八戸市森林組合のブログ

森林・林業、森林組合の活動紹介、林業用の作業着の開発について等、課長の気まぐれブログです。

新作チェーンソーズボンの感想について

2014年01月27日 | インポート

 早速、新型チェーンソーズボンを購入された方から、感想が届いておりましたので、そのまま文を流したいと思います。

 お値段がネックで長い間ファナーの購入を迷っていました。しかしながら、日本の森林組合が全力で開発したということで、思わず購入してしまいました。

写真で見たより実物の方が良く、第一印象で、購入に納得しました。試着した感じでは、裾の上から脚絆が巻けそうな点、考えられていると思いました。また、ベンチレーションを全開にすれば、ズボンの上にチャプスを着用するより格段に涼しそうですので夏に使用するのが楽しみです。

ただ残念なのは、私のウェストサイズが70弱なのでストレッチ素材にもかかわらず、立った状態では尻から腿にかけてたるみが出てしまうことです。(ベルトをすればウェストは特に問題ないですし、しゃがんだ時には気持ちよくフィットするのですが・・・)藪等で引っかけてしまいそうで少々心配です。着丈はそのままで、細身体型向けのラインナップもあれば嬉しいですね。

 その他の要望としては、私はよく膝や脛をぶつけて痛い思いをしているので、打撲軽減のためのパットが内蔵されていると嬉しいです。(ニーパッド等を別に装着すると、折角の涼感が軽減されてしまいそうなので)以上、少数意見かとは思いますがご検討いただければ幸いです。

 

 有難うございました。当方の考えでは、太ももの部分が緩い方が膝を屈伸した時にポンプ的に空気が出入りすることを想定しております。風が来た時に涼しくなる事だけを想定しておりません。これが正解か?そうでないかは?実際の夏に試すことになりそうです。チャックを上から1/3程度空けて頂くと風が少なくても機能が発揮すると期待しております。ややスリムな方を好む方もいるのも存じております。徐々に意見を取り入れます。ベンチレーション全開ではかなり広がりますからね。

 ニーパッドはあった方が良いですかね?柔らかめのパッドも冬用には開発してみたいと思います。夏は軽く、乾燥しやすく、涼しくにこだわっておりますので、それを邪魔しないのであれば、夏用にも導入してみたいと思います。

 またの感想をお待ちしております。有難うございました。

 あとヨーロッパでのテストの話も進んでおりますので、3月にはいろいろ報告出来るかと思います。

 

 

 


チェーソー保護ズボンの解説

2014年01月22日 | インポート

 チェーンソー保護ズボンの取扱い方について書いてみました。はっきり言ってメーカーじゃなければ分からない事も多々あります。しかし、この情報を誰が発信するのか?少なくともこれらの情報のほとんどは3年前の自分は知りませんでした。このネタは11月当たりのブログの宿題として、今頃焦って作ってみました。以下以前のブログhttps://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=43406236&blog_id=554227

 林業の安全性の多くは現場でどう木を切るのかについてだけ多く語られてきましたし、勉強しました。しかし、林業の安全性は木を切るだけ、機械を扱うだけでは無いです。近い分野の方として消防署員が救急について教えてくれることもあります。しかし作業着についての情報はほとんど教えてくれる人がおりませんでし、そんな事も考えたこともチェーンソー保護ズボンを作ったり、売ったりしなければ分からない事や調べなかったことばかりです。

 

 せっかく我々が時間、予算、手間をかけて知りえた情報もありますが、「林業から労災を無くする!」と語ってみたので可能な限り情報を出します。今後多くの方にチェーンソー保護ズボンや保護ブーツを履いて、安全性を高めるのにお役に立てられればと思います。

 使用期間

 防護材の使用期間は正式に決まったものではありませんが、製造メーカーからおおよそ2年ぐらいではないかと言われております。布の組成が壊れるからかと思います。

 洗濯の仕方 

 ヨーロッパと日本の洗濯石鹸の製品は異なるようですが、前面のチェーンソーオイルの付着が激しい場合はブラシ等でこすり洗いをし、手洗い若しくは洗濯機で洗ってください。脱水機はあまり良くないそうなので、出来れば手で絞るか吊るして干してください。<o:p></o:p>

 乾燥について

 電気衣類乾燥機は使用しないでください。<o:p></o:p>

 チェーンオイルの付着について

防護布は非常に繊細に出来ております。それはチェーンソーに絡むようにほつれやすく出来ております。チェーンオイルが付いた場合この効果が薄れます。その為、チェーンオイルが作業服にしみ込んだ場合は特に良く洗浄してください。また生分解性の植物オイルは放置すると固まりますので、洗濯の回数を多くしてください。<o:p></o:p>

  ソーチェーンに布が触れた場合について

 上記のとおり解れやすい布ですので、一度ソーチェンに触れた布は使用しないでください。そこをまた縫ったりすると解れなくなり、チェーンソーで足を切る恐れがあります。表面の布だけでしたら、防護材を縫わないように補修してください。<o:p></o:p>

  防護材の性能について

 防護材は何枚かの布を重ねて、そのサイドを縫ってあります。この布を多く重ねると更にレベル2やレベル3になります。減らすとレベル0になります。 当組合の実験ではハスクバーナ社製の346ニューエディション約50ccを使用して実験を行いました。この程度のチェーンソーをフル回転で回して、アクセルを離した時に止まるのがレベル1(20m/秒)です。もし、そのままアクセルを回した場合では(約22m/秒)で、レベル1の作業着では足を切る事になります。また正式な実験では反動を付けない状態で実験を行いますので、キックバックの様な反動付きでは条件が異なりますので、レベル1は最低限の防護であると考えた方が良いです。出来る限り軽くする為に、布の枚数を減らした方が良いかと思いましたが、少しでも実験用の布を超えて切断してしまうと、その下の部分はかなりの損傷を受けます。これを見てからレベル1以下の基準でチェーンソー保護ズボンを作成することを諦めました。<o:p></o:p>

 防護材の性能2について

 やはり防護材の性能は各社異なりますし、その会社でもいろいろなランクの物を作っているようです。当組合で使用している布はヨーロッパではメジャーな会社でその会社の中でも最高峰の物を使用しております。やはり値段の低いチェーンソー保護ズボンは安く、重い物を使用しております。<o:p></o:p>

  タイプAやタイプCについて

  この仕分は防護材の配置の仕方によります。タイプAは通常見るタイプです。タイプCは後ろも防護材で囲われております。タイプBについてはその表記が出ていないので分かりません。さて、タイプAが何故、防護材が正面から見てズボンの右側横奥までついているか?これは東京農業大学で実験した際に分かりました。最初の実験で布の強度が分かる以前に、この形の必要性が理解出来ました。初めての実験なので実験用の防護材を緩めに設置してしまいました。この時の映像を見ると、最初にチェーンソーが布に接した時点で、布全体を引っ張り上げます。次に引っ張り上げたと同時にその勢いでその下の部分をチェーンソーが削りました。多めに防護材を配置していないと、最初の巻き込みで効果が無くなるからの様です。

 チャップスとチェーンソー保護ズボンについて

 チャップスを使用している国はアメリカと日本だけでしょうか?特に西日本では涼しく見えるようで普及しております。休憩時に脱いで乾かせるのがメリットなのでしょう。ただし、使用時に於いてはベンチレーションが付いているズボンが多いので確実に涼しい事や安全性に関してズボンの方がずれる心配が無い事からどうしてもチャップスを進める訳には行きません。また、枝や下層木に引っかかりやすいとの話も良く聞きます。<o:p></o:p>

 丈が長いので詰める事について

 どうも外国製品のズボンは胴が短く、丈が長い傾向があります。丈を短くするとその基準自体の設計が崩れてしまうのと、事故があった場合について対処しきれない意味でメーカーは嫌がります。その時は自己責任で行うしかありません。最悪、防護材は絶対いじらない方が良いです。とても繊細な生地ですから。

 参考になりましたでしょうか?間違ったところがあれば教えてください。訂正いたします。

<o:p></o:p>

 

<o:p></o:p>

 

 


小さな馬搬で、大きな材を!

2014年01月20日 | インポート

 

1月18日に本格的に馬搬をしました。まだまだ大きい馬ではないのですがとりあえずやってみました。

ユーチューブでアップしましたので、以下のとおり。

 http://youtu.be/Xo5ccZrX8oI 

http://www.youtube.com/watch?v=aZIBMthtObk

Dsc00526_2


Dsc00530_4

 

 問題は1日だけの作業なので、結構気合い入れて作業させたので、たぶん嫌になったか筋肉痛のはず。

 

 

 思ったより大きい材を曳けてびっくりしました。やや曳く距離が短かったものの、あと30mぐらい長くなったところでは支障はない様に思えました。むしろトビの作業で手間がかかる感じ。グラップルが無いので、材を横並びに置くしかなかった。材は凍るし、重いしでそちらが大変。土が凍っていたので、滑りやすく汚れずに作業が出来て良かった。さすがに終わるころにはハヤ君も汗をかいておりました。遠野で修行してきた成果がほぼなくなりつつあり、黙って立っていることが出来なくなりつつある。後ろで作業しているのが気になる様子だ。また、引手がいないと力いっぱい曳けないようでした。1日で出した材積としては十分な感じ。下りだともう少し楽に曳けそうだが。のぼりは逆に完全にダメそう。

 

 重い木を曳くのに、カエルの様に後ろ両脚で踏ん張る姿を初めて見ました。

 

 さて、この材で何を作ろうかな?

 

<o:p></o:p>

 


酷暑用チェーンソーズボンの発売

2014年01月17日 | インポート

 ようやく待ちに待った当組合オリジナルの商品が届きました。

 
 軽さ、通気性に関しては世界中のどの製品よりも優れているかと思います。もはや亜熱帯化した日本の夏にはこの製品以外に上を行くものはないであろう。

 ひざ下は耐水性、耐久性が高いコデュラファブリックを採用。トゲや枝の抵抗、摩擦に高い強さを持ち、朝露等の濡れを防ぐ。

 

 全面上側は通気性に優れた素材を採用。汗等の濡れに速乾性を重視。

 日本の暑い夏に耐えうるズボンとして、ベンチレーション用の通気孔を採用。ひざ裏、大腿部、腰、を冷やす。この使用は他の製品に無い。

 

 裏の素材は3Dストレッチ。薄く、伸び、速乾性を実現。

 軽さは1kg以下に!他の製品と比べて、軽く動きやすい。もはや普通のズボンレベル。

裾は西日本で足袋を履く習慣が根強いことから、足袋も収納しやすい様に、細めに絞ってあります。

 森林総研での試験でレベル1準拠。ただ今ユーロテストを受ける準備中。防護布は世界で使用される物の中でも、最高峰の物を使用。高性能で軽い。

ショップにて発売中http://8-mori.shop-pro.jp/

 Dsc00510_2Dsc00504_3




Dsc00513Dsc00506

 価格は26,000円+消費税です。20日以降八戸市森林組合ショップで発売。数量限定40着分の当初分です。

 

 


酷暑用チェーンソーズボン

2014年01月15日 | インポート

 新開発している酷暑用チェーンソーズボンが仕上がった。今週末には

手元に来るので、来週からは販売できそう。近いうちユーロテストも受けるように進めている。

 

 今まで、北欧のメーカーが作っているズボンを輸入したりしていたので、どうしても日本人の体形や気候に合っていなかったので新しく着る人の拒否反応や夏の暑さに耐えられなくて履かない事が多いのが現状。

 これ以上薄く出来ないのでは?これ以上軽くするのは大変ってくらいの物を作りました。あとは耐久性を心配するぐらい。生地が薄くなると弱くなるので、そこら辺が大事。軽さで言えば世界で作られるチェーンソーズボンの中でも最軽量の部類なはず。300g重いだけでもかなり違います。

 これ終わったらジャケットの製作と冬用の作業着の開発に入ります。冬用は強度を高めて、生地を厚めにする予定です。

 


 本年度も宜しくお願い致します。

2014年01月06日 | インポート

 明けましておめでとうございます。本年度も宜しくお願い致します。

 

 皆様、良い正月を迎えられましたでしょうか?私は大分で大学の友人と20年ぶりにお酒を酌み交わす事が出来ました。同じ研究室でしたが、私はすぐやめて別々の道を歩みました。それでもまた会えたことは何かのご縁なのでしょう。

 さて、本日は挨拶回りで1日終わった感じですが、馬を使って木を出す馬搬をどのようにして広げるか?が問われそうです。これは当組合だけの話ではなく地域の町おこし、文化の継承色々含めて考える必要があります。まだまだやらなくてはならない物事も多い年になりそうですが、順次ブログで報告していきたいと思います。