雨の日曜日

お芝居の感想などを

来月は博多座!

2017年01月27日 | 日常
 演舞場公演、今日が千穐楽ですね。おめでとうございます。今月は昼夜1回ずつしか観劇することが出来なかったのが心残りです。「黒塚」は折角猿之助さんがブログに色々書いて下さっているのですから、もう一度拝見したかったなあ。また近いうちに岩手さんにお会い出来ると信じております。

 そして来月はいよいよ博多座の二月花形歌舞伎! ゲストが平さんということもあって、めちゃくちゃ楽しみなのですよ~。

 「男の花道」と「雪之丞変化」は見たことありますけど「艶姿澤瀉祭」が! 歌舞伎役者さん達による宝塚のようなレビューって一体どんなでしょうか。 平さんのフラメンコがあるそうですけど、どのような拵えで?! とワクワクは尽きません。

 それにしても、スーパーじゃない歌舞伎に外部の有名な役者さんが出演されるのって珍しいことですよね? (「GOEMON」にも今井さん出てましたけどシスティーナ歌舞伎ってスーパー歌舞伎とかコクーン歌舞伎みたいなジャンルの一つのような気がするので)

 上村以和於さんが以前「男の花道」や「上州土産百両首」を歌舞伎と大衆劇の入会地にある作品と仰ってましけど、「大衆劇」を「歌舞伎以外の演劇」と捉えるなら、平さんや福士君が出演されるのも自然なことなんだなー、なんて思ったりしています。

新春浅草歌舞伎 第一部(浅草公会堂)

2017年01月21日 | 歌舞伎
 新春浅草歌舞伎を見に行って参りました。

「傾城反魂香」
 私が初めて浅草歌舞伎で見たのがこの「吃又」なのですよねー。勘太郎さんと亀治郎さん。今回巳之助君と壱太郎君がその二人に教わっているのが、何だか感慨深いです。

 おとくはしっかり者の出来た奥さん、というイメージだったのですけど、壱太郎君のおとくはどことなく夫を置いて突っ走っているような危なっかしさがありました。おとくとしてそれが正しいのかは分からないのですけど、新鮮。

 逆に巳之助君の又平は、意外と地に足着いてそうな。愛嬌もあるし、オーバーじゃないのも良かったです。このお役はみっくんのニンだと思うので、これから何度も演じていって欲しいなあ。


「吉野山」
 松也君の忠信、大変格好良かったです。狐ちゃんがメインの四の切よりこちらの方が合ってるんじゃないかなあ。後見が徳松さんなのも嬉しい。

 壱太郎君も、おとくよりもこういうお役の方が見ていてしっくりするな。巳之助君の藤太は。浅草ならではでしょうけどすごく良かったし、ご本人も楽しそうでした。


近松門左衛門 作
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場

浮世又平後に土佐又平光起    坂東 巳之助  
        又平女房おとく    中村 壱太郎   
         狩野雅楽之助    中村 隼 人
         土佐修理之助    中村 梅 丸
          将監北の方    中村 歌女之丞
         土佐将監光信    大谷 桂 三


義経千本桜
二、吉野山(よしのやま)

  佐藤忠信実は源九郎狐     尾上 松 也
          早見藤太     坂東 巳之助
            静御前     中村 壱太郎


壽新春大歌舞伎 夜の部(新橋演舞場)

2017年01月15日 | 歌舞伎
 夜の部も行って参り参りました~。

 「義賢最期」
 愛之助さんじゃない義賢を拝見するのは初めてかも。愛之助さんは前半は落ち着いた感じでしたけど、海老蔵さんだと最初からワイルド~でしたね。
 海老蔵さんと中車さんだけの場面が長いのは、観客にあんまり優しくない気がします。海老蔵さんは台詞に癖がありすぎるし、中車さんは古典の台詞回しにおっかなびっくりなんですもん。折平は右團次さんか九團次さんで見たかったな。
 でも女性陣は良かったですよー。米吉君は安定の可愛さ。右之助さんは、海老さんとのバランスはともかく、賢く愛情深い良い奥さん。そして何と言っても笑三郎さんの小万が、凛々しい女武道だけど、義賢にすがる姿は色っぽくて、最高に素敵でした。普段の座組だと、猿之助さんも右團次さんも小柄だし笑也さんもいるしで、こんな女らしい笑三郎さんなかなか見られないですもんね。海老さんに感謝。

 「口上」
 幕が開くとセンター近くに梅玉さん、それ以外は柿色の裃がずらっと並んで、ちっちゃい右近君以外誰が誰だか分からない(笑)。多分こんなことって珍しいですよね。
 猿之助さんはあっさり簡潔に。今回の販促係は海老蔵さんだったようです。

 「錣引」
 これって、「吉野山」で忠信が語ってるあれですよね? 今月浅草で「吉野山」が上演中なので、丁度良いなーと。米吉君の伏屋姫が可愛かったです。九團次さんが迫ってくるので、本気で「逃げてー!」と思いながら見てました(笑
 ただ、梅玉さんと右團次さんなら、もっとお二人に似合う演目があったんじゃないかなあ?という気もします。

 「黒塚」
 密度や完成度の高さは、今月はこの「黒塚」が突出してました。上演が始まったら暫く入場出来ないとか、2階3階のモニターを使わないとか、初めて見る観客にも特別感は伝わったんじゃないかなあ。
 「黒塚」についてはブログで猿之助さんが色々説明して下さっていて、興味深く拝読しました。が、何しろ私記憶力がアレなもので、前回とどう違うのか分からないのが残念無念…。あ、2景の芒のセットは、襲名披露公演の時より随分本物っぽくなってる気がする。
 2景の踊る岩手が本当に綺麗で。角度によっては若い女性に見えてどきりとしたり。1景でも、鬼が正体を隠しているような禍々しさはなかったですよね。猿之助さんによると、何度も裏切られ、それでも救いを待ち続ける女性、と言うことで。切ない。
 右團次さんの阿闍梨は、團十郎さんや勘九郎さんと比べるとキャラが立ってないのですけど、その方が岩手が際立って良いのかもしれない。あと個人的には、照明や音響はもうちょっとシンプルな方が好みです。




一、源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
義賢最期

        木曽先生義賢     海老蔵
           矢走兵内     猿 弥
              小万     笑三郎
            待宵姫     米 吉
            九郎助     市 蔵
            葵御前     右之助
    下部折平実は多田蔵人    中 車


二、三代目市川右團次襲名披露 口上(こうじょう)

               右近改め右團次
                   幹部俳優出演


河竹黙阿弥 作
松岡 亮 補綴
三、錣引(しころびき)
摂州摩耶山の場

 順礼七兵衛実は悪七兵衛景清 右近改め右團次 
        三位中将重衡     友右衛門
             伏屋姫     米 吉
          木鼠次段太     九團次
             平経盛     寿 猿
          天上寺住持     家 橘
 虚無僧次郎蔵実は三保谷四郎   梅 玉


木村富子 作
四、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)

  老女岩手実は安達原の鬼女     猿之助
            山伏大和坊     門之助
            強力太郎吾      猿 弥
            山伏讃岐坊      中 車
            阿闍梨祐慶 右近改め右團次

壽新春大歌舞伎 昼の部(新橋演舞場)

2017年01月08日 | 歌舞伎
 右團次さんの襲名&右近君の初舞台公演に行って参りました。

 「雙生隅田川」は初めて見るお芝居ですが、多分猿翁さんがされた時より随分刈り込んでいるのかな? 猿之助歌舞伎ではあるのですけど、割とあっさりとした雰囲気でした。個人的にはもっとボリューミーでも良いのにな。

 でも猿之助さんの班女御前を見られたので満足です。「狂女」と「母親」を得意とする猿之助さんにうってつけのお役ですよね。梅若の死を告げられた時の嘆きようには、見ている方も苦しくなる程でした。その分松若との再会、からのお家再興は本当に良かったなと。まあ、二人いる息子のうち片方を亡くしたことに変わりは無いのですけども。

 Youtubeの動画で見た亀治郎さんの梅若松若は子役ながらも色気がありましたが、右近君はまだ6歳ということで、とにかくちっこくて可愛らしかったです。周りの大人の役者さん達がみんな保護者の顔になっていたのも微笑ましかった~。


三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 雙生隅田川(ふたごすみだがわ)

市川猿之助
市川右團次 宙乗り相勤め申し候
市川右 近

猿島惣太後に七郎天狗/奴軍介   右近改め右團次
          班女御前      猿之助
          大江匡房      中車
        淡路前司兼成      男女蔵
         小布施主税      米吉
         次郎坊天狗      廣松
       梅若丸/松若丸     初舞台右近   
          局 長尾       笑三郎
       勘解由兵衛景逸      猿弥
       惣太女房 唐糸      笑也
        吉田少将行房      門之助
         県権正武国      海老蔵

通し狂言 しらぬい譚(国立劇場大劇場)

2017年01月04日 | 歌舞伎
 今年の初芝居は国立劇場でした。菊五郎劇団の新春公演を見るのは初めてのような。

 蜘蛛やら化け猫やらは登場しますけどおどろどろしくはなくて、とにかく華やかで楽しかったです。お正月にぴったり。

 ストーリー的には菊之助さんと松緑さんのダブル主演ですよね。菊五郎さん時蔵さんが要所要所を締めて、右近君や亀三郎さん亀寿さん、梅枝君萬太郎君も良いお役。

 個人的には格好良い松緑さんが沢山見られて嬉しかったです。立ち回りの時の拵えめっちゃ好き。相手が猫なので、一瞬動物ショーのトレーナーさんに見えたりもしましたが(笑)。病鉢巻も色っぽくて良いです。左近君は幕切れだけでしたけど、子役と言うよりすっかり劇団の一員という感じで頼もしかったです~。

 ピコ太郎(亀蔵さん)、登場するのは知ってましたけど、すんごく唐突で無理やり入れた感万歳なのが何だか可笑しかった…。


国立劇場開場50周年記念

柳下亭種員ほか=作『白縫譚』より
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=脚本
通し狂言 しらぬい譚(しらぬいものがたり)五幕八場
     尾上菊之助筋交いの宙乗り相勤め申し候


(出演者)
尾 上 菊五郎
中 村 時  蔵
尾 上 松  緑
尾 上 菊之助
坂 東 亀三郎
坂 東 亀  寿
中 村 梅  枝
中 村 萬太郎
市 村 竹  松
尾 上 右  近
尾 上 左  近
市 村 橘太郎
片 岡 亀  蔵
河原崎 権十郎
坂 東 秀  調
市 村 萬次郎
市 川 團  蔵
坂 東 彦三郎
       ほか