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スケッチブック

写真と文章で、日常を記録に残す

果たせぬ夢があった方がよい

2006-02-09 13:30:58 | 人生
子供の頃よく空を飛ぶ夢を見た。両手を広げて、地面を足で蹴るとフワリと浮き上がり、羽ばたけば高みに向かって飛ぶことが出来た。それは実に楽しい夢だった。何度も何度も夢で大空を飛んだ。将来は海軍兵学校に入って空を飛ぶことを人生の目的として勉学にはげんだものだった。それが、敗戦でとん挫した。

昭和50年頃にハングライダーが登場したと記憶している。高い山から飛び立って、上昇気流に乗って数千メートルの上空にまで舞い上がる人が出てきた。これぞ私の夢だとばかり勇んだが、子育ての真っ最中だった。事故死でもして一家路頭に迷わすような結末は避けたい。だから、ここでは私の方から近寄らなかった。

いまはパラグライダーが主流で、若者達が高原の斜面を利用して気持ちよさそうに空を舞っている。飛行技術を習得するには20キロはあると思われる装備を担いで斜面を歩いて上らなければならない。いま、もはやその体力はない。空を飛ぶという願望は届かぬ夢となってしまった。

だからこうして、飛翔する水鳥達を追いかける。魂をトリと入れ替えることによって、あたかも自分が自在に飛んでいるような気分に浸れる。寒風が吹き抜ける川べりに座ってはいるが、実は夢中に飛んでいるのだ。果たせなかった若き日の夢はこの他にも沢山ある。しかし、現実を快く受け入れれば、人生は実に愉快だ。三枚目の写真の右上を飛ぶダイサギは実は私なのだ。



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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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短編小説を読んでるような (あまもり)
2006-02-09 15:05:21
自分の願いが変身によって叶う。

カフカか阿部公房の小説を読んでいるような気分になりました。

偉そうですが名文に大拍手



ついにpoloさんはダイサギに変身しましたか。左下は奥様かも・・・

翼を逆Uの字に曲げ大きく羽ばたこうとするダイサギ。行き先は諏訪湖でしょうか。

私は上の裏の写真が好きです。
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あまもりさん、こんにちは (polo181)
2006-02-09 16:57:06
コメントを有難う。これは誉めすぎですよ。笑 でも、読書家のあまもりさんから誉められるととても嬉しい。雪の心配さえなければ、とっくに諏訪湖に行っているのだけれど、あの辺りは突如銀世界となる地域です。だから、躊躇しています。妻は「行ってしまえば、あとはどうにかなる」なんて言うけれど、雪道の怖さを知らない人の言葉です。今日は北風が吹く中、水鳥公園で待っていたら突然飛び立った二羽が空中で戯れていました。慌てた私は右往左往で、彼等を中央に捉えることが出来なかった。私も二枚目が好きです。
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 (anikobe)
2006-02-09 20:16:38
中学2年生の担任だった、若い綺麗な先生が大好きで、この先生から大きな影響を受けました。

3年になって、卒業の時のサイン帳に、

「夢を持ちなさい。夢のない人生は寂しい」と書いてもらったのを今も大切に持っています。

潰えてしまった夢もあり、果たせた夢もあるこれまでの長い道のりでしたが、夢は、シャボン玉のように、虹色で、いつもふわりふわりと心のストローから飛び出します。

夢のある生き方のできる幸せは、その先生のプレゼントでした。

空を飛ぶ鳥に夢を託したpoloさん。やっぱり素敵な生き方ですね。

飛翔する鳥とてもいい写真です。

夢を託されていることを知っているような・・・。
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anikobeさん、こんばんは (polo181)
2006-02-09 20:32:06
コメントを有難う。素敵な先生に巡り会えるかどうかが運命の分かれ道なるかも知れません。それほど、私たちは先生から影響を受けましたね。その点、貴女は幸せなかたです。それは、貴女は今もその先生が仰った通りの生き方、つまり夢を追いかける生活をしていらっしゃるからです。有難う。私も貴女に負けないようにこれからも夢を少しずつ実現させてゆきたいとおもいます。私の写真をお褒め下さって、とても嬉しいです。実際、これらのトリは私の化身とも言えます。それほど、かれらは楽しそうに飛び回ります。
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悠々  (sakura)
2006-02-09 22:49:00
ダイサギpoloさん!

悠々と飛ぶダイサギ!ものすごくいい写真ですね。

コサギとダイサギが飛ぶ写真も素晴らしい!!

昔 息子が小さい頃ウルトラマン?でしたか、が、流行っていて風呂敷を肩にかけ首に結んで箪笥の上から何度も何度も飛び降りていたのを思い出しました。

ア~~懐かしい・・・夢よ!もう一度・・・

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ガラスの少年時代 (熊子)
2006-02-10 00:06:42
キラキラ輝く目をしたポロ様の真骨頂は飛翔でしたか。いろんな夢を見ながら生きてきて、挫折を感じて、それでもまた夢を見て、だから人間なんですね。男は空に浮かんだ雲である、、、こう言ったのは誰だったかな。高いところの苦手な私は、高いところの好きな男性には尊敬の念を持っています。画はどれも綺麗で、私も飛んでる感覚になりました。
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sakuraさん、こんにちは (polo181)
2006-02-10 14:30:05
コメントを有難う。写真をお褒め下さって恐縮です。有難う。空を飛ぶトリを眺めていると、こちらの気持ちまでゆったりとしてきます。あたかも自分が飛んでいるような気持ちです。子供の頃からの夢でして、それが今も続いています。今日も朝から多摩川に出て、水鳥達を眺めてきました。ゆったりと舞うトンビがとても羨ましかった。貴女の息子さんも同じようにして空を飛んだのに違い有りません。
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熊子さん、こんにちは (polo181)
2006-02-10 14:37:31
コメントを有難う。画を誉めてくださって有難う。カメラのレンズを空に向けてシャッターを押しているけれど、実はファインダーの中で自分が飛んでいる。ハクチョウの着水シーンを撮影したいのも同じく自分がその体験をしたいからです。モーターボートでパラグライダーを引っぱって空を飛ぶ。そしてスピードを落として滑走しながら着水する。これももはや体力的に無理です。でも、想像力さえ衰えなければ、自分を何処にでも置くことが出来ます。それはとても楽しい。
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