元海上自衛隊練習艦隊司令官
軍事専門誌でアンソニー・トゥー氏の功績に言及
毒物および生物・化学兵器の専門家として知られ、オウム真理教による一連のサリン事件解明のきっかけをつくったアンソニー・トゥー氏（アリゾナ州立大学名誉教授）は、本ブログでもたびたび登場されます。
そのトゥー氏の友人で、元海上自衛隊練習艦隊司令官の山崎真氏が月刊『軍事研究』に「一海上自衛官の回想―練習艦隊司令官から海幕装備部長へ」を連載されていますが、同誌最新号（2019年８月号）では、サリン事件とトゥー氏のことに半分近く割かれています。
山崎氏が海幕装備部長だった平成７（1995）年３月20、世界中を震撼させた地下鉄サリン事件が発生し、死者13人・負傷者5800人以上を出しました。海幕装備部だけでも５名の被害者を出したそうです。
山崎氏がトゥー氏と知り合ったのは、退官後に出席した国際会議でのことでした。その後も交流が続き、来日するたびに面会したり、メールの交換を行う間柄です。
同誌最新号で山崎氏は、
「松本サリン事件、地下鉄サリン事件共に警察の科学捜査研究所（科捜研）のFAXによる質問に答え、事件を解決に導いた日本国民の恩人である」
とトゥー氏を紹介し、次のように日本人に警鐘を鳴らしています。
「現在、Ｎ（核）、Ｂ（生物）、Ｃ（化学）、Ｒ（放射線）の諸兵器によるテロへの対策が国を始め各所で真剣に検討されているところであるが、これら全てによる被害を受けている国は世界でも日本のみである」
世界中が変動の時代を迎えている今日、山崎氏の警鐘を日本人は真剣に考えるときかもしれません。
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