波動関数は粒子性と波動性を併せ持つ対象に適用できる概念です。
粒子性は、例えば電子が物体に衝突したときに起こる現象です。
波動性は、干渉縞などで確認できます。
通常のマクロな物体は、波動性を持ちません。
通常のマクロな物体が干渉縞を起こす実験などありません。
ところが、理論家はマクロな物体に対しても平気で波動関数を適用します。
その端的な例が天才科学者フォン・ノイマンが「シュレーディンガーの猫」の装置に対して波動関数を用いたことです。
この装置は、言うまでもなくマクロな物体の集合です。
森田邦久『量子力学の哲学』、講談社現代新書2122(2011.9)の86~87ページでは、電子のスピン測定器というマクロな物体に対して状態ベクトル(波動関数)を適用しています。
これは、波動関数の間違った使い方です。
更に、電子の状態ベクトルと測定器の状態ベクトルを重ね合わせの関係で表現しています。
これも、波動関数をその適用範囲を超えて使った典型的な誤用例です。
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