八戸市森林組合のブログ

森林・林業、森林組合の活動紹介、林業用の作業着の開発について等、課長の気まぐれブログです。

馬搬IN八戸

2015年12月01日 | 日記
 先日、遠野の岩間君を招き小径木の杉の搬出を致しました。20年ぐらい前までは八戸でもする方がおりました。今でも馬で木を出してほしいと依頼もあります。お年寄りは今でも、馬車や馬搬の話をするとイキイキします。おかげで私の営業時のネタに良く使わせて頂いております。世代のギャップを埋める話のネタとしては最高です。


課長の馬搬メモより。

馬搬とは、馬を使って山から伐採された木を運ぶことです。「地駄曳き」とも呼ばれております。昭和中期まで行われており、トラクターやブルド―ザの普及により廃れました。八戸市周辺では21世紀前に作業する人がいなくなり、2013年現在ではやや増えて、4人が年に30日以上作業しております。
もともと馬搬専用に馬を飼っていたのではなく、農耕用や運搬用の動力として様々な動力として使用しており、アブの出る夏場は畑で作業し、雪が積もり運搬しやすくなる冬に使用しておりました。

八戸市周辺は周辺地域と同じように、馬の産地であり、農耕馬、軍馬、競走馬を生産しておりました。最近では競走馬自体も地方競馬の衰退により飼う人もかなり減っております。人目に付くところでは三社大祭での武者行列や騎馬打球(ポロ)等のお祭り以外ではほぼ目にすることが無くなりました。時々馬力大会が新聞に出る事がありますが、馬力大会自体も衰退し始めております。
 歴史的には南部藩の妙地区の牧場や絵馬も古くからあります。オシラサマ信仰と言ったものもあります。

長所
馬は重機が入って行けないような狭いところや急斜面も行けて、小回りが利きます。山を削って重機を入れるための作業道を作る必要性がありません。1m程度の幅があれば搬出が可能となる。無理な力が掛かる搬出方法でないために、土壌を踏み固めたり、立木に傷を付ける事がほぼ無くなります。高額な機械を導入する事に比べればコストが掛からない。また。CO2も排出しないので環境にも優しい。昔ながらの運搬技術なので、伝統文化を守ることが出来ます。機械で作業するよりも見た目にも静かで排気ガスの中で作業することが無く、美しく見ていて楽しい。馬に関わる職業もあり地域の雇用も生まれます。例えば、馬の病気を見てくれる獣医、馬の爪を守るために蹄鉄を打つ蹄鉄師、草等の餌を販売する店、馬具を作る馬具屋と地域の鍛冶屋の雇用を生みます。切り株を避けながら動ける。

短所
小規模であるので、機械と比べて大量に丸太を取り扱うには効率が悪い。日ごろの面倒を見なくてはいけない。夏にはアブに刺されるので作業時期が決まってしまう。また、1日の中でも作業効率が異なる。専門的な調教が必要。馬の面倒を見られる人しか関われない。

 等々・・・。

 我々の仕事に美はあるのか?




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