雨の日曜日

お芝居の感想などを

伝統芸能の今2014(身曾岐神社能楽殿)

2014年05月24日 | その他舞台
 浅草も行きましたが、山梨も行ってしまいました。えへへ。だって一昨年だったかな?次はいつもと違う所で見てみたいな~って思ったんですもん。

 身曾岐神社へは、小淵沢からタクシーで。不便な分、緑が多くて良い雰囲気でした。ただね、私山梨なめてまして、半袖ワンピ+パーカーみたいな軽装で行ったらめっちゃ寒かったです。お隣の方なんかダウンコートで準備万端だったのにー。迂闊でしたわ。

 公演前には出演者さん達が客席をまわって募金集め&プログラム販売。お席がブロックの一番前だったので、すぐ目の前に猿之助さんが! おおー、やっぱりお肌綺麗です。でも私はそれをスルーして獅童さんのところに募金に行くという暴挙に出てしまいました。すみません…。

 今回は最初にトークがあって、その後上妻さんの演奏へ。津軽三味線って「じょんがら節」みたいに叩きつけるイメージなんですけど、「紙の舞」では音をうんと響かせていて。対照的な2曲が聞けて良かったです。

 「三番三」は、何故か浅草より三味線の音がよく聞こえたような。逸平さんも、公会堂の舞台より、今回の能楽殿の方がしっくりはまっているように見えました。

 「空破」は逆に、浅草の方が緊張感があったかも? 今回の猿之助さんで一番好きなのは「風林火山」。とにかく手が美しくて色っぽいー! うっとり。

 「雨の五郎」は、初めて拝見する獅童さんの素踊り。五郎さん格好良かったですけど、きっと拵えした方がもっと格好良い。

 そして「石橋」。浅草では無かったですけど、名古屋公演から毛振りに合わせて客席で手拭を振る、というのが始まったそうで。プログラム(に、手拭がついてる)売りの逸平さんもそんな風に仰ってアピールされてました。伝芸になじみのないお客さんに楽しんで貰えるように、色々考えてるんですねえ。
 ということで、野外ということもあって、いつもとは大分違う、お祭りみたいなお獅子でした。


 

五月花形歌舞伎 昼の部(明治座)

2014年05月05日 | 歌舞伎
 翌日、昼の部も行って参りました~。

 「鳥居前」
 四の切に比べると、鳥居前ってご縁が無くてですね、多分拝見するのは二度目か三度目。とにかくみんな若いので、真っ直ぐで勢いのある、20代の今だからこその舞台!って感じでした。
 印象に残ったのは隼人君の義経。今まで義経って冷たくて何考えてるのか分からないイメージだったのですけど、隼人君の義経は、一人の苦悩する青年なんだなーって親近感持てました。歌舞伎としてそれが良いのかどうかは分からないのですけども。
 米吉君の静御前は赤姫のお衣裳が似合ってとにかく可愛い! 歌昇君の忠信は、真面目で真正直な雰囲気がが良いですなー。狐六法にわくわくしました。種之助君の弁慶は、トークショーでの隈取好き発言思い出してにやにやしちゃった。彼の弾むような身体は何かいいですね。そしてお父様にそっくり、というより横顔が同じw

 「釣女」
 これね、見てみたい演目だったのですよ。面白かったー! あわあわしてるのが妙に可愛い染五郎さん、上品で飄々としてる高麗蔵さん、上臈姿が美しい壱太郎さん、そしてもはや誰だか分からない亀鶴さんと、良い感じのバランスでしたよね。

 「艪清の夢」
 上演されるのが珍しい作品らしいんですけど、これも楽しかったです。染五郎さんて結構振り回される系のお役が似合いますねえ。
 こちらも亀鶴さんがすごいお役でw でも楽しそうでしたよねー。花道の引っ込みとか。歌六さんもあんなお役をされるとは。
 亀鶴さんが定九郎で、夢パート後半は堂々と吉田屋パロだったのは分かったのですが、歌舞伎好きの方がご覧になったらもっと色々あるんだろうなあ。でもとにかく夢なんで、シュールと言うか結構しょうもなくて面白かったです~。


一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

鳥居前

   
佐藤忠信実は源九郎狐 中村 歌 昇
静御前 中村 米 吉
早見藤太 中村 吉之助
源義経 中村 隼 人
武蔵坊弁慶 中村 種之助

二、釣女(つりおんな)

   
太郎冠者 市川 染五郎
大名某 市川 高麗蔵
上臈 中村 壱太郎
醜女 中村 亀 鶴

三、邯鄲枕物語(かんたんまくらものがたり)

艪清の夢(ろせいのゆめ)

   
艪屋清吉 市川 染五郎
女房おちょう/梅ヶ枝 中村 壱太郎
米屋勘助/蕎麦屋與四郎 中村 歌 昇
鳥追いお七 中村 米 吉
安芸の内侍 澤村 宗之助
横島伴蔵/盗賊唯九郎 中村 亀 鶴
家主六右衛門/鶴の池善右衛門 中村 歌 六

五月花形歌舞伎 夜の部(明治座)

2014年05月04日 | 歌舞伎
 GWに行って参りました、花形歌舞伎。まずは夜の部から。

 この伊達十は、初めて見る作品。そもそもこういう早替りを見せるような舞台を、猿之助さん以外で拝見するのはこれが初めて、だったと思います。

 染五郎さんは、似合うお役もあまりニンではないお役も、丁寧に演じてらっしゃる印象でした。染五郎さんの女方見たのも初めてですが、さすがに綺麗で違和感無かったですね。

 ただ個人的には、この作品はもっと強烈な個性を持った役者さんの方が向いているように感じました。何しろ、三代目猿之助さんが創り上げた作品ですし。まあ私は三代目を存じ上げないわけですが。なので、海老蔵さんがどんな風に演じてらしたのか、ちょっと気になります。見ておけば良かったかなあ。

 でもね、四代目で見たいかというと、そうでもないのですよね。当代の猿之助さんなら、政岡一役でゆっくりご飯炊いて欲しいです。

 亀鶴さんが良いお役で嬉しかったな。猿之助さんとのコンビも良いですけど、染五郎さんと並んでもいいバランスですね。米吉君や竹三郎さんは一瞬で残念。栄御前の秀太郎さんが、可愛怖くて良かったです。

 
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)
三代猿之助四十八撰の内 伊達の十役(だてのじゅうやく)
市川染五郎十役早替り宙乗り相勤め申し候

発 端 稲村ヶ崎の場
序 幕 鎌倉花水橋の場
    大磯廓三浦屋の場
    三浦屋奥座敷の場
二幕目 滑川宝蔵寺土橋堤の場
三幕目 足利家奥殿の場
    同  床下の場
四幕目 山名館奥書院の場
    問註所門前の場
    同  白洲の場

   
口上
仁木弾正
絹川与右衛門
赤松満祐
足利頼兼
土手の道哲 市川 染五郎
高尾太夫
腰元 累
乳人政岡
荒獅子男之助
細川勝元
   
沖の井 市川 高麗蔵
渡辺民部之助 中村 亀 鶴
京潟姫 中村 壱太郎
山中鹿之助 中村 種之助
新造薄雲 中村 米 吉
新造小紫 大谷 廣太郎
笹野才蔵 中村 隼 人
松島 中村 児太郎
大江図幸鬼貫 中村 吉之助
渡辺外記左衛門 松本 錦 吾
山名持豊 大谷 桂 三
三浦屋女房松代 坂東 竹三郎
八汐 中村 歌 六
栄御前 片岡 秀太郎