イケメン王宮のバレンタインイベント、「Sweet&Bitter」
ユーリvsアルバートルート アルバート編のプレミアエンドです
以下ネタバレ
------------------------------
「私は…」
(もう、はっきりと言ってしまおう…)
心を決めると、私はアルバートの瞳を見つめる。
「アルバー…」
言いかけた時…
ユーリ「カレン様、こんな所にいたの」
息を切らしたユーリが、扉を開ける。
ユーリ「あ…お邪魔だった?」
二人の間に漂う雰囲気をかぎ取ると、ユーリは困ったように微笑んで見せた。
「ううん、大丈夫」
答えると、私はアルバートに言いかけた言葉を胸の奥にしまう。
ユーリ「ジル様が探していたよ」
「…分かった」
私はアルバートの瞳を覗き込むと、小さくお辞儀をしてその場を立ち去った。
カレンが立ち去った後…
ユーリ「だめだなー、アルバートは」
残されたアルバートを前に、ユーリがため息をついた。
アルバート「は?何の事だ」
不機嫌そうに眉を寄せると、アルバートは古書を棚に戻す。
ユーリ「アルバートって本当に鈍感だね」
アルバート「何を言っているのか分からない」
ユーリ「本当に分からないの?」
呆れた様子でため息をつくと、ユーリはアルバートの肩を掴んだ。
ユーリ「カレン様は、アルバートにチョコ渡したんだよ」
ユーリ「ゼノ様だの何だの言って…きっとすごく傷ついてると思うな」
アルバート「…!」
アルバートの肩から手を外すと、ユーリは足早に部屋を出て行く。
アルバート「…どうしろと言うのだ」
一人残されたアルバートは、呆然と佇んでいた…―。
ジル「このような時間に、どこに行っていたのですか」
執務室に戻ると、ジルが私を咎める。
「ごめんなさい…」
素直に謝ると、ジルは手にしていた書類の山を机において、心配そうに眉を寄せた。
ジル「今日はもうお休みください。明日は、いつもより早くお目覚め頂く事になりました」
ジル「この分だと嵐も去るでしょうし…ゼノ様は明日、お帰りになります」
ジル「お帰り前に、昨日嵐で中断した城下視察にご同行ください」
「はい…」
ジル「よろしくお願いします」
ジルがお辞儀をして去って行くと、私は胸をそっと押さえる。
(明日、アルバートも帰ってしまうんだ…)
ジルの言葉は、私の心を微かに揺らした。
美しく晴れた翌朝…-。
早朝から、私はゼノ様達を城下へと案内していた。
(渡せないとは思うけど…)
鞄の中にこっそりと入れてあるチョコの事を胸にしまい、
私はゼノ様に城下の様々な事を説明した。
「こちらの織物は、ネープルスに輸出している品です」
「発色がとても美しくて、スカーフなどにすると、とても綺麗なんですよ」
ゼノ「そうか」
興味深げに織物を手にするゼノ様を見ると、私はふとアルバートに視線を向ける。
アルバート「……」
(今…視線をそらされたような…)
(どうしたんだろう…)
私は、微かに首を傾げた。
「…どうかしましたか?」
不思議に思って尋ねると、
アルバート「いえ、何でも」
答えながらも、アルバートは私と視線を合わせようとしない。
ユーリ「ゼノ様…こちらの品も、遠い西国に輸出しているんですよ」
ゼノ様に説明をしながら、ユーリがアルバートに目配せをする。
そうしてゼノ様とユーリがその場を去ると、アルバートは小さく息を吐いた。
(私…何かしちゃったかな)
続く沈黙に、段々に不安な気持ちが大きくなっていく。
その気持ちが抑えられなくなったころ…
アルバート「その…申し訳なかったな」
アルバートが静かに口を開いた。
「え…?」
予想もしていなかった言葉に驚いた私の瞳を、アルバートがそっと見つめる。
アルバート「俺にチョコを渡そうとしてくれていたなど…気がつかなくて」
「……!」
(それで…様子がおかしかったんだ)
ほっと胸をなで下ろすと、私は心からの微笑みを浮かべる。
「いえ…これでやっと渡せるので、嬉しいです」
そう言うと、私は鞄からチョコレートクッキーの包みをとり出した。
「覚えていますか…?シュタインで、迷子になった私を森の奥まで迎えに来てくださった事」
「あの時はありがとうございました…」
「私はまだ次期国王候補を決めてはいません。ですが…」
「いつか、アルバートのように心優しい方を選びたいと思います」
言い終えると、私はチョコレートクッキーの包みをアルバートに差し出す。
アルバート「……」
しばらくの沈黙の後、アルバートは無表情に口を開いた。
アルバート「困ったものですね…優しくしただけでそこまで思われてしまうとは」
アルバート「大体あならは、プリンセスらしくないのです」
「え…っ?」
呟くように、アルバートが続ける。
アルバート「すぐに人に気を許して…人に気を遣ったり…言いたい事を言わなかったり…」
アルバート「…人の上に立つにしては、優しすぎる」
「……!」
アルバートの言葉に、私の頬が染まっていく。
アルバート「まったく…仕方のないプリンセスですね」
呆れたように、アルバートはため息をついた。
アルバート「ですが、このクッキーは美味しかったです」
アルバート「…また、ウィスタリアに来た際には、作ってくださいますか」
その言葉にアルバートの顔を見上げると、頬が微かに染まっている。
「はい…もちろんです」
にっこりと笑うと、私はクッキーをアルバートに手渡した。
少しだけ触れた手が、その部分だけ鼓動が生まれたように熱い。
アルバート「では」
去って行くアルバートの背中を見つめる私の鼓動は、いつもより早く波打っていた…―。
-------------------------
おわり
無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、誕生日の特別シナリオが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3
ユーリvsアルバートルート アルバート編のプレミアエンドです
以下ネタバレ
------------------------------
「私は…」
(もう、はっきりと言ってしまおう…)
心を決めると、私はアルバートの瞳を見つめる。
「アルバー…」
言いかけた時…
ユーリ「カレン様、こんな所にいたの」
息を切らしたユーリが、扉を開ける。
ユーリ「あ…お邪魔だった?」
二人の間に漂う雰囲気をかぎ取ると、ユーリは困ったように微笑んで見せた。
「ううん、大丈夫」
答えると、私はアルバートに言いかけた言葉を胸の奥にしまう。
ユーリ「ジル様が探していたよ」
「…分かった」
私はアルバートの瞳を覗き込むと、小さくお辞儀をしてその場を立ち去った。
カレンが立ち去った後…
ユーリ「だめだなー、アルバートは」
残されたアルバートを前に、ユーリがため息をついた。
アルバート「は?何の事だ」
不機嫌そうに眉を寄せると、アルバートは古書を棚に戻す。
ユーリ「アルバートって本当に鈍感だね」
アルバート「何を言っているのか分からない」
ユーリ「本当に分からないの?」
呆れた様子でため息をつくと、ユーリはアルバートの肩を掴んだ。
ユーリ「カレン様は、アルバートにチョコ渡したんだよ」
ユーリ「ゼノ様だの何だの言って…きっとすごく傷ついてると思うな」
アルバート「…!」
アルバートの肩から手を外すと、ユーリは足早に部屋を出て行く。
アルバート「…どうしろと言うのだ」
一人残されたアルバートは、呆然と佇んでいた…―。
ジル「このような時間に、どこに行っていたのですか」
執務室に戻ると、ジルが私を咎める。
「ごめんなさい…」
素直に謝ると、ジルは手にしていた書類の山を机において、心配そうに眉を寄せた。
ジル「今日はもうお休みください。明日は、いつもより早くお目覚め頂く事になりました」
ジル「この分だと嵐も去るでしょうし…ゼノ様は明日、お帰りになります」
ジル「お帰り前に、昨日嵐で中断した城下視察にご同行ください」
「はい…」
ジル「よろしくお願いします」
ジルがお辞儀をして去って行くと、私は胸をそっと押さえる。
(明日、アルバートも帰ってしまうんだ…)
ジルの言葉は、私の心を微かに揺らした。
美しく晴れた翌朝…-。
早朝から、私はゼノ様達を城下へと案内していた。
(渡せないとは思うけど…)
鞄の中にこっそりと入れてあるチョコの事を胸にしまい、
私はゼノ様に城下の様々な事を説明した。
「こちらの織物は、ネープルスに輸出している品です」
「発色がとても美しくて、スカーフなどにすると、とても綺麗なんですよ」
ゼノ「そうか」
興味深げに織物を手にするゼノ様を見ると、私はふとアルバートに視線を向ける。
アルバート「……」
(今…視線をそらされたような…)
(どうしたんだろう…)
私は、微かに首を傾げた。
「…どうかしましたか?」
不思議に思って尋ねると、
アルバート「いえ、何でも」
答えながらも、アルバートは私と視線を合わせようとしない。
ユーリ「ゼノ様…こちらの品も、遠い西国に輸出しているんですよ」
ゼノ様に説明をしながら、ユーリがアルバートに目配せをする。
そうしてゼノ様とユーリがその場を去ると、アルバートは小さく息を吐いた。
(私…何かしちゃったかな)
続く沈黙に、段々に不安な気持ちが大きくなっていく。
その気持ちが抑えられなくなったころ…
アルバート「その…申し訳なかったな」
アルバートが静かに口を開いた。
「え…?」
予想もしていなかった言葉に驚いた私の瞳を、アルバートがそっと見つめる。
アルバート「俺にチョコを渡そうとしてくれていたなど…気がつかなくて」
「……!」
(それで…様子がおかしかったんだ)
ほっと胸をなで下ろすと、私は心からの微笑みを浮かべる。
「いえ…これでやっと渡せるので、嬉しいです」
そう言うと、私は鞄からチョコレートクッキーの包みをとり出した。
「覚えていますか…?シュタインで、迷子になった私を森の奥まで迎えに来てくださった事」
「あの時はありがとうございました…」
「私はまだ次期国王候補を決めてはいません。ですが…」
「いつか、アルバートのように心優しい方を選びたいと思います」
言い終えると、私はチョコレートクッキーの包みをアルバートに差し出す。
アルバート「……」
しばらくの沈黙の後、アルバートは無表情に口を開いた。
アルバート「困ったものですね…優しくしただけでそこまで思われてしまうとは」
アルバート「大体あならは、プリンセスらしくないのです」
「え…っ?」
呟くように、アルバートが続ける。
アルバート「すぐに人に気を許して…人に気を遣ったり…言いたい事を言わなかったり…」
アルバート「…人の上に立つにしては、優しすぎる」
「……!」
アルバートの言葉に、私の頬が染まっていく。
アルバート「まったく…仕方のないプリンセスですね」
呆れたように、アルバートはため息をついた。
アルバート「ですが、このクッキーは美味しかったです」
アルバート「…また、ウィスタリアに来た際には、作ってくださいますか」
その言葉にアルバートの顔を見上げると、頬が微かに染まっている。
「はい…もちろんです」
にっこりと笑うと、私はクッキーをアルバートに手渡した。
少しだけ触れた手が、その部分だけ鼓動が生まれたように熱い。
アルバート「では」
去って行くアルバートの背中を見つめる私の鼓動は、いつもより早く波打っていた…―。
-------------------------
おわり
無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、誕生日の特別シナリオが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3