン王子に合わせて、

ブルーのドレスを身にまとい、慣れないステップを踏む。

アラン「緊張しすぎ」

(そんなこと言われても…)

「こんなにたくさんの人の前で踊るなんて初めてで…」

見回すと、いつの間にか私たちを囲んで、大きな輪ができていた。

アラン王子は周りへちらりと視線を向けると、ふっと微笑む。

アラン「俺がちゃんとリードするから」

アラン「周りなんか気にしないで、楽しめよ」

そう言ったアラン王子に、ぐっと腰を引き寄せられ、

胸が甘いときめきに高鳴る。

(どうしてだろう…たった今、会ったばかりなのに…)

私は鳴り止まない鼓動を響かせていった…―


アラン王子に連れられ、私はパーティーをこっそり抜け出していた。

アラン王子の横顔を見上げると、また胸が大きく音を立てる。

(そういえば…)

「あの…どうして私をダンスの相手に…?」

舞踏会が始まったとき、高貴なご令嬢がたくさんいる中で、

アラン王子は真っすぐに私へ手を差し出してくれた。

アラン「…何でか分かんねーけど…」

言葉を切ったアラン王子は、わずかに顔を赤くしている。

アラン「…お前から目が離せなかった」

真っすぐな瞳でそう言われ、一気に頬に熱が灯った。

(会ったばかりなんて関係ない…)

(私はアラン王子が…)

恋心をはっきりと自覚して、胸の高鳴りが大きくなっていく。

アラン「お前の名前、教えて」

答えようとした、その時…―

(あっ…)

真夜中を告げる鐘が鳴り響いた。

(いけない…魔法が……)

「ごめんなさいっ…」

鳴り止む前にアラン王子から離れたくて、

バルコニーの出口へ駆け出そうとすると…

アラン「あ、おいっ…!」

腕を引かれてしまう。

アラン「行くなよ」

(でも…アラン王子には、元の姿を見られたくない…)

気まずくて視線を逸らすと、たくましい腕にぎゅっと抱きしめられた。

優しい温もりに、切なさが込み上げてくる。

その時、12時を告げる鐘が鳴り止み…

(うそ…どうして…)

私はブルーのドレスのまま、アラン王子の腕に抱かれていた。

アラン「俺は多分…ずっとお前を探していた」

そうして、そっと顔を上に向けられる。

アラン「もう一回聞く。名前は?」

「…カレンです」

アラン「もう離さないからな、カレン」

そう言って、アラン王子は優しく唇を重ねた。

私の胸には、泣きたくなるほどの嬉しさが広がっていく。

(魔法が解けなかったのは…)

(きっとアラン王子が、私の運命の人だから…)

私の足元では、ガラスの靴がキラキラと輝いていた…―

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おわり

シンデレラー

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