MIDNIGHT TALKING MAN

新米社長の涙と笑いのドタバタ奮闘日記

一事が万事。

2008年04月09日 | Weblog
「一つの事を見るだけで、
他のすべての事が想像できる。
また、一つの小事を見ても、
ひいては万事その調子になるだろうということ。」

「一事が万事」という諺の意味を調べると、
こんな言葉が帰ってきました。

昔の言葉には、深い意味が隠されているものですが、
私には、最近この言葉が
必ずしも当てはまってはいないと思うのです。

私も小さいながら組織を運営していますけれども、
組織運営に切り離せない事といえば、
それは、まず「上下関係」でしょう。
その中においても、この諺が「?」な場面が
たくさんあるんですね。

我々の組織でも目にしますが、
例えば、上司が部下に教育という名の下に
いろいろな指導を行う場面。

いつも同じ失敗をする部下がいるとします。
上司は、その度に訂正を繰り返しますね。
理解をしてもらうまでには、
それはそれは長い期間と辛抱のいることです。

これを「指導その1」としますね。

しかし、その間に他の問題事をその部下が犯したとします。
これが「指導その2」。

そこで、上司の器量が試されるわけですが、
往々にして、「指導その1」で起こっていることを、
「指導2」とひっつけて考えたり、
「指導1」での、改善度合いがまだ低く、
その進展に上司が苛立っていたりすると、
とっても話がややこしくなるのです。

その2つの出来事には因果関係はなにもないのに、
「お前はいつもそうだ!」といってしまう....
そんな場面を見たことはありませんか?

これって、本当にそうなのでしょうか?
そうです。「一事が万事ではない」という実例です。

言われた側は、その2つを同時に
考えている訳ではありませんので、
「何をやっても駄目だと言われる」と
思ってしまうでしょう。
これでは、指導どころか余計に自信喪失です。
他の人間関係でもこれに似た事がたくさんありますよね。

「親子関係」「友人関係」「夫婦関係」

人間は、確定要素の頻度が高くなるほど、
「そう決めたい」動物なのではないかなぁと思うほど、
繰り返された事象で、人を決めつけしてまいます。

もちろん「長所」をとらえた話ならいいんです。
これが「短所」だとすると悲劇的ですよね。

尊敬する船井幸雄さんが著書で
「できるだけ良いところを伸ばして、悪いところは見ない」
という長所伸展法という
人材教育方法を紹介しておられましたが、
この「一事が万事ではない」という感覚は、
この理論にも当てはまります。

まずは、相手の良点を見いだした上で、
関わりを考えたら、先のような物言いはできない。
「良くなってほしい」「相手のためを思って」という
心があっても、表現を間違えたら一大事。

会社でも、その他の場面でも
注意しないとなぁ、大事だなぁと実感しているところです。