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名古屋・トヨタ産業技術記念館 ~一日中楽しめる体験型ミュージアム

2018年08月09日 | 観光スポット

名古屋駅から歩いて行ける範囲に、日本有数の人気を集める企業博物館があります。トヨタ産業技術記念館です。

トヨタグループの創業は自動車ではなく、紡績・織布の機械製造です。記念館では自動車だけにとどまらずトヨタグループ全体のモノづくりへの姿勢と歴史を、展示だけでなく実演や作動体験を通じて楽しみながら学べるようになっています。

Trip Advisorの工場見学&社会科見学ランキングでは2015年以降、4年連続で国内第1位です。老若男女、本当に誰でも楽しめます。


機械の進行表示がリアル

記念館は、トヨタグループの原点の地にあります。グループの創業者・豊田佐吉(とよださきち)が1911(明治44)年、紡績・織布機械開発のための試験工場を設立した地で、この地からグループは世界最大級の自動車メーカーグループへと発展していきます。

グループ企業の本家である豊田自動織機が長らく工場として使っていましたが、残された建物の多くを展示施設に改造し、1994年にミュージアムとしてオープンしました。



トヨタグループが運営するミュージアムは愛知県に4か所ありますが、産業技術記念館はグループ全体の産業遺産と現代のモノづくりの様子を展示しています。長久手市のトヨタ博物館は世界の自動車の歴史の展示、豊田市にあるトヨタ会館は環境・安全などの最新技術の紹介と、コンテンツのすみ分けが行われています。日本は企業博物館がとても多い国ですが、その中でも日本最大の企業グループのミュージアムです。展示の質的量的な奥の深さは群を抜いています。

産業技術記念館の入口はとてもインターナショナルです。外国人観光客の姿が、東京湖屋立博物館並みに目立ちます。タイ語のパンフレットも用意されています。さすがのTOYOTAブランドです。



このミュージアムは五感で楽しめることも大きな魅力です。展示されている機械の多くは実際に動かされており、モノが造られていく様子がリアルにわかります。動態保存されている展示物がとても多い印象を受けます。重要な展示物には解説スタッフが常駐しており、小学生からお爺ちゃんまで、誰に対しても説明はとても上手です。手に触れて触感を楽しめる展示もあります。



見学前半の「繊維機械館」は1918(大正7)年建築の美しい赤レンガ造りです。機械が動く音を聞きながら歩くだけでも、100年のトヨタのモノづくりの歴史の奥深さが味わえます。

見学後半の「自動車館」は、豊田佐吉の長男でトヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎(きいちろう)による自動車事業の創業期の展示から始まります。喜一郎が自動車の開発に使っていた建物が再現され、人形も使って当時の様子が詳しく解説されています。

1930(昭和5)年頃の様子ですが、日本ではまだなじみの薄かった自動車を製造するという決断に、当然まわりから大反対にあいます。それを乗り越え事業を軌道に乗せた喜一郎の思いがとてもよく伝わってきます。


こんな小さな建物からクルマの開発が始まった

ドーム球場のような巨大な空間の一角には自動車の製造ラインの機械や、往年のトヨタの名車が所狭しと並んでいます。近年のロボットによる製造ラインを見ていると、単なる機械ではなく芸術品のように思えてきます。それだけ流れるような美しさを見せてくれます。



テクノランドでは、自然や物理現象と機械の仕組みがゲーム感覚で体験しながら学べます。トヨタ産業技術記念館に自分の子供を連れて行けば、その子は結構な確率で、たとえ女の子であっても”理系”に目覚めるでしょう。それほど来館者を楽しませる工夫がなされています。

施設はとても巨大です。一日かけてゆっくり見て回るのもおすすめです。館内のレストランやカフェも前向きに利用したくなる雰囲気が伝わってきますので、安心できます。

帰る前にはミュージアムショップもお忘れなく。こちらもある程度の時間を見ておかないと、時間が無くなって後悔すること間違いなしです。

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



日本最大の企業グループの歴史の濃密な歴史をアニメで軽快に読み解く


トヨタ産業技術記念館
【公式サイト】http://www.tcmit.org/

原則休館日:月曜日、年末年始
入館(拝観)受付時間:9:30~16:30



おすすめ交通機関:
名鉄・名古屋本線「栄生」駅下車徒歩3分、JR名古屋駅から徒歩20分
JR名古屋駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
名鉄名古屋駅→名古屋本線→栄生駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には無料の駐車場があります。


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