Aino's Dream

職業写真家Aino(日本写真家ユニオン会員)のオフィシャルブログ。写真って夢みたい。。ゆるりゆるりと夢を追い続けて。。

大切なもののついて

2013年04月06日 | 独り言

先日、ある友人とかなり腹の割った話をする機会があった。

 

彼女は不妊症に悩み、性格もかなり悲観的な面がある。彼女は主婦なのに(もちろん旦那さんともうまくいっているが)、家事をほとんど放り出すくらいに外に出かけては買い物も多くし、映画を観たりその他もろもろ忙しい忙しいと言っていた。もちろん、買い物で気分転換もいいと思うし、映画など観るのもとてもいいことだとは思う。ただ、僭越であるとは思うが、私は彼女を心配していた。私から見ると彼女は何かに追われているように、あるいは何かから逃げているように見えたからだ。

いろいろと話した後、私は彼女に問うてみた、なぜそんなに出かけなければならないのかと。すると、彼女は言った。家にいるといろいろと考えてしまって外に出かけずにはいられないのだと。そして、本当は自分の居場所を探しているのだと。

私は語気を少し強めて言った。自分の居場所や大切なものは、外には絶対にない。買い物をしたりそういうことで、心を満たすことはできない、と。本当に大切なものは、自分の中にあるんだ、と。そして愛する人とのかけがえのない生活の中にあるのだと。

これはあくまで私の経験知にすぎないのだが、一番大切なものは自分の中にあると信じている。そして、それはむしろ、「自分にとって」というよりもっと「普遍的」なものが、あるのだと思っている。言葉にするのは難しいがそれは、「愛」ではないかと思っている。そしてそれが実際の現実的に現れるのは、まずは生活だと思っている。ちょっと前まで、「自分探しの旅」という言葉がよく聞かれた。今現在においても、カルト教団やちょっと理解を超える宗教が多く存在している。私は自分探しの旅をしたことがないし、宗教についてもその詳しい教義は知らない。ただ一つ言えるのは、どんなことがあってもそういうための旅やそういう宗教に私は走らなかったし、これからもそうであろうということだ。それは、大切なものは自分の中にあると信じているからだ。もちろんこれは持論なので、各々が考えるべきことだけれど、少なくとも逃げていては何も解決にならない。そして環境を変えなくても、また他の人から提示されるまでもなく、大切なものはもっともっと身近ですぐ手の届くところにあると思っている。確かに自分と向き合うことは時にとても辛い。私も随分辛い時期があった。でもそのことで、多くの気づきがあったし、何より、私は心から幸せだ、と思うことができるようになった。状況が悪くても、精神は自由だ、とフランクルも「夜と霧」の中で言っていたが、どんな状況に立たされようと、心の中の大切なもの、そこから溢れ出すかけがえのない生活、を忘れないようにしていれば、悩み悩みながらも歩んでいけるのではないかと、自戒の意味も込めて思っている。