岡林信康の「友よ」を歌った歌手クミコ

たまたま歌手のクミコさんのライブをテレビで観る機会があった。

それがなんと！

岡林信康の「友よ」を歌っていたのだ。

なんだかとても気持ち良さそうに得意げに歌っているのだ。

こんな歌詞がリフレインされていくわけだ。


「夜明けは近い」

「友よ、輝く明日がある」・・・


まさか　岡林を知る年代の者で

こんな歌詞を今の時代に歌える無神経な破廉恥な者は

いないだろうが。


当時も、同時代の多くの者は、

岡林が語りかけたメッセージから、

「ついに夜明けが来ない」ことを、

「輝く明日がありはしない」ことを

苦笑いしながら聞き流していたものだ。・・


間の抜けた癒しの歌のヒットなどは

メディアの側のご都合に過ぎないことを・・


少なくとも当時もう少し真剣に生きようとした連中は

高倉健のいわずと知れた、「唐獅子牡丹～！！」を前歌に

ゲバ棒担いで吶喊（とっかん）！に明け暮れた。


だから老婆心ながらクミコさんにこれだけは伝えたい。

「友よ」だけは止しときなってね。

底の浅いのが見透かされるよ。


むかしの歌を文字面だけを追って表現していると、

すべてが嘘になることを自覚されますように。