八戸市森林組合のブログ

森林・林業、森林組合の活動紹介、林業用の作業着の開発について等、課長の気まぐれブログです。

チェーンソーズボンの特徴

2016年01月19日 | 日記
 当組合のチェーンソー保護ズボンを購入した方にチェーンソー保護ズボンの取扱い方についての文を差し上げておりますが、隠す物でもありませんので企画販売している立場として私が知り得た情報をここに公開します。

チェーンソー保護ズボンの取扱い方について

 使用期間
 防護材の使用期間は正式に決まったものではありませんが、製造メーカーからおおよそ2年ぐらいではないかと言われております。布の組成が壊れるからかと思います。

 洗濯の仕方
 ヨーロッパと日本の洗濯石鹸の製品は異なるようですが、前面のチェーンソーオイルの付着が激しい場合はブラシ等でこすり洗いをし、手洗い若しくは弱流水にて洗濯機で洗ってください。脱水機の使用は避けてください。出来れば手で軽く絞るか吊るして干してください。重ねた防護材は端だけで、留めれておりますので、ゆるく編み込まれている中心部分は回転等で偏る心配があります。その状態が簡単にチェックできない為、恐れるからです。

 乾燥について(タンブラー乾燥)
 電気衣類乾燥機は使用しないでください。

 チェーンオイルの付着について
 防護布は非常に繊細に出来ております。それはチェーンソーに絡むようにほつれやすく出来ております。チェーンオイルが付いた場合この効果が薄れます。その為、チェーンオイルが作業服にしみ込んだ場合は特に良く洗浄してください。また生分解性の植物オイルは放置すると固まりやすくなりますので、洗濯の回数を多くしてください。

 ソーチェーンに布が触れた場合について
 上記のとおり解れやすい布ですので、一度ソーチェンに触れた布は使用しないでください。そこをまた縫ったりすると解れなくなり、チェーンソーでの怪我の恐れがあります。表面の布だけでしたら、防護材を縫わないように補修してください。

 防護材の性能について
 防護材は何枚かの布を重ねて、そのサイドを縫ってあります。この布を多く重ねると更にレベル2やレベル3になります。減らすとレベル0になります。
 当組合の実験ではハスクバーナ社製の346ニューエディション約50ccを使用して実験を行いました。この程度のチェーンソーをフル回転で回して、アクセルを離した時に止まるのがレベル1(20m/秒)です。もし、そのままアクセルを回した場合では(約22m/秒)で、レベル1の作業着では足を切る事になります。また正式な実験では反動を付けない状態で実験を行いますので、キックバックの様な反動付きでは条件が異なりますので、レベル1は最低限の防護であると考えた方が良いです。
出来る限り軽くする為に、布の枚数を減らした方が良いかと思いましたが、少しでも実験用の布を超えて切断してしまうと、その下の部分はかなりの損傷を受けます。これを見てからレベル1以下の基準でチェーンソー保護ズボンを作成することを諦めました。

 防護材の性能2について
 やはり防護材の性能は各社異なりますし、その会社でもいろいろなランクの物を作っているようです。当組合で使用している布はヨーロッパではメジャーな会社でその会社の中でも最高峰の物を使用しております。やはり値段の低いチェーンソー保護ズボンは安く、重い物を使用しております。

 タイプAやタイプCについて
 この仕分は防護材の配置の仕方によります。タイプAは通常見るタイプです。タイプCは後ろも防護材で囲われております。タイプBについてはその表記が出ていないので分かりません。
 さて、タイプAが何故、防護材が正面から見てズボンの右側横奥までついているか?これは東京農業大学で実験した際に分かりました。最初の実験で布の強度が分かる以前に、この形の必要性が理解出来ました。初めての実験なので実験用の防護材を緩めに設置してしまいました。この時の映像を見ると、最初にチェーンソーが布に接した時点で、布全体を引っ張り上げます。次に引っ張り上げたと同時にその勢いでその下の部分をチェーンソーが削りました。多めに防護材を配置していないと、最初の巻き込みで効果が無くなるからの様です。

 チャップスとチェーンソー保護ズボンについて
チャップスを使用している国はアメリカと日本だけでしょうか?特に西日本では涼しく見えるようで普及しております。休憩時に脱いで乾かせるのがメリットなのでしょう。ただし、チェーンソー保護ズボンはベンチレーション機能が付いているズボンが多いので確実に涼しい事や安全性に関してズボンの方がずれる心配が無い事からどうしてもチャップスを進める訳には行きません。50CCクラスのチェーンソーが布を引っ張る力は想像以上に強いです。チャップスを確実に装着しなくては、怪我を生じる恐れがあります。結局使う人次第なのですが、確実に装着されるかは分かりませんので、お奨めは絶対出来ません。ファナーのチャップスはマジックテープで確実にずれない様になっております。
 
丈が長いので詰める事について
どうも外国製品のズボンは胴が短く、丈が長い傾向があります。丈を短くするとその基準自体の設計が崩れてしまうのと、事故があった場合について対処しきれない意味でメーカーは嫌がります。その時は自己責任で行うしかありません。防護材は絶対触らない方が良いです。とても繊細な生地ですから。

 

 

 









天気大荒れ

2016年01月18日 | 日記
 関東から徐々に湿り気の強い大雪が攻めて来ようとしております。この様な湿気のある雪は春雪同様重いので、杉の10年生から20年生まで木はとても折れやすく危険です。森林国営保険に入られている方で、雪折れの被害を発見された方は組合までご連絡ください。自分で切ったりすると判断出来なくなりますので、とりあえ一報ください。

今年も宜しくお願い申し上げます。

2016年01月06日 | 日記
 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。昨年に引き続き、林業作業着他、ブーツの開発を進めております。日本の林業から労災を無くするため精進してまいります。また、当組合も服装だけではなくKY活動含め、もう一度チェックして行きます。皆様にとって良い年である様にお祈り申し上げます。またショップでは新しい林業雨具「光牙」を販売しております。 
http://8-mori.shop-pro.jp/