雨の日曜日

お芝居の感想などを

バリーターク(シアタートラム)

2018年06月01日 | その他舞台
 どうせ外れるだろうなーと抽選に申し込んでみたら当選し、更に劇場についたら最前センターブロックでびびりました…。入場で並ぶなんてトラムでは初めてだよー。さすがSMAP。

 二人の男が何だかよく分からないセリフを喋り、踊ったり着替えたり食事をしたり。観客は???となりつつ居心地の悪さというか不安というかを感じつつ、そのうちうっすらと状況が見えそうなところで第3の男が登場し。という難解なお芝居でした。いやでも全然分からなくても、役者の熱量と演出の力で面白く見られるのですよねー。

 主役二人、知らなかったら普通に舞台役者さんだと思ったんじゃないかなあ。不自然な環境に置かれた不安定さ、みたいなのが良かった。お互いに服を着せっこしてたの可愛い。草彅君はやっぱり身体が良く動くねえ。シャツがどんどん汗で濡れていくんだよねー。松尾さんは女役がびっくりするほど似合ってたので、いつかまた舞台でがっつり見てみたいな。

 内容については、やっぱり良く分からなくてですね。12秒歩いて死ぬってどういうことだろうとか。でもそこは自分の中で処理せず、分からないまま置いておけば良いのかなーとも。第3の男が登場する時のわくわくするような絶望感とか、床に散らばるゴミとか、白井さんの演出はやっぱり好きみたいです。

 事前に確認してなかったので当日驚いたのですけど、終演後世田谷パブリックシアター芸術監督萬斎さんと神奈川芸術劇場芸術監督白井さんのポストトークがありました。ゴドーを待ちながらのゴドーが来ちゃった話、というのにほほうと思ったのですが、私ゴドーを待ちながらって見たことなかったわ…。主演二人、最初に脚本読んだときはこんな動き回るとは思わなかったそうで、この1時間40分のためにお酒を控えているとか。松尾さんが舞台2回目っていうのは意外だわー。元ラガーマンだから体力はあるんだって。そういえばこの作品、アイルランドやイギリスでも上演されてるそうなんですけど(本邦初演)、白井さんは写真しか見てないようで、そういうのって先行舞台の映像を参考にするものと思ってたのでちょっと驚きました。劇中80年代の音楽が使われていて、萬斎さんはちょうどその世代なのでレコードが割られるのに胸が痛んだとか。

 お二人は下手の小さいドアから登場し、舞台奥のマリーゴールドの花咲く夕暮れの風景の中へ退場されて行きました。いやホント間近でいい男を拝見できて、大変眼福でございました。


[作]エンダ・ウォルシュ
[翻訳]小宮山智津子
[演出]白井晃
[出演]草彅剛
   松尾諭
   小林勝也



 


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