昔ある地方都市に関係したことがあった。助役が二人いて一人は生え抜きでもう一人は嘗ての自治省からの出向であった。生え抜きは市の予算しか念頭にないから何も出来ないし何もしなかった。一方の自治省のほうはお金を持ってくるので粗相のない様に市から大事にされ、市長は何も口を挟まなかった。その助役は在任中に市を活性化しようと企画を立て国の予算を取りその通り実行した。ただし縁もゆかりもないところに赴任し市の独自性を一人で出そうとしても無理である。その助役には何人かの取り巻きがいたのである。助役の赴任先どこにでもついて回り事業を企画した。ふところ刀だ。もちろん市の役人たちは何が起こるかわからず呆然としていた。結果として大公園が出来、繁華街がおしゃれになったが、実行予算は国からひっぱて来たから理解できるが、その取り巻き達への予算配分はどうしたかということだ。市で事前に予算化してある様には見えないし、事業計画への企画立案についての入札があったわけでもないし、海外出張もあったし、どのくらい経費がかかったかわからなく、その出所がまったく不明であった。たぶん名目を変えて市が出費したのだと想像される。
その助役は市から感謝され実績を土産にして次の赴任先に向かった。もちろん取り巻きも一緒に。
その助役は市から感謝され実績を土産にして次の赴任先に向かった。もちろん取り巻きも一緒に。