独占

巨大企業は市場を思うがままに操り独占する。また天下りを受け入れることで存在基盤を固め、場合によっては国のインフラ予算も法律も希望通りに進めることが出来る。即ち公明正大に事業展開が出来、反対する不満分子の首根っこを押さえることはいとも簡単だ。従って独占禁止法に違反することもない立派な民間企業だ。安定して給与も高水準で学生就職希望上位に毎年ランクインし成績優秀な学生が殺到する。また膨大な広告宣伝費をばら撒くのでマスコミも沈黙する。国を代表する企業として君臨する。ただ一部の学者や外国人には自立した企業と見なされていない側面もあったが全く無視されていた。
さて、とある先端企業が遺伝子工学を駆使して病害虫に強い作物の栽培に成功したとする。食料問題の強力な解決方法とばかり、国はすぐさま飛びつきこの作物栽培を補助金付で推進する。病害虫に強く作付けも簡単で増産も期待できしかも味が良く申し分ない理想的な食料だ。農家にたちまち普及し多年にわたり主要作物になる。後進国にも普及し食料問題もこの作物によって解決し、人類は飢えることを忘れた。しかしある年この作物は突然想定外の原因で全滅し、他の作物の蓄えがないので人類が危機に直面。
これはＳＦ小説ではなくて、ある遺伝学者の警告で、一種類作物の独占栽培は一見安定しているように見えるが食料の危機管理にならない、多様な作物を栽培することこそが生命の継続につながりなると。
どこかの国のどこかの会社のようです。。。。。