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「おうち時間」と花 岩崎邦子の「日々悠々」(78)

2020-04-17 05:59:40 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」(78

「おうち時間」と花 

 

    今年も我が家のベランダで君子欄が見事な花を咲かせてくれた。娘が小学校卒業の時に、学校からもらってきた小さな黒い種が育ったものだ。あれから何十年になるのだろう。私たちが海外にいた間も留守の家の軒下で細々と生きていてくれた。

 今の住まいへ引っ越してからは、大きな鉢に収まって春が来れば咲いてくれる。株分けもしてきたので、数鉢にもなる。決して手入れが行き届いているわけでもないのに、元気なことが不思議なくらいだ。

 カレンダーに書き入れた予定に沿って日々を過ごしてきたが、それらのすべてに×点が入って、「おうち時間」がうんと増えた。テレビでは新型コロナ関係のことが、主流となって放映され続けている。出かける予定もない中ゆっくりとしながら、市川の戸建ての家に住んでいた頃を思い出す。セントポーリアの花に凝っていたな、と。

 直射日光や寒さには弱い花なので、部屋の温度調節には気を付けた。リビングの真ん中に棚を作り、花用の蛍光灯の光で調節したものだ。愛らしい小さな花にも、いろいろ種類があってどんどん増やしていった。だが、転勤と言う生活の環境が変わると、その情熱も冷めてしまった。年を重ねた今では懐かしいばかりである。

 毎年、春になれば近くの桜や、八重桜を楽しむ。花だよりに合わせて、梅、芝桜、チューリップなどが咲く名所にも出かけたし、今年はネモフィラの咲くひたち海浜公園へのバス旅も予定していたのだが…。

「おうち時間」を過ごす日々の中で、散歩と買い物を兼ねて夫と出かけることにした。買い物の時は荷物が重くなるからと、つい車を利用していたが、いつものコースとは違う道の住宅街を歩いていく。集合住宅とは違って家々の庭が見られる。車や自転車、子供用の遊具があったりして、なんとなく、家族構成を想像するのも楽しい。

 公園では元気な学童たちが楽しげだ。車が来ない道路では、スケボーをしている。石けりや、路上に丸を描いての「ケンパ、ケンケンパ」は、私も童心に戻って何とも懐かしい。春爛漫の庭では、手入れが行き届いた庭木や花たちに、目を奪われる。この辺りに住んでいる人たちは、まだまだ若い年齢層のようだ。

 日本は今、新型コロナ感染の収束に向け試練が試されている。外出を控えることが叫ばれて、多くのタレントやアーティストのイベントや公演が延期や中止に。そんな中、嵐の活動休止前のファイナルコンサート(5月15、16日)の開催が心配されていたが、延期となった。

 この決定には大げさに言えば日本だけではなく、世界が注目していることであった。オリンピック開催時の会場となる新国立競技場のこけら落としにもなるはずだったからだ。彼らは今までにも思い思いの手法で、この難関を乗り越えるための応援をしてくれている。

 手洗いの大切さを実践しながら歌とパフォーマンスで子供や若者へのメッセージを送った。緊迫の場面もあるだろう中で、疲労困憊の医療に当たる人たちへは、ねぎらいと感謝の言葉を発信。関係者からも好感が持たれている。フェースブックやインスタグラムでは、多くのアーティストの歌やコンサート場面を見ることが出来る。こうした試みは、参加の機会のなかった者には嬉しいことだ。

 今日も私は以前に買いためたリバティの花柄の布たちと向き合っている。花を育てる機会は極端に少なくなったが、お気に入りの生地の、その愛らしい花たちに囲まれて、小物を作りながら過ごしている。いただいた初物の筍の、あれこれの献立を考えながら…。「おうち時間」も悪いものではないのかも。

 


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