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*Sweet&Bitter ルイvsシドルート シド編第2話*

2014-02-25 11:08:56 | イケメン王宮☆Sweet&Bitter
イケメン王宮のバレンタインイベント、「Sweet&Bitter」

ルイvsシドルート シド編の第2話です



以下ネタバレ




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ユーリ「これ、カレン様のでしょ?」

ユーリの手には、私のブレスレットが握られていた。

「あ、そういえば…」

(昼間、ダンスのレッスンのときに外して、そのまま忘れてきちゃったんだ…)

「ありがとう、ユーリが見つけてくれたの?」

ユーリは首を横に振ると、困ったように眉根を寄せた。

ユーリ「ハワード卿とシドが、どっちが届けるか二人で喧嘩してて…」

ユーリ「収拾がつかないから、俺が預かってきたんだよね」

「ブレスレットで喧嘩?どうして?」

私がそう尋ねると、ユーリはため息をついて苦笑いした。

ユーリ「ほんと、カレン様ってある意味罪な人だよね…」

ぽつりとつぶやくユーリから、ブレスレットを受け取って、

私は部屋を後にしようとした。

ユーリ「あれ、カレン様。どこか行くの?」

「うん。明日不安だから、もうちょっと練習してこようと思って」

(明日の公務は、大公のお屋敷でパーティーなんだよね…)

私は一人、部屋へ急いだ…―。



(やっぱりこのステップが上手くできない…)

城中が寝静まった夜中、昼間のレッスンを思い出しながら、一人ステップを踏んでいると、

不意に、背後から聞き覚えのある声がした。

???「…おい」


シド「もっと下手くそかと思ったらまだ見れるじゃねえか」

「シド?」

ステップを止めて、私はシドの方へ向き直る。

(それって、褒めてるの…?)

シド「けどこんな夜中までやることか?」

「明日、大公のパーティーがあるから、練習してるの」

シド「へえ…」

大公、と聞いてシドは若干目を丸くした。

シド「そういや俺も呼ばれてたな」

「大公に?」

シド「大公は俺の顧客の一人だ」

「シドもパーティーに出るの?」

シド「さあな。気が向かなきゃ行かねえ」

「そっか…シドはそういうの興味なさそうだもんね」

(シドが正装してるところ、ちょっと想像がつかないから見てみたかったな…)

私が少し、残念な気持ちでいたら、シドはからかうように私の顔を覗き込んだ。

シド「なんだ」

シド「お前、俺に来てほしいのか?」

「そ、そんなこと…」

(なくもないけど…)

口ごもっていると、パーティーにはあの人も来る予定だったと、

私は不意に思いだした。

(そういえば…)

「そういえば、大公のパーティーに、ルイも来るって言ってた…」

ルイ、という名前を聞くと、シドは目を見開いて口角を上げてみせた。

シド「へえ、そいつは面白えな」

(もしかして……言わなきゃ良かったかな…?)

(ルイとシド、ほんと犬猿の中なんだよね…)

私が少し後悔していると、シドは面白そうにニヤリと笑った。

シド「ひとつ、良い情報教えてやる」

シド「最近、とある良家の子女がルイに迫ったらしいが」

シド「気になっている奴がいると、振られたんだと」

シド「美人で有名な令嬢なのに、もったいねえ」

どこが良い情報なのか、シドの意図がいまいち分からずに私は首を傾げた。

「それがどうしたの?」

シド「お前だろ」

シドは、馬鹿にしたように私のことを顎でしゃくってみせた。

シド「ルイの奴、お前のこと満更でもねえみたいだからな」

「…まさか」

思いもしなかったことを言われて、私が驚いているとシドは私に詰めよってきた。

シド「まあどう思うかは勝手だが…」

シド「情報をくれてやったんだから報酬をよこせ」

「ほ、報酬……?」

(頼んでもいないのに…!)

シド「俺は情報屋だからな。聞き逃げは許さねえ」

シドは更に顔を近づけて迫ってきた。

シド「今から付き合え」

「ええっ?」

私はシドに無理やり手首を掴まれて、

そのまま、引きずられるように外へと連れ出されてしまった。



シドに連れてこられたのは、町中にある小さな酒場だった。

「…もう、シドったら強引すぎるよ」

酒屋の席に無理やり押し込まれて、私が少しごねると、シドは私のショートブーツを指差して笑った。

シド「ハイヒールからそれに履き替えて、お前も結構乗り気じゃねえか」

「だってハイヒールじゃ石畳を歩けないから…」

シド「いつまでもふくれてんじゃねえよ、酒は楽しく飲むもんだろ」

そう言ってシドは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「ちょっと…シドっ」

シドの大きな手で触られて、思わず鼓動が速くなってしまう。

店主「仲がいいねえ」

そんな私たちの様子を見て、店主がにこやかに話しかけてきた。

どうやら、カップルと勘違いされてしまったらしい。

「ち、ちがいます」

私はムキになって否定したけれど、

シド「だろ?まあ、こいつが俺に惚れてんだけどな」

シドは面白がって、店主の話に乗っている。

「…シド!」

私がたしなめると、シドは悪戯っぽく笑って私の耳元に顔を寄せた。

シド「あんまり騒ぐと周囲にプリンセスだってバレるぞ」

(うっ…)

シド「店も薄暗えし普通にしとけばわかんねえんだから」

シド「大人しく、恋人らしくしとくんだな」


シドに言われて、恋人同士の振りをしている私に、

店主が微笑みながら、何か小さな包みを差し出してきた。

店主「サービスだよ、どうぞ」

「これは?」

店主「ボンボン。中にウィスキーが入ってるチョコレートだよ」

(でも、明日も公務だから…私は…)

私は、包みを受け取って、こっそり脇によけておいた。

店主「バレンタイン。お二人には、楽しみなイベントでしょう?」

店主はすっかり、私たちを恋人同士だと勘違いしているようだった。

(バレンタイン……)


―ジル「チョコレートを渡すのは、心を決めた方だけにしてください」


その時、ふとジルに言われた言葉が蘇った。

(私の本命って…)

無意識に、傍らで杯を呷っているシドを見る。

シド「なんだ」

私の視線に気づいたシドが、怪訝そうに顔を寄せてきた。

「シドは…好きな人とかっていないの?」

シド「あ?いきなり何言ってんだ」

「その…バレンタインにチョコレートをもらいたい相手とかいるのかなって…」

(どうしよう…話の流れで思い切って聞いてしまったけど…)

(そもそもシドが答えてくれるわけないよね)

シド「つまんねえこと聞いてんじゃねえ」

シドは脇においてあったボンボンを手にとって、包みを開けると、

私の口にずいっと突っ込んできた。

「ちょっと…!」

無理やりお酒を飲み込んでしまって、喉がかあっと熱くなる。

シドは慌てる私を見て、ただ笑うばかりだった。

(結局、教えてもらえなかった…)

私は熱くなっていく頬を水で冷やしながら、

しばらくシドの横顔を眺めていた…―。



大公パーティーの当日。


私は大公の屋敷のホールで

さまざまな貴族たちを相手に、ダンスを踊っていた。

(シド、いるかな…?)

さりげなくシドの姿を探してしまうが、見つからない。

(…気が向かないと行かないって言ってたし、やっぱり来てないのかも)

少し、椅子に座って休憩しようとしたところ…

???「カレン…?」

不意に背後から、誰かに声をかけられた…―。



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ここで分岐

シドから告白→プレミアエンド

私から告白→スウィートエンド です


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