チェーンソー保護ズボンの取扱い方について書いてみました。はっきり言ってメーカーじゃなければ分からない事も多々あります。しかし、この情報を誰が発信するのか?少なくともこれらの情報のほとんどは3年前の自分は知りませんでした。このネタは11月当たりのブログの宿題として、今頃焦って作ってみました。以下以前のブログhttps://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=43406236&blog_id=554227
林業の安全性の多くは現場でどう木を切るのかについてだけ多く語られてきましたし、勉強しました。しかし、林業の安全性は木を切るだけ、機械を扱うだけでは無いです。近い分野の方として消防署員が救急について教えてくれることもあります。しかし作業着についての情報はほとんど教えてくれる人がおりませんでし、そんな事も考えたこともチェーンソー保護ズボンを作ったり、売ったりしなければ分からない事や調べなかったことばかりです。
せっかく我々が時間、予算、手間をかけて知りえた情報もありますが、「林業から労災を無くする!」と語ってみたので可能な限り情報を出します。今後多くの方にチェーンソー保護ズボンや保護ブーツを履いて、安全性を高めるのにお役に立てられればと思います。
使用期間
防護材の使用期間は正式に決まったものではありませんが、製造メーカーからおおよそ2年ぐらいではないかと言われております。布の組成が壊れるからかと思います。
洗濯の仕方
ヨーロッパと日本の洗濯石鹸の製品は異なるようですが、前面のチェーンソーオイルの付着が激しい場合はブラシ等でこすり洗いをし、手洗い若しくは洗濯機で洗ってください。脱水機はあまり良くないそうなので、出来れば手で絞るか吊るして干してください。<o:p></o:p>
乾燥について
電気衣類乾燥機は使用しないでください。<o:p></o:p>
チェーンオイルの付着について
防護布は非常に繊細に出来ております。それはチェーンソーに絡むようにほつれやすく出来ております。チェーンオイルが付いた場合この効果が薄れます。その為、チェーンオイルが作業服にしみ込んだ場合は特に良く洗浄してください。また生分解性の植物オイルは放置すると固まりますので、洗濯の回数を多くしてください。<o:p></o:p>
ソーチェーンに布が触れた場合について
上記のとおり解れやすい布ですので、一度ソーチェンに触れた布は使用しないでください。そこをまた縫ったりすると解れなくなり、チェーンソーで足を切る恐れがあります。表面の布だけでしたら、防護材を縫わないように補修してください。<o:p></o:p>
防護材の性能について
防護材は何枚かの布を重ねて、そのサイドを縫ってあります。この布を多く重ねると更にレベル2やレベル3になります。減らすとレベル0になります。 当組合の実験ではハスクバーナ社製の346ニューエディション約50ccを使用して実験を行いました。この程度のチェーンソーをフル回転で回して、アクセルを離した時に止まるのがレベル1(20m/秒)です。もし、そのままアクセルを回した場合では(約22m/秒)で、レベル1の作業着では足を切る事になります。また正式な実験では反動を付けない状態で実験を行いますので、キックバックの様な反動付きでは条件が異なりますので、レベル1は最低限の防護であると考えた方が良いです。出来る限り軽くする為に、布の枚数を減らした方が良いかと思いましたが、少しでも実験用の布を超えて切断してしまうと、その下の部分はかなりの損傷を受けます。これを見てからレベル1以下の基準でチェーンソー保護ズボンを作成することを諦めました。<o:p></o:p>
防護材の性能2について
やはり防護材の性能は各社異なりますし、その会社でもいろいろなランクの物を作っているようです。当組合で使用している布はヨーロッパではメジャーな会社でその会社の中でも最高峰の物を使用しております。やはり値段の低いチェーンソー保護ズボンは安く、重い物を使用しております。<o:p></o:p>
タイプAやタイプCについて
この仕分は防護材の配置の仕方によります。タイプAは通常見るタイプです。タイプCは後ろも防護材で囲われております。タイプBについてはその表記が出ていないので分かりません。さて、タイプAが何故、防護材が正面から見てズボンの右側横奥までついているか?これは東京農業大学で実験した際に分かりました。最初の実験で布の強度が分かる以前に、この形の必要性が理解出来ました。初めての実験なので実験用の防護材を緩めに設置してしまいました。この時の映像を見ると、最初にチェーンソーが布に接した時点で、布全体を引っ張り上げます。次に引っ張り上げたと同時にその勢いでその下の部分をチェーンソーが削りました。多めに防護材を配置していないと、最初の巻き込みで効果が無くなるからの様です。
チャップスとチェーンソー保護ズボンについて
チャップスを使用している国はアメリカと日本だけでしょうか?特に西日本では涼しく見えるようで普及しております。休憩時に脱いで乾かせるのがメリットなのでしょう。ただし、使用時に於いてはベンチレーションが付いているズボンが多いので確実に涼しい事や安全性に関してズボンの方がずれる心配が無い事からどうしてもチャップスを進める訳には行きません。また、枝や下層木に引っかかりやすいとの話も良く聞きます。<o:p></o:p>
丈が長いので詰める事について
どうも外国製品のズボンは胴が短く、丈が長い傾向があります。丈を短くするとその基準自体の設計が崩れてしまうのと、事故があった場合について対処しきれない意味でメーカーは嫌がります。その時は自己責任で行うしかありません。最悪、防護材は絶対いじらない方が良いです。とても繊細な生地ですから。
参考になりましたでしょうか?間違ったところがあれば教えてください。訂正いたします。
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