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日本共産党が「TERF」のための政党となる日

2021-05-23 03:10:56 | ジェンダー

 今回の記事は、言うたらtwitter(@masatowishiguro)で書いたことのブログ版、てな感じで一つw

 5月21日、日本共産党の政策委員長である田村智子参院議員の記者会見。その全体はyoutubeの日本共産党チャンネルで見られるが、今国会で成立先送りとなったLGBT法案に関する田村氏の会見部分を以下に文字起こししてみた。長くなるが、以下に書き出してみる。会見冒頭と、会見終わりに産経新聞記者の質問を受けての回答に分かれる。カッコ内の文字、拡大文字での強調は筆者の私によるもの。

田村氏

 議員立法のLGBT法案を巡って、自民党の中で大変差別的な発言が相次いだということで、これは私もLGBTの議連に入って議員立法のことを協議してきた当事者でもありますので、一言述べておきたいと思います。
 LGBT議連の中で、そもそも出していた、野党のLGBTの方々に対する差別を許さないという、差別解消の法案。
 これをもうずっと、何国会にもわたって、野党側は出してきたわけですね。
 今国会になって、自民党の側から、ぜひですね、野党とのすり合わせをしたいということの前提で、理解増進法案というのを出してきて、これで議連のメンバーが中心になった、自民党の稲田(朋美)さんと、立憲民主党の西村智奈美さんとの間で協議をして、いわば「差別は許されない」という文言を入れた法案として与野党で合意を議連の中ではしたわけですね。
 これが自民党の中でですね、「こんな法案は認められない」という罵詈雑言に近い発言が相次いだということですし、会合が終わってから述べられた山谷(えり子)議員の発言などを見てみればトランスジェンダーに対する敵視と憎悪と差別と不理解を振りまくような、大変許しがたい人権侵害の発言になっているんですね。
 理解の増進と言ってまとめてきた自民党は、果たしてLGBTの方々の人権ということをどのように理解されていたのか、何のために法案を作ろうとしていたのかと、このことまで問われるような問題だというふうに考えます。
 ぜひこの差別的な発言をされた方々は、当事者の方々も求めているように、謝罪と、本当にまじめにですね、このLGBTの当事者の皆さんが、何に苦しんでおられるのか、どういう差別があって、それをどういうふうに解消していくことが求められているのか、ぜひですね、憲法の個人の尊厳の立場に立って、真摯にお考えいただきたいということを述べておきたいと思います。


産経新聞の質問
 LGBT議連の関連で「差別を許さない」ということだが、こういうケースは差別に当たるのかをうかがいたい。
 生物学的には男性の方、見た目はラガーマンで女性と自認されている。
 その方が女子トイレを使いますと。
 そこに入っていくと、中にいた女性、生物学的に女性、女性と自認している方が来ないで、使わないでくださいと言った場合、その来ないでと言った方は生物学的には男性、女性と自認している人を差別しているという、そういうことになるんでしょうか。

田村氏

 LGBTの私たちが作ろうという法案というのは、すべての性にかかわらず、性自認とか、つまり多様な性のあるもとですべての方々の権利を保障するというのが大前提なんですよ。
 ですから「男性というふうに見て」という女性が普通に入っていくことは、女性にとって恐怖心を与えるということであるならば、それはすべての方々の人権の保障ということにはなっていないというふうにもなりますよね。
 実際、私がさまざまなトランスジェンダーの方とお話ししたときには、むしろその、だから多機能トイレですよね。
誰もが使えるようなトイレを設置してほしいという要望をお聞きすることはあっても、男だと外から分かる格好のまま女子トイレに入れてくれなんていうことを主張される方と会ったことがありませんよ、当事者の方で。
 そんな意見、聞いたこともないですよ。
 すべての方の人権保障、一方の性に恐怖心を与えるようなことを私たちは求めてないです。
 公衆浴場で、とか言う人いますけど、そんなことやったらわいせつ罪ですから。
 もしも男性のままの格好で、女性用のお風呂に入ってったらね、そんなことを求めてないですよ。
 当事者も求めてないですよ。
 すべての人の尊厳を守る。
 そのために何が必要かということを求める法案だということをぜひご理解いただきたいです。
 非常に今、自民党が反対で流しているのは、本当にトランスジェンダーの方に対する差別と誤解を広げるような発言です。
 これは許されないような差別発言だという自覚を自民党の方にはね、発言された方には持っていただきたいと思いますね。

産経新聞
 こういうケースは、今後も起こりえないと。

田村氏

 だからそれは、差別だから許されないなんていうことはあり得ないということにはならないでしょ。
 だって一方の女性に恐怖心を与えるようなやり方を認めるということを想定していないですもの。
 そういうことです。
 男性も女性も、LGBTの方も、すべての方の人権を保障するためにどうするかという法案ということです。

 この一連のやりとりを動画で見て感じたことだが、重要なのは田村氏がTERFに同調する回答をしたことだろう。TERFとは、いわゆるトランスジェンダーの当事者たるTRA、そしてTRAに同調する一部のANTIFAを批判する人たちを指す蔑称である

 TRAおよび彼らに同調する一部のANTIFAは、たとえば自身が強硬に主張する「女性用トイレや女性用風呂など、女性専用スペースの使用」に拒否反応を示したり批判したりする女性を「TERFめ、差別者め」と一方的にヘイトスピーチ扱いしてきた。私もそうした攻撃を受けた一人である。

 しかし日本共産党の政策委員会責任者たる田村は、トランス女性(身体的に男性)の女性専用スペース使用は「女性に恐怖を与えるもの」と断じて拒否した。これはデカいね。何しろ田村は共産党の政策一切を預かる責任者として記者会見に臨んでいる。

 つまり彼女の発言すべてが共産党を代表してのものだ。「一議員」「一個人」の言い訳は一切通用しない。そうした職責を預かる田村が、トランス女性が無理を押して女性用トイレ・風呂を使用するのにNOを突きつけたからね。女性用風呂の場合は「わいせつ罪」に当たるとまで言ったし。こうした一連の発言は、女性専用スペースの一方的なトランス女性の使用に批判的な女性の皆さんに有効な活用をしてほしいと思う。

 さて田村氏の記者会見とは別に、共産党機関紙の「しんぶん赤旗」5月22日付では、党ジェンダー平等委員会責任者たる倉林明子副委員長・参院議員のインタビュー記事が掲載された。この記事でもTRA、それに加担する一部のANTIFA、そして彼らに抗する人々について重要な発言を倉林氏はしている。以下に記事を引用する。

――この問題をめぐっては、SNS上で激しいやりとりになっていて、心配です。

 そうですね。差別感情や、いたずらに不安をあおる情報を意図的に振りまくことは決して許されません。同時に、そうした情報に影響され、不安になっている人たちとは区別する必要があると思います。あおられている人も含めて、すべてを「差別者だ」と決めつけ、糾弾するようなやり方は、反発と分断を生むだけで、問題の解決にはつながりません。

 性の多様性を認め合い、誰もが「個人の尊厳」を尊重される社会をつくるために、ともに力を合わせましょう。

 「あおられている人も含めて、すべてを『差別者だ』と決めつけ、糾弾するようなやり方は、反発と分断を生むだけで、問題の解決にはつながりません」という。「差別者め」と決めつけ、糾弾するやり方に必死な人たちって、ズバリTRAと彼らに加担する一部のANTIFAのように思えますね。てか私自身、かつて相互フォローだった男性アカウントでTRAに同調するANTIFAのmoldさん(@lautream)から「差別者め」と罵倒されたことありましたし。

 ただ残念ながら田村氏、倉林氏の発言は全体的に見ればLGBT法関連で不安や不満を訴える女性に寄り添ったものではとうていありません。倉林氏のインタビュー内での法律による性別変更のくだりとかね。しかし共産党を代表する田村、倉林両氏の発言の端々には #トランス女性は女性です なんてタグを掲げ、女性の口をふさぎ込もうとする連中とは一線を画したものを私は感じるものです。

 幸いに、LGBT法案は今国会での成立は見送られるもようです。また近日に東京都議選、そして今年の秋までには4年ぶりの総選挙が予定されています。時間は決して余裕がありませんが「女性の権利を広げてほしい」と願う皆さんは、こぞって日本共産党はじめ立憲野党の尻を叩いて女性の権利拡大に動いてほしいと思うばかりです。

 山谷氏の一連の発言に支持を表明するフェミニストアカウントは少なくありません。その気持ちを私はできるだけくみ取りたいですが、山谷氏に賛同はしません。彼女の発言は市民を分断するものだととらえています。

 なぜなら山谷氏が所属する自民党は改憲を党是としているからです。与党は今国会で狙う国民投票法改定を機に、自民党の悲願である改憲を果たさんとし、与党の仲間である公明党、衛星与党である維新が追随しています。

 自公維の狙う改憲の行き着くところは、憲法を「国家が国民の活動を制限する」前近代的な内容につくり変えることです。手っ取り早く言えば大日本帝国憲法の再現です。大日本帝国憲法がまかり通った当時の女性には、選挙権がありませんでしたね。

 歴史的に女性の権利を踏みにじってきた権力者の末裔(まつえい)である自民党は、未来永劫女性の味方にはなりようがない。私は長年迫害されてきた女性の皆さんに改めて、ぜひ共産党はじめ立憲野党の尻を叩いてほしいと思います。私も微力ながら、協力します。

(5月24日に記事を一部修正・加筆。該当部分は下線)

コメント (7)
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