心理カウンセラーの眼!

孤立無援の・・君よ、眼をこらして見よ!

心の病気と生活保護支援

2010-07-12 17:44:56 | マインドケア 今週の言の葉

こんにちは、のほせんです。
梅雨空がつづく毎日です。
知り合いの1歳半前の子どもがウイルス性風邪と診断されたのですが、
どうしても抗生物質を拒んでのまないそうで、現在、自前の免疫でたたかっているそうです。
さて、みなさんは風邪などめされていないでしょうか?

わたしのブログに、カウンセリングの臨床の話が掲載されないのはなぜですか?
という質問を読者の方からいただいています。

じっさいのカウンセリングの場面では、わたしは、ほのぼのおじさんですが ( ほんと!)、
カウンセリングについて、いざ書きだしたら、
とことん、その症状と病理について書きあげる性分(みなさんもご存じの!)なので
たとえ相手の人が承諾されていても、
相当に心情的にタフさがないとへこんじゃうようにおもえて、
そこはやっぱり遠慮しているわけです。

そういうことなので、実際のカウンセリングのお話はお許しいただくとして、
今の世の中でもこんなに哀しいことが実際にあるんだということを
すこしお話してみようとおもいます。・・・

これは以前に、重い心の病気の母子が、
「母親の生活保護を取り消された」と手紙で訴えてこられたことに端を発して、
わたしがある県の「生活保護利用支援ネットワーク」の職員の方に、
母子家庭の切迫している現実を「カウンセリング所見」のかたちで説明、説得を試みたものです。

( 注 )- これらの善意の職員にとっても、心の病気の人との対話によって
かえって《 相互不信 》 をつのらせてしまうことはよくあることです。

対人恐怖の症状からわずかにあらわされる脈絡のないような言葉を、
いったいどのように受けとめてよいものか?・・
混乱が生じることになるのは無理からぬことです。
そのためにとり急ぎ、わたしが関係の修復をはかることになりました。 -

以下はその所見の概要です。・・・

『 《 A さんの観察経過とカウンセリング所見 》

平成00年の0月ごろにA さんから最初のご相談のメールをいただきました。
もともと、別の心理カウンセラーとの関係が崩れたことから
任意でわたしにコンタクトを取ってこられたようでした。
それ以来、
専らメールによる回答をさしあげるようになりましたのは、
A さんが遠くA 市に在住で、
またご自身が家から出ることが困難なひきこもりに陥っているという理由によるものでした。

A さんの相談内容は、
はじめにうちは断片的な、《 感情に任せた苦しみの言葉 》 がつづられていました。
その当時のメールのやり取りの一部が保存されていましたので
A さん内諾のうえ資料として提示いたします。

そこに表わされている表現・言葉の病的な部分を抜きだしてみますと、

1・やはり分かりません。自分が何を言っているのか。
2・ひきこもって外に出れない。
3・母親に殺される。
4・(たえず、隣人への恐怖、被害妄想、感覚鈍磨、取り憑かれを表わしている。)
5・パニック症の訴え
6・自他の境界性破綻の言葉
7・発声困難
8・カウンセラーへのストーカー的攻撃
9・死体の写真に固執

以上の表現からも、
分裂病(日本では統合失調症)の諸症状にまつわる心的状態にあることが認められます。

もちろん、分裂病という病はその症状・表わされ方は個々によってさまざまに異なります。
一見して正常である状態が長い人から、妄想観念が発現されどおしの人まであり、
またたえず微熱がつづくように微妙な境界閾にある人もおられます。

そしてA さんは、ご本人の特有な症状をかかえているというわけです。
そのことをこの断片的な表現を補足しつつ観察していきたいと存じます。

まずA さんのお話から、平成00年に入って
おなじアパートの隣室の住人家族らがいわゆる騒音迷惑行動をとりはじめたことに端を発して、
A さんはつよい心痛を感じるようになったこと。

それは具体的には、
「一日中がなりたてる」というような異常な行動が連日つづくことによって、
「激しい嘔吐がはじまり、つぎには真っ直ぐに歩けない状態になり、さらには難聴に到った」
という身体症状としてあらわれてきます。

またそのような身体症状がつづくために、
「全身がダラっとなって、ほとんど寝たきり」の状態を余儀なくされたことを訴えられています。

一般的に、人はなぜ騒音がこのような心身への影響を与えるのかということには、
無理解であるかもしれません。

しかし丁度、A さんのこの隣人トラブルと時期をおなじくする頃に
マスメディアで大きく報道された事件がありました。

奈良県平群町に住む河原某が、
平成十七年四月に近所の人が訴えた
「連日の大音量によって、全治一ヶ月の身体的、精神的傷害を与えた」
という容疑で逮捕されています。

この河原容疑者の異常行動の病理がどういうものかはあとにして、
その異常な行動が,
結果的に自分の家族を特異な病理に追いやることになった点に注目しなければなりません。

なぜなら、
この河原家の主婦以外の全員が長女、次女、長男、夫の順に「脊髄小脳変性症」を発症して、
そのうちの長女と次女は死亡している点です。
「脊髄小脳変性症」とは厚労省指定の特定難病であり、
「すべての運動機能が失調していき、寝たきりになってやがて死に到る」ものとされています。

この事件の被害者の女性も
「今でもあのバンバンという音が頭の中にこびりついて離れない」と証言している。
すると当然、
河原容疑者自身の家族にも与えられた「身体的、精神的傷害」であったということが自明であり、
その影響負荷は道をへだてた隣人への十倍程度とかんがえられる。

河原某がつくり出した 「 脊髄小脳変性症」とは、
聴覚の機能(イントネーションがあらわす言葉の意味)を、
常同的な「ブチギレの怒鳴り声」によって破綻させるというものです。
すなわち左脳の聴覚野の機能を受容不能の状態におちいらせて、
脳中枢のA6神経をつねに過緊張状態にして脳の運動系を破綻させるというものです。


こうした事例がA さんのケースにもあてはまることは容易に理解されることです。
激しい嘔吐や歩行困難、難聴をあらわし、
その後の取り憑かれによる幻聴の出現やパニック症と感覚鈍磨は、
まさしく 「脊髄小脳変性症」 だけでなく
分裂病をいっそう深刻なところへと増幅したことをしめしています。

分裂病の症状が「いっそうのひきこもり」状態に到った原因が以上のようなトラブルにあったとして、

それではもともとの病理がどこから来ているのかといえば、
「同居している母親が分裂病(統合失調症)を患っていること」から
ずい分以前に心的な感染が起こったと推察できます。

おそらく、
母子が無意識の密着、同調におちいっての、母子共依存の心的な関係を形成した結果、
病理が感染したものとかんがえられます。
またそれが固着した状態であるために、身動きがとれなくなっていると観察されます。

そして今現在も、A さんは
『 同居している母親が分裂病(統合失調症)を患っていること。
そのことと合わせて、本人もおなじように分裂病(統合失調症)を病み、
対人恐怖によるパニック発作不安のために外部と接触できず、
このままでは日常生活が破綻していく不安にさいなまれている 』ことを
重ねて訴えられています。

したがって今、緊急な物心両面での支援が求められている局面にあるとかんがえます。
心的な分裂病、パニック症および脊髄小脳変性症のカウンセリングによる改善に際して
必要なこととして、
行政による生活・生存の保障が担保されなければ前進できないわけです。

わたしどももいっそうの努力をしてまいりますが、
どうかA さんご家族の生存に手をさしのべられますことを心からお願い申しあげます。

平成00年0月0日 記

全日本カウンセラー協会大阪支部:代表 大木 保 カウンセラー 』 --

後日、といっても数ヶ月を要しましたが、
ようやくこの母子家庭に生活保護の再申請がみとめられて、最悪の事態をむかえなくてすみましたが。・・・

この母子だけの問題ではなく、こうした心の病気をかかえて窮地の状況にある人たちが、
全国にすくなからずおられることをおもうと、本当にもどかしくて、やりきれない。・・・

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