MIDNIGHT TALKING MAN

新米社長の涙と笑いのドタバタ奮闘日記

超プロ

2008年10月30日 | Weblog
スタッフの育成をしている中で、
最近、ずっと話すことのひとつが、

「プロ」と「超のつくプロ」の差です。

言葉だけで探っていくと、
プロ=プロフェッショナルとは、
プロフェッショナル (en:professional)

・ある分野について、専門的知識・技術を有していること、
 あるいは専門家のこと。
・プロフェッショナルスポーツなど何かの専門分野か、
 広範囲の人々によって行われる分野において、
 それを職業としている人。
 趣味としている人であるアマチュアに対する語。
・そのことに対して厳しい姿勢で臨み、
 かつ、第3者がそれを認める行為を実行している人。

などが上がってきます。
広義でいうところの「その分野の専門家」であることと
ここでは解釈させていただきますが...

今のような情報社会になると、
ひとつの専門分野で、
専門的知識・技術を有していることが、
果たして「プロ」の条件なのかというと
私はどうも、違うというか足りない気がするのです。

素人、また顧客の皆さんの中にも、
時折、専門職としているプロを超えるほどの
技術・知識をお持ちの方も増えている世の中。

とすれば、技術・知識はあって当たり前の時代です。

私が最近、感じているのは、
専門的知識・技術を有しているとだけを武器に、
仕事をする時代は終わったということなんです。

例えば、我々のような飲食業であれば、
ホールならホールの、
キッチンならキッチンの、
バーテンダーならバーテンダーの、
専門的知識+αをどれだけ持っているかが
これからの求められる姿のように思うのです。

超プロ=専門的技術・知識+α。

果たしてこれが何なのか。

・時代の流れや空気を少しでも感じ取れる感性。
・会話や振る舞いにおけるプレゼンテーション能力。
・個々の人々の一瞬の心の動きを感じ、
 「他人」を自分のフィルターの中に溶け込ませ
 考えられる高い人間性。

など、到底口では具体化できない
「波」のようなものではないだろうかと私は思っています。

例えばおいしい料理を作れる料理人がいるとします。

その方のまず持つべき専門知識・技術は、
素材の吟味術や仕入れ方法、
また旬を感じる素材の情報。
そしてその素材を料理に仕上げる調理技術。
また、新しいレシピの創作もあります。
商品化する提供技術とすれば、
どのようなお皿にどんな風に盛りつけて、
そしてそれを「おいしい料理」としてお店で売る。

そこまでが、普通のプロとしての最低基準だとします。

しかし、これからの時代なら、
・今の時代にそのお料理をお出しするなら、
 どんな形でお出しするのが一番お喜び頂けるのか。
・古典的と呼ばれるものや伝統と言われるものが、
 今の時代にも受け入れられるにはどう工夫すべきか。
・キッチンだけに籠っておらず、
 街に出て、人が好むものは何かをどう察知すべきか。
・自分が思うもの好きなものを作るのではなく
 お客様が好きなものを感じ取れるか。
・それをお伝えする場面では、
 どんな言葉を使い、どんなシーン作りが必要か。
・そこに、技術・知識だけに頼らない、
 ぬくもり感やお客様との共有感があるか。

などを加味していかないといけない気がするのです。

こんな恐慌や不況と呼ばれる時代に、
それこそ、人々がお金を使わない、いや使えない時代に、
選ばれる店になっていくには、

そんな取り組みが必要な気がして仕方ないのです。

私のような飲食業なら、

「私が思うおいしいものでなく、
 お客様がおいしいとおもうものを、
 お客様のご来店動機をさりげなく察知しながら、
 自分の最大限の情報収集や技術錬磨と、
 それを余すところなく伝えられる会話・伝達力と、
 つねに愛情と感謝を感じられる人間力を駆使して、
 よりおいしく、楽しく、豊かに
 お召し上がりいただく。
 そしてその中で生まれる会話や関わりの中で、
 その時間が明日への活力や、
 日々の疲れをいやす非日常感を生み出すこと。」

美辞麗句のように思われるでしょうが、
実にこれくらいのことを日常の信念体系に置いて、
仕事に取り組まないと、
もう取り残されていくような気がしてならないのです。

それ故に、「超がつくほどのプロ」でなくては
と思います。

もちろん私にだって、万全にそれができているとは
到底思えていませんので、
スタッフ同様、日々それを作り上げる毎日です。






過去日記に触れて。

2008年10月22日 | Weblog
サーチエンジンで単語を検索していたら、
希有なことに、僕が過去に書いていたBlogがTOP記事...

さすがに、こっ恥ずかしかったんですが、
何書いてたんやろ、当時はと、
自分の日記をしばし読んでしまいました(笑)

その当時は、ホント熱く書きまくっていました。
そこにあったこんな記事が、
先日、ある広告担当者と話したことにリンク。

それは、

「競合店ができましたね。
 見に行かれました?」

と聞かれたことなんです。

僕は「行ってませんよ。多分1年は行かないと思う。」

と答えたんですけど、その方は目を白黒。

「他を見ると心が揺れます。
 向こうさんも、偵察かと気を揉まれますし。
 何より、自分がやりたいと思っている事と、
 その方がやりたいと思っている事は違うので..」

なんて、答えてみたんですけど、
実は、僕が近隣の競合(?)と言われるお店を見ないのは、
過去にこんな経験があったからなんです。

それが、この日記に克明に書いてありました。
面白いので、ちょっとご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

長くお店を経営されている方なら皆そうだと思いますが、
僕も、正直もうBARをやめようかなと思った事があります。

僕は、10年間で2回。
一度目は、たわいもない事でしたんで割愛。
二度目が、結構長く尾を引いたので、その事を書きます。

丁度、4年位前の事ですが、
その頃は、僕の店の回りにも新業態の飲食店や、
BARがいろいろと濫立しだしました。
元来、心配性だった僕は、競合店と聞くともうピリピリ。
そちらの御客様の入り具合を気にしたり、
どんな事をやっているのか探ってみたり....。
もちろんスタッフにも、結構やかましく言っていました。

そんなある日、僕の店を卒業したスタッフが、
店を出すと言って来ました。
それも、僕の店のすぐ近くで。
正直、滅茶苦茶祝ってあげたい気持ちと、
「焦り」にも似た気持ちが交錯し、複雑でしたね。

まぁ、気の小さい経営者だなぁと思いつつ、
オープンまで、彼に対して少々のヘルプしながら、
様子を伺っていたんです。(ホント、せこい。笑。)

で、実際お店が出来上がったので見て欲しいと言われ、
そこに足を踏み入れた時の気持ち。

「やばい。完璧に店の作りで負けている...。」

そこから、僕の焦り方は尋常ではなかったですね。
言わば「弟子」に抜かれたと思っているわけですよ(笑)
そんな気持ちで営業を続ける毎日ですが、
うちの御客様も、祝儀でそちらに出掛けますよね。
その度に、「嫉妬」なんかしちゃうんですもん。
自分で自分を疑いましたね。

で、「やめよう」と本気で思ったのは、
ある日、仕事が休みで、その店に顔を出した時。
しばらく、ウチに顔を出してくれていなかった常連達が、
もう、目を疑うかのごとくウヨウヨ。
頭をこう「ガツーン」と斧でたたき割られた感じでした。

引きつり笑いが止まらずに、小1時間も居られなかった。
帰り際、ひとりの御客様に、
「どうしたん? 元気ないやん。また、行くわ。」
と言われた時、身体が震えたのを今でも覚えています。

そこから帰り道は、もうどう帰ったのかも記憶がない。
以来、何日も何日も苦しみ続けましたね。

でも、そこからなんとか立ち直れたのは、
ある御客様の一言。

「マスター、幸せやねぇ。
 毎日こんな良いお客さんに囲まれて。
 きっちりやってたら、こうなるんやねぇ。」

救われた気がしました。
信じてくれている人がいると実感しましたし、
その人たちの為に、やらないとと思い、
その後、今のような感覚になれるまで、
そりゃ、死にもの狂いで勉強し、「心持ち」を変えました。

今となって、その時の事を思うと、
足りなかったのは、「自信」と「自分を許す気持ち」。
これだったような気がします。

御客様は「これを待ってくれているんだ」という視点で、
店や商品作りをしていなかった事や、
また、そんな状態だったので、流行に流されたり。
で、過渡期にある自分をあまりに「無力」に感じ
ころころと希薄に上辺のやり方だけを変えていました。

でも、やっぱり自分の心持ちを変えて正解でしたね。
毎日、気付きがあって「小さな楽しさ」を積み上げて、
それを、みなさんに届ける。
みなさんの心に灯を灯す役目なんだと知った時、
他人と比べる事を辞めました。
そして、他人の事をうらやましく思う事もない。

そう、自分で自分に灯を灯す事、続けているんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

丁度、4年前くらい前に書いた記事です。

自分でも、改めて頷いてしまいました(笑)
でも、今もまったく気持ちは変わらずなんです。

今だって、正直「大満足」「大成功」なんて
とても呼べそうにはありませんが、
当時以上に、相当ハードルを高く設定してしまいましたし、
3つもお店ができてしまうと、正直思い通りではない。

ですが、そのどれも「自分が選んだ道」です。
だから「他人と比べない」ことと、
迷ったら「自分の立ち位置」を確認することに徹しています。

今、時勢が相当厳しくなってきています。
いろいろな同業者の方のお悩みも聞きます。
もちろん、自分自身も悩み、立ち止まりますけれども...

まだまだ、志し半ばなんです。

だから、自分を信じていきたいとさらに思えた、
「過去日記」再読となりました。


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雑感

2008年10月18日 | Weblog
いろいろとたて続きに起こった今月。

書こう、書こうと思っていたBlogも
時の過ぎ行くままに.....

えっ? もう10月も19日....。
今月1回しか更新していなかった....(涙)





閉話休題。




世の中は、今混沌としている。
世界大恐慌などと人々を不安に陥れる
事象が世界中で起こり続けている。

私の周りでも少なからず、
金にまつわる「暗い」ニュースが聞こえてくる。

会社を経営するようになり、
他人事と笑えない事ではあるのだが...。




そもそも、何故会社は存在するのか?

そもそも、何故仕事をするのか?




そんな、根源的な理念の「歪曲」が見え隠れする、
そんな案件が私のところにも送られてくる。




今まで以上にダンピングします。

ほんの少しでもいいから買ってください。

背に腹は代えられないんです。




現実を直視できない「脆さ」は、
このような危機が起こった時に、
人を狂わせるようだ。
それは「偉大」と呼ばれた経営者でさえ。




その背中を社員が「泣く泣く」真似、
半ば「サービス」とは呼べない、
押しつけ営業にまで奔走させられる。




日々創意工夫。

価値の創造。




固い話をしたいのではない。
毎日毎日、そんな気概で望めたのなら、
可愛い社員達に、
なぜこの仕事に着いたのかという
根源的理由を揺るがせるような
辛い思いをさせずに済む。

人は人のお役に立って
人は町のお役に立って
人は社会のお役に立って...

それまで並べてきた「美辞麗句」が
空虚に聞こえる。

本来どんな局面でも
変えられないはずの「根源」であるはずなのに。





あなたの理念は
成功したらベンツに乗ることだったのか?

あなたの動機は
成功したらビルを建てることだったのか?





最終局面に立った時、
自己の保全は考えても、
「風土」や「理念」や「社員の生活」は
どこ吹く風となる。
そんな経営者を見て
改めて自問自答する。


ここまで自分が救われた記憶と、
今も支えを頂けることに、
我が身を呈してお返しし続けているだろうか?

社員に。会社に。株主に。社会に。
そして......家族に。



会社に小さな芽が息吹きだしている今だからこそ、
そんな現象を目の当たりにして、
我が身を振り返った。

自分とて、まだまだそんな「危険」を
孕んでいるのかもしれない。

















オタク再燃。

2008年10月03日 | Weblog
僕は、バーテンダーになってからというもの、
何に一番力が入っていたのかと、
改めて考えると....


「変なお酒探し」

「見たことのないお酒探し」

「それにまつわるお話探し」


だったような気がします。


要するに

「レア酒オタ」




酒屋さんに行くと、1~2時間はウロウロして、
手に取ってニヤニヤしている、
少し傍目には危ない奴でした(笑)

まぁ、それが功を奏してか、
昔っから、それに鼻の効くお客様が集まって、
その「変な酒コレクション」を飲みながら、
ワイワイと楽しんでいたものです。

今、その癖は....「治癒せず」。


AJARAには、相も変わらず僕が集めた
「変な酒」が日々増え続けていますし、
eniでは、造り手といろいろな話や、
現地視察をして集められる「レアビール」が集まる。
Labelにまで...もうやめときましょう。



好きものは直らんのです。
それを並べてはニヤニヤ。
それを飲ませてはウッヒッヒ。



でも、自分では自画自賛で
「好きこそものの...」
なんて言い張っておるバカものです。



昨日、久々にウマいジンに出会って、
AJARAに早速並べました。
試飲しながら、「こりゃマティーニうまいぞ!」
なーんて企んでおりますわ。
今夜は、AJARA出勤の日なので、
どんな反応があるか、
お客様のリアクションが楽しみやなぁ。



相も変わらずの酒屋魂健在でありました。